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【連載小説+エッセイの勉強中】澄川市物語 命の交錯 第二節 「山笑ふ」+エッセイの勉強中「どうも野球から趣向が変わって、あたりめにはまる」 

 花霞が両親に連れられておもちゃの国に帰る頃にギャン泣きしていた河仁は母、咲に必死になだめられていた。
「とっくん。いないないばぁー!」
「ぎゃー!!!」
「咲は変顔してる。こうするんだ」
 夫、光輝がいないないばぁ、をする。ぴたり、と河仁は泣き止んだ。
「まぁ。パパがいいならママ知らないもんね」
「おい! また泣くぞ!」
「ふん」
 咲は桜を見に一人歩く。
「まんまー!」
 泣き止んだ河仁が咲を呼ぶ。
「呼んだ? とっくん」
 振り返った咲は満面の笑みだ。それに光輝が嫉妬する。
「河仁だけにそれか?」
 父親の不機嫌な声に、またびーっと泣く河仁である。
「もう。パパ。やっと泣き止んだのに」
「何回言わせるんだ。俺はお前のパパじゃない。夫だ」
「はいはい光輝さん。とっくん、パパのご飯食べに帰ろうね。また明日。空模様が怪しいわ。雨が降るかもしれない。帰りましょう」
「占い一族に嫁に入るとそういう感が働くようになるのかね」
 光輝は占い師だ。ちょっとした丘陵地のてっぺんに建っている占い屋敷の主だ。咲は以前、客だった。初めて入ったときに思わず占い師の光輝に好きです!と叫んだ、妻、咲である。運命の人を知りたくて行ったらそこに運命の人が座っていた。うまくいく恋ではなかったがなんやかんやとごちゃごちゃしていうちにゴールインした。
 そして河仁が産まれた。
「とっくん、笑ったー」
 何が面白いのか今は上機嫌できゃっきゃと笑顔の大安売りだ。それにつられて親も笑顔の大安売りだ。三人ともにへらと、笑って、まるで春の季語「山笑う」である。鮮やかなそして若葉の色が山を賑わしているように光輝と咲と河仁の心も鮮やかな気分だった。
「さっき可愛い女の子がいたわね。河仁と同じ年齢ぐらいの」
「そういえばそうだな。河仁の友達になってくれるといいな」
「また会えるといいけれど」
「また会える。人間の運命なんてそんなもんだ」
「光輝さんが言うともっともらしく聞こえるわね」
 そうしているうちに小雨が降ってきた。花散らしの雨だ。
「もう散ってしまうのね」
「もう少しは持つかもしれん」
「それ。占い師のカン?」
「カン」
 一言言うと河仁を抱き上げる。
「風邪引くわけにはいかんからな。パパが傘代わりだ」
「いいところは全部持っていくのね」
「母親のほうがもっといいところに持って行くに決まってる。産休とってるんだからな」
「あー、ヤキモチ?。あら、本格的に降ってきたわ。急いで帰りましょう」
「逃げたな」
「洗濯物が濡れるのよ。逃げたわけじゃないわよ」
 そこへ河仁がごちゃごちゃ言い出す。よく聞くと洗濯物、と言ってるらしい。
「とっとー。おしゃべりができるようになってきたのね。ママ嬉しいわ。パパが仕事の間いっぱい話しましょうねー」
「おい!」
 光輝が声を出すと上機嫌だった河仁が泣き出す」
「ああ。悪い。怖かったなー。でもこれぐらいで泣いてちゃたくましい男に成れんぞ」
 光輝の言葉が通じたのか小康状態になってホッとす両親である。

 不思議な占い一家は雨に追われて占い館に帰っていった。その途中の丘もまさしく「山笑ふ」であった。


【エッセイの勉強中】
 久しぶりにあたりめを探して買ってきたら、母が商品を奪って隠すという。野球観戦中のイカ燻製達なのでいいのだけど。とりあえず、あたりめを少量食べた。亡き父も好んでいたが、こんなにあたりめおしかったか? と自らの趣向がすでに乙女でないことがショッキングだった。一口羊羹を日々食べているところはすでに老婆。今日もいい天気だねーと縁側で食べるごとくスーパーの椅子で食べてます。家で食べるのはあまり見せられない。たべちゃだめな食べ物だから。でもそろそろ羊羹は卒業。検査がひどくなる。代わりにイカ。そして歯に挟まるとしかしかとY字ブラシをもってきて歯の掃除をするので、なんと悪いところが治ってきました。最初、出血度合いがひどかったのですが、一緒に歯磨きもして寝ているので(舌磨きも)この中年を悩ませる歯槽膿漏がましになってきました。今日も、しかしかとします。今日は野球がないのでイカはお預けですが、やっと昔買ったものが役に立つので使います。一回の使用で終わってしまうため、何回か続けられるものはないかと思ってます。ゴム製ならいいんだろな。母はゴムですから。歯間ブラシ。私はあれだとなかなか入らないんです。歯間はあまりあいてないので。歯茎の下の方は病みたいですけど。上を通してしかしかすると空間があるのがわかります。ひどきときはあれですし。言いたくない。あのスプラッタ。って上でさらっと書いてますが、実際の光景はいいたくない。おどろおどろしい。おかげで虫歯は止まるかも。でもここのところ寝込んでいたので、筋肉が抜け落ちてます。また。そして体重も減ってるけれど筋肉の分だけ落ちただけ。ほんと困ります。脚点のわかるタニタの体重計ほしいー。でも持って帰れない。来月頑張って母の居ないうちに持ち込むか。タブレットよりそっち買えばよかったか。うーん。何が正解だったのだろう。支払いが現金で帰ってこないので、仕方なかったのですがね。今日の仕事は終わった。あとは明日の準備。それが終わったら第六節書こうっと。あ。あとで訳ありも更新します。どーんと一挙になってます。訳あり、正直、星と三つ夜あげるかもしれません。
よろしくお願いします。


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