見出し画像

12月12日 剣豪の思想を経営に取込む

12月12日ですね。

昨日は都内で催された新刊刊行記念のトークショーに行ってきました。

その本の題名は「柳生十兵衛と千葉真一 二人の武人が現代人に伝える真理」です。

著者は妻が習っている居合の師範でもあります。著者とMC役を務めた女優の高尾美有さんの二人が本のエッセンスと共に、実演を含めで紹介する内容です。

柳生十兵衛は、徳川幕府の創成期に活躍した武将です。柳生新陰流の発展において欠かせない人物であり、様々な小説や映画やドラマの主人公としても知られています。

一方の千葉真一さんは昨年惜しまれてなくなりましたが、晩年まで映画俳優として活躍した方です。皆様も知っているとおり。ちなみに私は千葉真一さんの出演作をろくに見たことがありません。そもそも柳生十兵衛を取り扱った作品も数えるほどしか触れていません。

ですが、このトークショーはとても面白かったです。

それは、経営の視点でとても参考になったから。

柳生十兵衛の生まれ変わりを任じていた千葉真一さんは、柳生十兵衛が残した事績を訪れ、著作を諳んじられるほど惚れ込んでいたそうです。

柳生十兵衛の思想としては、活人剣の思想があります。これはかの塚原卜伝の思想にも通じるところがあります。

剣の道を極めると、人を殺めることを無意味と感じるのでしょう。自分を活かし、人を活かし、共に生きる。

私の心に染み込んだ言葉として、以下のものがあります。

切らず とらず
勝たず 負けざる 流也

つまり、相手を切らず、刀を取らず、勝ち負けを超越する流派ですよ、と。


ビジネスの場では相見積もりがあります。勝つ場合も負ける場合があります。

そもそも資本主義の本質は価値の交換です。価値、つまり貨幣の交換。それが流れるところには流れていき、失われるところからは消えていく。

私はそういうビジネスの殺伐とした世界が嫌でした。だから若い頃、大学に出てすぐに企業に入りませんでした。

それから数十年が経ち、今はご縁があった人々の助けを得て、経営する側に立てています。

その私がかつての理想を捨て、勝った負けたに一喜一憂をし、殺伐としたビジネスの場に身を投じるのは誤っているはずです。


本来は自社も周りもコミュニティも巻き込んで活かし、相互互助を実践することこそがビジネスであるべき。

だが、周囲を見ているとそうもいかないことが多いです。


これをどんぐりの背比べで勝った負けたとしているから、相手の縄張りを侵すしか生きる道を見いだせず、相手を追い詰めるのだと思います。

そうならないためには、学んで学んで圧倒的な力を持つ。そして、新たな領地や世界を開拓する。


その結果、仕事をくれとお願いしなくてもお仕事をもらえるようになる。余裕を持って自社も周囲も活かせるようになる。

戦わずして勝つ。それが活人剣の要諦だと思いました。


まだまだ私には学びが足りません。より圧倒的な力を持たなければ。

もちろん、その力とは、権力を指すのではありません。

魅力、能力、技術力、人間力です。


今後も精進します。

ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。