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20秒小説『Butterfly』

 泥濘に鏡片が嵌ってる。不自然に美しく、青空、雲、半々に映し――泥に空が埋もれているよう。
 蝶が這ってくる。片翅をくるりと焦がした蝶、泥に経路をログしながら、鏡に辿り着く。埋もれた青空目掛け、片翅振るう。”この空ならば飛べる”と信じて。

 キャタピラがすべての記述を踏みつけ進む。

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