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フランシス・F・コッポラに睨まれた⁈

フランスに留学していた時、
地中海岸の町、ニースに住んでいた。
カンヌまで電車で30分くらい。
映画祭が開催される5月に、
カンヌに遊びに行った。

もちろん会場に入れるわけでもなかったが、
映画祭開催中の、町の雰囲気を味わえた。
そして和食に飢えていた私と友人は、
日本食レストランに入った。
知り合いの知り合いの店だったので、
伺うことは事前に電話で伝えておいた。

店主と挨拶を交わし、
久しぶりのお寿司を堪能し、
店主がテーブルに来てくれて、
少し話をしていたその時、
白人男性が奥様らしき女性とともに
店に入って来て、目があった。

フランス、特にニースのような地方都市では、
目があったら、
知らない人でも微笑み合うのが普通で、
そのまま目を逸らしたら、
ちょっと感じ悪い人になる。

当時在仏1年弱だった私は
もうニースの常識に則って暮らしており、
当然その男性にも反射的に微笑みかけたのだが、
「なんでこんな見知らぬ小娘に微笑まれるんだ」
とでも言いたげな仏頂面で睨まれた。

「感じ悪い!」
と思ったが、観光地だし、
フランス人じゃないのかもね、
と思い直したところで、店主が
「あら、フランシス・コッポラさんよ!」
と言って彼に挨拶をした。
彼はその店の常連で、日本食びいきでもあり、
映画祭の度に店に顔を出すらしい。

私はフランシス・コッポラさんの
名前は知っていたが、
失礼ながらお顔までは知らなかったため、
恐れ多くも普通のフランス人のおじさんだと思い、
にっこり微笑みかけてしまったのだった。

私も当時20代中頃、若気の至りとはいえ、
世界的に有名な大物映画監督に対して
大変失礼しました。
帰ってゴッドファーザーを改めて見返し、
彼の偉大さを再確認したのだった。

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