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親と子の関係が入れ替わる時

つぶやきでも投稿したが、先週父が骨折した。
父は家から徒歩10分くらいの実家にいて、
母は亡くなって、妹も家を出ているので
現在は一人暮らし。
居眠りして椅子から落ちたそうで、
肋骨が痛いと言っていたので、
翌日整形外科に連れて行ったら、
肋骨が1本折れていた。

整形外科で湿布を貼ってもらい、
コルセットを巻かれたが、
痛み止めの注射は効かず、
毎朝晩飲んでいる鎮痛剤も効かないらしい。
父は昔から大酒飲みだったせいかもしれない。
夜も眠れないらしく、つらそうだ。

最近、身体も弱ってしまって、
歩くのもすごく時間がかかっている。
その上、多分骨折しているだろうと思ったので、
病院に連れて行く時は、杖を使った。
祖父が使っていたのが、
そのまま玄関に置いてあり、
これ使おうよ、と持たせたのだった。

徒歩12分くらいの整形外科に着くまで
30分近くかかり、
帰りはつらすぎて1停留所分バスで帰った。
私まで乗る必要もないかなと思い、父に
「私は歩いて帰ってもいい?」
と聞いたが、一応
「いた方がよければ一緒に乗るけど…?」
と付け足したら、
「そりゃあ、一緒の方がいい」
と言ったので、私も一緒にバスに乗った。

実はそのセリフは意外だった。
父がこんなに弱った自分を認めて、
娘に一緒にバスに乗ってくれ、
というようなことを言うなんて、
父らしくないと思ったのだ。
今まで世話してもらい、
守ってもらっていた立場だった私と、
とうとう親子の関係が
逆転したような気分になった。
骨が折れたとはいえ、
こんなに弱ってしまった父親の姿と、
娘に頼るようになった弱弱しさに、
なんだか心が痛んだ。

入院にならなくてよかったが、
近所とはいえ、毎日食事を運んだり、
病院に付き添ったりするのは、
仕事をしているのでそれなりに大変だった。
そんな時、あまったれ娘のチビ子(10歳)が、
意外にも頼りになったので驚いた。
「私が料理を持ってくよ」
と張り切り、一人で届けてくれた。
翌日は買い物、料理まで一人でして、
それを自ら届けるところまでやってくれて、
私は、その日は仕事を休まずに済んだ。

自分の世話まで何もかも私にやってもらって、
わがまま放題生きていたのに、
こういう時にはちゃんとできるんだと感心した。
更に自分で父に電話して
「おじいちゃん? チビ子だけどー、
 これから夕飯持って行くから、
 自分で準備しないで待っててね」
と言ってから出かけていた。完璧だ。
また今までの父を想像して、
「一人でできるから持って来なくていいよ」
とでも言うのかなと思って聞いていたら、
「あ、そう。持って来てくれるの?
 ありがとね。じゃあ、気をつけてね」
なんてすっかり弱ったおじいちゃんを
演じて(?)いたので、これまた意外に思った。

また居眠りして椅子から落ちたら大変なので、
ひじ掛けのついた、
落ちにくい椅子を急きょ注文した。
父も家で仕事をしていた時期があったので、
ひじ掛けのないオフィスチェアを今も使っており、
老人には危険だと思ったのだ。
なんとかまた元気になってもらいたいし、
今まで世話になった恩返しは、
できる限りしたいと思う。

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