おせっかい恐竜と料理の話🦖🥘

恐竜に、ホワイトソースから自作でシチューを作ってもらった。
私は料理ができないので、料理男子が大好きである。
ちなみに私の妹達も例外なく料理下手なので(きっと親の教育が悪かったのだろう)、3姉妹とも料理男子を捕まえている。
この姉妹は自分にできないことがあっても、それができる男性と付き合うのが上手なのだ。


「お米、かたいほうがいいね」
恐竜が唐突に言った。
彼が作った絶品のシチューを口にしながら、私は「え、やわらかいほうがいいと思います」と即答した。
「…意見の食い違いやね」
恐竜はなんてことないみたいに、むしろ楽しそうに笑って言った。
私は彼のこういう気楽さが好きだ。
違うことも悪いことだと思わなくしてくれる。


「まだ食べたことのない料理がたくさんあるでしょう?それを僕が作っていくから、まだ死なないでよ。なんならakane*さんにも料理をしてほしい。まだ死ぬのは早い」
そう言いながら恐竜は、太古から料理がなされてきた歴史を語った。
そして、私が知らない国の私が知らない料理について説明した。
恐竜は仕事の話をする時よりも料理の話をする時の方がいきいきする。
そんな恐竜を私はずっと見ていたいと思う。
もちろん、恐竜の美味しい料理が食べられるならもう少し生きてみたい。


シチューを作った翌々日。
恐竜は、私がちゃっかりやわらかめに炊いたお米でリゾットを作ってくれた。
シチューから変貌を遂げたそれは、シチューと甲乙つけ難いほど美味しかった。
また私が「おいしい!」としか言わないので、恐竜は半分呆れながらも「どこがおいしいの?」と聞き返せないくらい完璧なリゾットを食べていた。
私は、何も作らないのも気が引けるので、シチュー作りで余った牛乳と冷蔵庫にあったレモン汁で大量のラッシーを作った。
明らかに量が多かったのに、お世辞を言いながら一気に飲み干してくれた。
恐竜の優しさに感謝。


今日は恐竜をよく知る共通の知り合いと、久しぶりの外食をする。
恐竜の手料理が食べられないのは惜しい気もするが、私の知らない恐竜の姿を知ることができるかもしれないと思うとわくわくする。
(今日のことはまた機会があったら記事にしようと思う)。
そのかわり明日は餃子を作ると言ってくれているし、いつかカレードリアを作る約束もしてくれた。
「そのうち舌が肥えるかもね。僕の料理に文句を言うようになるんじゃない?笑」
そんな女にはなりたくないけど、そうなるくらい恐竜の料理を食べ尽くしていけたらと思う。
そして、恐竜の手料理に、ずっと感動していたい。

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