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幻の焼酎「百年の孤独」にまつわるエトセトラ

焼酎好きな方ならご存知でしょうが、「百年の孤独」(黒木本店)という麦焼酎があります。オーク樽で長期熟成したそれは、口当たりまろやかで芳醇。高級な洋酒にも似て、従来の焼酎のイメージとは大きく異なります。

名前の由来はノーベル賞作家・ガルシア= マルケスの小説から。先代の社長・黒木敏之さん本人が、作家に直接電話して許諾を得たもの。宮崎出身の今井美樹さんが、『笑っていいとも』で、今上天皇(当時は皇太子)が飲まれていると紹介したことで、一躍有名になりました。

現在は息子の信作さんが会社を継ぎ、かつては文学青年であったという敏之さんは、宮崎県高鍋町の町長をされているようですが、かつて偶然2回ほどお見かけしことがあります。

一度目は福岡県の文化事業で、若者が文化人と会食をするイベントがありまして。宗教学者の中沢新一さんと同席したのですが、そこに黒木さんが「野うさぎの走り」という新商品の米焼酎をお持ちになりました。中沢さんの著書のタイトルから名付けられたそうです。

二度目は黒木本店の前で。当時、すでに「百年の孤独」は手に入れづらい状況にありまして、自分用や親しい人への贈答用に欲しかったため、とりあえず製造元の宮﨑まで行ってみようと車で出かけました。

現地に着くも直販はしていないようで、困っていると、一人の男性に話しかけられ。いきさつを話すと、地元の酒店をご紹介いただき、初めてその人が敏之社長であると気がつきました。「百年の孤独」や「野うさぎの走り」を数本買って、無事帰宅の途に着きましたが、いい人だったなあ。

現在は若き信作社長の元、さらに進化を続けているという黒木本店。普段はワインや日本酒という方も、一度ここの焼酎をお試しあれ。芋焼酎「爆弾ハナタレ」も最高です。贈り物としてもきっと喜ばれるでしょう。


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