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白亜の街・オストゥーニを散策

<イタリア旅行記(2019年夏・南イタリア横断)no.20>

オストゥーニ(Ostuni)の旧市街を散策しましょう。
まずは、丘の一番上にある大聖堂を目指します。

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オストゥーニ大聖堂
(Cattedrale di Santa Maria Assunta in Cielo)


大聖堂の顔と言えるファザード(正面部分のデザイン)には、細かい彫刻のバラ窓(Rosone)、そして全体像も、女性らしい曲線のラインが美しいです。

15世紀に建てられたバロック建築で、教会の名前にも入っているサンタ・マリア・アッスンタに捧げられたものです。

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大聖堂の向かいには、アーチ状の渡り廊下がありました。
こちらも、きっと大聖堂を同じ頃に造られたのではと思わせる、アンティークな風貌です。

この小さい広場から、迷路のような通りを歩きながら、海が眺められる旧市街の端まで行きました。

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オストゥーニの街の成り立ちは、紀元前と言われています。
「白亜の街」と呼ばれるようになったのは、17世紀頃からで、旧市街地の壁を全て「白」に塗られるようになってから。

この「白」は「石灰乳(Latte di Calce)」と呼ばれる素材です。
プーリアの土地は、石灰岩の地層で出来ていて、この岩を高温で焼き、水に浸けると化学反応が起きて出来るのが「セメント状の石灰乳」
これらを壁に塗って、空気に触れさせると固まるのです。

石灰には殺菌効果があり、17世紀に流行した「ペスト」から家を守るために塗られたのが始まりとか。

そして、このペスト流行を抑え込んだのが、街の中心・リベルタ広場に立つ像の主・守護神オロンツォだったと言われています。

今も、塗替え作業は続けられて、毎年6月頃に行われるそうです。
これは、夏の暑い日差し対策でもあります。
白く塗り替えられた美しい白亜の街の建物の中に入ると、確かに、冷房がなくても、冷んやり感じるのですよね。

8月には、守護聖人オロンツォ(Cavalcata di S.Oronzo)のお祭りもあり、
夏の観光シーズンには、多くの旅行者が訪れ、青い空に映える、この真っ白な美しい壁を楽しむのです。

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海が見えてきました!

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奥に見えるのは、アドリア海。

スーッと横に伸びるアドリア海の水平線、そして、パッと抜けるように、大きく広がる青い空。
深い緑が美しいオリーブオイルの木々。

イタリアは、本当に、美しく、目にも鮮やかな様々な色彩で溢れています。
素晴らしい景色も、そのひとつ。
これの風景を見るために、イタリアを訪れていると言っても過言ではない。
それほど、その地に立つだけで、刺激を与えてくれる、私のパワースポット「イタリア」です。


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