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三色団子

三色団子。
実は大好物なんです。
花見団子とも言いますが、
関東ではアンビリーバボーなことに中にあんが入ってたり
すべてが三色のあんこで作られてたりすることもあります。
京都では基本的に中に何も入っていないタイプの団子なんですよね。
京都ではコンビニでも売ってたくらいに普通にポピュラーな和菓子です。
今でこそ、あんこなしの三色団子は
こちらでも普通に買えるようになりましたが
関東に越してきた20年ほど前までは
買っても買っても
本来の(あんの入っていない)三色団子に出会えず
いつもがっかりしてたものです。
わざわざ京都の実家から定期的に送ってもらってたほどですから。

京都では基本的につつましい味づくりが好まれます。
関東での大味な味付けとはかなり違う
素材に対しての心遣いが底辺にあるようです。
すべての料理がそうかと言われれば
もちろんそうではないのですが、
特に京都から関東に越してきた者はそれに気づいてしまいます。

実際によく東京に出張で来ていた90年代。
つい味の違いを忘れてうどんを注文して
ただ醤油を流し込んだだけのような濃い濃い大味なうどんが出てきて
全部食べれず残してしまう、という経験をよくしました。
自分たちの食文化を否定されたと感じて
反論したくなる方もおられるかも知れませんが、
あくまでも京都から関東に越してきた者の
越境文化目線での話なので過剰に反応しないでくださいね。w
でも、京都から関東に越してきた者は必ずそう感じるものなのです。

それと、よくラーメンやうどんなどで
勘違いされてる方もおられるみたいですが、
薄い味付けをすれば「京風」だと思ってる人がいるらしいですね。
京都で言う「薄口」というのは
ただ単に味を薄めたものではありません。
素材自体の微妙な味をちゃんと抽出するという
きめ細かい手順の先にしか京都の味は生まれ得ないのですね。
しかも京都では「京風ラーメン」など存在しませんから。
「京風」は京都以外で生まれた
「これ薄めたら京都っぽくなるんでしょ?」的な
少々乱暴な味付けへのネーミングなのだと感じます。

京都での団子は基本的に白いのが基本であって、
抹茶や桜やきびなどはそれのバリエーションでしかありません。
白い団子やベースの団子自体が美味しいかどうかや
舌触りがいいかどうかをとても大切にします。
以前『おしゃれイズム』というTV番組の京都ロケスペシャルがありました。
いかにも軽い3人のパーソナリティが
白団子を案の定「ハズレじゃん!」と言っていたのは残念でした。
初めて食べる京都の和菓子店の団子を選べるのに、
白を「ハズレ」と言ってしまう
食の文化的な貧しさは京都人から見れば
ちょっと信じたくないくらいがっかりなんです。
水無月も白がベースだし、名古屋のういろうも白が一番いい。
そんな風に思うんですよね。

僕が帰省したら贔屓にしてる、
北野さん(北野天満宮)前にある澤屋さんの粟餅(あわもち)などは、とてもシンプルながら、
その柔らかさやほんのりとした甘みは絶品です。
澤屋さんは寛永15年(1638年!)以前からやってる粟餅の老舗。
その伝統の味をずっと守り続けてくれてる和菓子店なんですね。
粟餅はお持ち帰りも出来ますが、
その柔らかさが維持出来る時間は数時間なので、
美味しく頂くには市内が限度。
買って帰ってすぐに食べないといけないのです。
きな粉にまみれていますが
(あんこもありますが、きな粉の方が餅の味が味わえます)、
その美味しさを決めるのは餅本体なのです。
賞味期限を当日中としてるのも、
あんこやきな粉の変化ではなく、
餅自体のやわらかさや味の変化を気にしてのことなんですよね。

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すみません!
いろいろそんなことを言いながら(笑)、
実は僕はコンビニの三色団子を美味しい美味しいと食べる味バカなんです。
しかも本当は京都はあんこベースの和菓子がとても多いのですよね。w w
僕の好きな和菓子が、あんこベースじゃない、というだけの話を
舌がバカなくせにえらそうにお話しただけの記事だったのでした。(笑)
『おしゃれイズム』の軽い無知そうな3人のパーソナリティの方々、
すみませんでしたー。w w
あんこの入ってない三色団子は、
もうすっかりこちらでも手に入るようになりました。(笑)

お花見でなくとも何はともあれ美味しい三色団子。
いつでも食べたい三色団子なのでございます。w w w



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