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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:煌星の使命と運命の絆~星の恋人達 第十二話 メリッサ・ナイトシェイドとレイナの使命

前話

「そこを左へ」
「左、っと」
 アステリアはマリウスの指示に従ってシャドウゲイルの渓谷を歩いていた。渓谷の入り口の霧は晴れたものの、その先はまた視界の悪い光景が広がっていた。闇の圧力に押しつぶされそうな重い空気がたちこめていた。そこをマリウスは難なく指示する。アステリアは指示には従っていたが、不意に疑問が浮かぶ。
 
 この人の言うとおりでいいのかしら。
 
 下手すればアステリアの妨害をしているかもしれない。先ほど会ったばかりの人間だ。長い旅の果てにアステリアは疑うことを覚えていた。
 
「心配しなくても大丈夫だ。アステリア。私は君をメリッサ・ナイトシェイドに会わせることが使命だ。その役目を果たすとようやくお役御免なんだよ」
「そんな使命があるの?」
「まぁね。君がこれから会う人間は何らかの使命を持っている。君に煌星の使命を果たすことができるように運命づけられているんだ。それが終わるのをみんな待っている」
「私はたくさんの人と出会わないといけないの?」
 アステリアが質問を投げかけるとマリウスは肯く。
「君の使命の半分は多くの人と出会い、課せられた使命を果たすことだ。会うごとにある試練をこなして、最大の使命……としゃべりすぎたね。答えは君自身が知ることなんだよ。私や多の者から聞き出すことはできない。君が君として生きて行く上での使命だ。星の守護者たちもそれを知っている。いつか君に救われる日がくるだろう。と、これもしゃべりすぎだね。ほら。あのまっすぐ行ったところにある庵がメリッサ・ナイトシェイドの居場所だ」
 マリウスは庵に少し入ると声をかける。
「メリッサ。アステリアを案内した。私の使命は終わった。後は君に任せるよ。それじゃ、アステリアいい旅をしてくれ」
 一方的に話すだけ話してマリウスは去って行く。アステリア達が庵の入り口で入るべきか入らざるべきかと悩んでいると、急に冷たい風が吹いた。そして声がそれに乗ってきた。
 
『お入り』
 まるで、老婆のような声だった。意を決してアステリアは真っ暗な中へ足を踏み入れる。
 入ると、道の脇にある照明器具がぽんぽんと明かりが灯る。明かりに導かれて歩いているとふっと視界が広がり、目の前に女の子が座っていた。
「お座り」
 女の子が発した声は先ほどの老婆と同じだった。
「アステリアだね。待っていたよ。この時を」
 アステリアに視線を向けるとふとレイナを見る。
「あんたも来たのかい。またあの悲劇を繰り返すのかい?」
 いいえ、とレイナは毅然と答える。
「レイナ、知り合いなの?」
「ちょっと、ね」
「まぁいい。正式な召命を受けた者が来た。あんたはそれを見届けるのが役割だ」
「私の使命まで説明してもらわなくても良いわよ」
「レイナ?」
 アステリアとアルカイオスは不思議な視線をレイナに投げかけていた。レイナの過去が明らかになろうとしていた。


あとがき
レイナさんの意外な過去。それ込みの使命ってつらいわねー。そんな過酷な運命を課している書き手も書き手だけど。これはほんとマジで恋愛在りますか? です。アルカイオスの思いはアステリアには通じてない。レイナには可愛い妹分でいれば良いから良いけれど。鈍感なアスティはいつか気付くでしょうか。恋に。ここも焦点ね。さて、今日はこれから執筆なににしようかなー。早く寝ようかなー。って阪神戦が今日はまだ終わらない。終わったらオフしたいー。

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