見出し画像

【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱第二話 ベルとシルヴァリア。頼もしい使い魔。

 前話

「そういえば、ベルどこにいるの?」
 たき火に当たりながら、リアナはフィオナに聞く。ベル、とは小さな雌の子猫の姿をしたフィオナの使い魔である。シルヴァリアは常にリアナの肩に止まっているが、ベルは異次元にいつも身を隠し、ふいに出てくる。
「にゃあ」
 フィオナの胸元がもこもこしたかと思うと、ベルが顔を出す。
「ベル~。リアナお姉ちゃんだよ~」
 リアナが猫ならぬ猫なで声を出す。
「みやぁ」
 シルヴァリアもベルに声をかける。にゃあにゃあ、と双方で会話が始まる。シェイラが面白そうに見ている。そこへリアナの不満そうな声がでる。
「また干し肉ー?」
「だって。最初の頃にリアナがほとんど食べたじゃないの。あれだけ夜食ダメ、って言われてたのにこっそり食べてたし」
「あれは家から持ってきたお菓子だもん」
「お菓子でもダメなの!」
「リアナは食べ物で苦労するかもしれないですね。フィオナに管理を任せて良かったです」
 そう言ってシェイラは自分の鞄から携帯食料を出して口に運ぶ。それをよだれを垂らしているかの様に見るリアナである。
「自給自足。働かざる者食うべからず」
「働いていません! 学生です!」
「もう、学生ではないですよ。あなた達は運命と絆を求める旅人。机の上で学ぶ時は終わりました」
「え? 卒業したの?」
 まだ、最終学年まで間がある。飛び級かなにかして上位学生になるんだろうか。
「私が前もって魔法学校に休学届を出しておきました。国王の親書付きですからすぐに許可が下りました」
 勝手にされたのだが、怒りを通り越してあっけにとられる。
 
 親書って……。どこかの姫様じゃあるまいし。
 
「お姫様のような者ですよ。あなた方は」
「え? 今の言葉聞こえたの?」
「顔に書いてあります」
 そこへフィオナの笑い声が入る。
「シェイラさん、リアナのお姉さんみたい」
「あ。お姉ちゃんとお父さんに行ってきます、言い忘れた」
 リアナが少し表情を陰らせる。
「大丈夫ですよ。先に話をしておきましたから。街の一角から見送っていましたよ」
「そうなの?」
 心細そうなリアナを見てシェイラが肩に手を置く。
「旅を恐れる必要はありません。油断しすぎることは禁物ですが、あなた方は旅をする道を指し示されているのです。それが終わればまたいつもの生活に戻れますよ」
「よかったぁ」
 心底安心した様子でリアナが言う。本当に心細いのだ。もうすぐ王都。そこからはフィオナと二人で旅をしないといけない。地図をもらってもさっぱりわからない。最初に向かう土地すら決められない。
「最初の助言ぐらいはありますよ。心配してばかりいないで、二人とももう眠りなさい。火の番は私がしますから」
「でも……」
 フィオナが心配そうに言う。
「それぐらいさせてください。あなた方の導き役になれるのですから」
「にゃぁ」
 ベルが鳴く。
「ベル、今夜はここで寝る?」
「うなーん」
 ベルが返事する。
「ベルの最終形態が見物ですね」
「最終形態?」
 フィオナとリオナが声をそろえてシェイラを見る。
「使い魔は絆を繋げて行け行くほど、強くもなり、意思の疎通ができるようになるのです。そして最大の力を発揮できる最終形態になるのです。ベルはグリフォンにでもなりそうですね」
 シェイラの言葉にリアナもフィオナもびっくりして声を上げる。
「ベルがグリフォンに?!」
「さぁ、見た感じで言っただけですから、本当にそうなるかはわかりませんよ」
「じゃぁ、この子は?」
 シルヴァリアを見てリアナが言う。
「敵にしてしまうと脅威になるぐらい強くなります。旅もずっと楽になりますよ。空路でいけるのですから。野宿もシルヴァリアの上でする事もできるようになりますからね」
「やった。シルヴァリア! 今すぐ大きくなって!!」
「リアナ。それは無理よ。こんなにちっちゃいんだから」
「あんたがそれ言う?」
 うふふ、とシェイラが笑う。
「あなた方は見てて飽きないですね。お互いを鏡として行きなさい」
「はぁい。じゃ、シェイラさんお休みなさ~い」
「はい。おやすみなさい」
 二人の足には疲労がたまっている。すぐに規則正しい寝息を立てて眠り始めた。
「願わくば、この少女達に神の癒やしがあらんことを」
 シェイラはそっと手を二人にかざす。不思議なオーラのような光が二人に注がれる。二人はより一層深い眠りに落ちていった。


あとがき

大人しく漢検の受験勉強すれば良いのに、今日、更新してなかったとパソコンを出してきて、「氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子」かこっちかどっちを更新しようかと思って、こちらにしました。あっちは二編ありますが、その次の段階ができていないので、まだ書けないんです。「影の騎士真珠の姫」もあるし。他のものはストックが大量にあるから執筆に猶予はあるけれど。折角の休日なのですが、手持ち無沙汰です。足が痛くて身動きがとれない。水替えとかしたいんですけどねー。

空調も足が冷えて痛くなるので切って窓を開けています。足以外は暑いのでうすが。汗だらだら。段々曇ってきて、雨が降りそうです。蒸し暑いですね。台風の影響でしょうか。やっぱり、窓閉めて空調入れようっと。もう家の中でしか歩きませんし。

続きを書くか、漢検の勉強になるかはわかりませんが、交流戦を見ていると気はおそらく執筆ですね。っていうか交流戦あるの? です。ペナントレースとどう違うの? と疑問符が飛び交ってます。調べれば良いのにめんどくさがりや。さて。投稿してまた色々考えますか。

すみません、今、ふと思い出してチェックすると、題名が混合していました。正確には「星彩の運命と情熱」です。絆の字は別作品なんです。まだ設定だけして書き出してもいないのですが。マガジン名まで間違えるとは……。すみませんでした。絆とシェイラも言っていたような……。基礎的誤字でした。すみません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?