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ガチ𝓹𝓪𝓻𝓽𝔂参戦記


先日、会社主催のパーティが開催された。

某有名テーマパークのホテルの広間を貸し切り、関東、関西、九州と各地から計は100人以上がスーツやパーティドレスを着て集まり、スパークリングワインで乾杯をして、お洒落な食材がバイキング形式で並ぶ、実在するのかも疑わしかったパーティに参加した。この事を「パーティ」と呼ぶのなら僕は初めて「パーティ」に参加したと言える。

「パーティ」と聞いたら楽しいイメージが強いが、休日に交通費も出ず、片道一時間以上かかる場所で、100人以上いる中の知ってる人なんて10人もいない空間が楽しいはずがないと思っていた。

結論から言うと「思ったよりは楽しかった」かもしれない。

同じテーブルには男性が10数人。左には一度だけお会いしたはっきりとした顔立ちの地位が高めのおじ様、そのもう左には同じ場所で働く先輩Aさんがいたので、誰も知らないテーブルは回避できたので良かった。

だが、しかし正面には確実に『ごくせん』を観て育ったであろう髪もりもりの関西人と、その左右にはコムドットやまとっぽい人と、高校時代野球をやっていた雰囲気のある好青年とすけべ顔の中間のような顔の人がいた。髪もりもりとすけべ好青年は同じ地域から来たようで、やまとは別の場所から来たようだったが、すぐに髪もりもりがやまとに絡みに行き、打ち解けていた。関西人すごい。その時点でこのテーブルの上位ヒエラルキーは彼ら3人に決まった(すけべ好青年は三番手だが...)。

乾杯のスパークリングワインが来るまでの10数分は地獄だった。僕と同じ職場のAさんと隣でもないし、僕とAさんの間にいるおじ様も親しいわけではないので喋る事がない。一方、髪もりもりらは盛り上がり、久々に陽キャに圧倒される学生時代の教室を思い出した。

ただ、それ以上の地獄が訪れる事はなかった。

正直、今回パーティに参加するからには嫌な思い出を刻んで、親しい人に話したり、noteに書いたり、いつか始めたいラジオで話すネタにしたいと思っていた。現にこのnoteはパーティに参加していなかったら書いていないだろう。
そんな邪な気持ちとは裏腹に、最初の挨拶か何かで「楽しんでいってください!」と言われたのが妙に刺さった。楽しもうとしない人に楽しめるわけがない。

昔、他校の同い年の人が「学校つまんねーっていう奴はお前がつまんねーんだよ!!」とTwitter(当時の名称)で呟き、プチバズっていた。

そこから某有名テーマパークのキャラクターが出てきて写真を撮ったり(某有名テーマパークのキャラクターはほぼ初対面で気まずそうな僕らを自然と笑顔にさせるのだからすごい)、美味しいご飯を食べたり、豪華景品が当たる企画など、普通に楽しかった。まあ、心から楽しめた、というわけではないけれど、楽しくなくはなかった。

髪もりもりも見た目ほど嫌な人ではなかった気がする。他の部署の人がテーブルごとに挨拶に来て、その時は僕らのテーブルを代表して話してくれたし、僕の同僚のAさんが景品を当てた時は、「すごいっすね!」と嫌味なく言っていた。

乾杯をするまでは、「どういう思考になればあんなダサい髪型になるんだろう」などと考えていたが、終わった後は「髪もりもりにも人生はあって、色々考えて経験してここに辿り着いて、今生きてるんだろうな」なんて事まで考えてしまった。

社長のスピーチもとても良いもので、いつ辞めてもいいとも思っていたが、少しだけ頑張ろうとも思えた(ふと思ったけど、パーティ嫌いな社長とかいるのかな)。


ただもうあの100人以上の大所帯でゴージャスな空間へ行くのは勘弁だ。

親しい人とだけ行きたい。

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