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【ショートストーリー】水星の女王

子どもの頃の心を持ち続ける人の
魅力には敵わない。
純粋な魂を持っている人は奔放で、
時にまわりの人を傷つけることもあるけれど、
それでもその人が輝き続ける限り、
まわりの人は彼らに振りまわされ、
見守り続けるしかなす術はない。
振りまわされるのが
実は自分にとっての幸せだって、
まわりの人も薄々気づいているはず。

彼が私のもとを去った理由が、
他の女性を愛したのでもなく
私を嫌いになったわけでもなく
男の人を好きになったからで、
本当いうとよかったと思っているの。
もちろん一生彼のそばにいることが
できなくなったのは悲しかったけれど…。

私はその時、彼を自由にして
一生かけて彼を愛す決心をした。
彼と特別な絆で結ばれれば
それは永遠だと思った。
そしてその通りになった。
私は彼の恋人とともに
彼が逝くのを見守ったの。

私は輝いている彼を見るのが好きだった。
私といて悩んでいるより、好きに生きて
楽しそうな彼をいつも見ていたかった。
彼が私の人生の扉を開けてくれたから、
私も何かお返しをしたかったの。

世界中のたくさんの人に愛されて、
好奇心旺盛で、
気づくといつも向こうの方にいた。
最期は水星にまで行っちゃって、
太陽に近づき過ぎて
結局は早死にしちゃったけれど、
きっとそれも後悔なんかしていなくて、
彼は今も天国で
いたずらを考えたりしているんだろうな。

©2023 alice hanasaki

※この作品は創作であり、
私生活とは関係ありません。

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