見出し画像

芥川賞受賞作品『ハンチバック』を読んで

芥川賞受賞作品の、
市川沙央さんの『ハンチバック』を読んだ。

重度障害者が主人公の小説で、
市川さんご本人と重なるが、
フィクションである。
実話が基になっている部分はあるのだろうけど、
体験したことを書いただけの
作品でないことはわかる。
状況が似ている人を主人公にすると、
実話だと思われやすいよね。
レビューを見ても、そう思っている人が
一定数いるようだった。

最初の感想は、思っていたような、
障害者から見た世界の不便さを説く
みたいな内容ではなく、なんというか、
重い闇を垣間見たような気持ちになった。
評価がわかれる作品だろうなと思った。

健常者では気づけないことも書いてあり、
重度障害者が作品を発表すること自体に
意味があるとも思えるが、私個人としては、
この世界観がよくわからない部分も多かった。
重度障害者の性ということだけではなく、
文体や用語、エロティックな内容、
すべてを含めて。

でも確かに、私たち健常者にとっては
新鮮な視点で描いた世界を提示してくれた、
斬新な作品だろうと思う。
でも金原ひとみ著の『蛇にピアス』を読んだ時も、
今回の『ハンチバック』も、これが芥川賞…と、
ちょっと引いて見てしまうところはあった。
その意外性というか、特異性というか、
それらを含めて芥川賞なのかなと
納得せざるを得なかった、というか…。

まだの方はぜひ一度読んでみて欲しいが、
手放しでお勧めはしない。
私にはわかりにくい作品だったから、
読後感はすっきりしなかった。
でも作者の怒りを感じるし、
考えさせられる作品であることは確かだ。

エッセイのマガジンはコチラ ↑

最後までお読みくださり,ありがとうございます!
他のエッセイも読んでいただければ,
もっともっと喜びます😊

この記事が参加している募集

読書感想文

わたしの本棚

応援していただけたら嬉しいです😊 よろしくお願いします❣️