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花相の読書紀行№.116『救済』

至極の短編ミステリー、その罪に救いは有るのか

【救済】/長岡 弘樹
<あらすじ>
その行為に「救い」が? 心を揺さぶる六篇の極上ドラマ。『教場』の著者が紡ぐミステリ集! 不始末を犯したかつての弟分の落とし前をつけるため、兄貴分がとった行動は?(「最期の晩餐」)
元警察官が殺害現場で綿密な証拠隠滅を図る。親子の刑事は真相を見破れるのか。(「ガラスの向こう側」)
放火犯として刑事に疑われた知的障害のある少年。夏休みの予定を時間割として書くことに容疑と関わりが?(「夏の終わりの時間割」)
6編の短編は、どれも読み手を飽きさせないストーリー。
<目次>
 ・三色の貌
 ・最後の晩餐
 ・ガラスの向こう側
 ・空目虫
 ・焦げた食パン
 ・夏の終わりの時間割

★感想
作家“長岡弘樹”さんと言えば、木村拓哉主演でドラマ化された警察学校を舞台にした警察小説「教場シリーズ」が、先思い出されますね。
今回は、その長岡さんが書かれた“救い”をテーマにした6編の短編集です。

残酷に人が殺されることもなく、犯罪者と警察の派手なバトルもない、けれどミステリの面白さを十二分に味わえます。
“人は、人であるが故に犯罪を犯す。”
そんな人の心情を描きながら、文面に巧みに伏線を織り込み、最後にうっと思わせる展開は流石です。
 
これ、ミステリー好きには堪らない一冊かも••

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