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選択的夫婦別姓制度

私は結婚して10年を過ぎてなお、心の底に澱のように溜まっていることがある。

結婚に際し、旧姓を手放さざるを得なかったことだ。

旧姓は大変珍しく、その姓を名乗るのは全国で4世帯のみ(今の姓は、全国に594世帯いる。)

先祖は伊賀上野の出で、私の祖父が3歳のころ、伊賀を離れたと聞いている。徳川家康公から賜った姓ではないかという説もあるようなもの。あまりにも珍しい為、取引先に一度で覚えてもらえたし、友達からも愛着を持って呼ばれていた。

結婚を決めた頃、4世帯のうち若い世代がいたのはうちの他に1世帯だった。そして、私は3姉妹の長女である。地主でも名家でもなんでもない平凡な我が家であったけれど、この珍しい姓を引き継いでいきたくて、3兄弟の長男である夫に「結婚後は私の姓を名乗ってもらえないか」と打診したのだった。

夫の答えは
「それならば事実婚にする?」
だった。

その時、私は29歳。夫と交際して5年。
親から結婚の催促と親孝行したい思いもあっての結婚決意であったし、こどもが産まれた時のことや何かを考えると、事実婚は選ぶことができなかった。

結婚して授かったこどもたちは可愛いし、気の強い私とは夫のような男性でないとうまくいかないだろうな、とも思う。
それでも、いずれ消えていく旧姓のことを思うと、遣る瀬無い気持ちになるのだ。
夫の実家には他にも男の孫が2人いるので、旧姓をうちの息子たちのどちらかに、とも思うけれど、それも最早私のエゴだろう。

選択的夫婦別姓制度。
実現してほしいと心の底から願う。

#結婚 #選択的夫婦別姓

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