新居~ゼロからの調理~
四月から新社会人として、働いている。
社会人っていろいろ楽しいね。
学ぶことたくさん。
さて、この機会に実家を出ることに。
いつまでもママンのおまんま食べてるわけにはいかないからね。やっぱ。
会社から指定された住居は41平米ほどの1LDK。
でけえよ・・・半分でいいや。
というわけで今回は、新社会人として、初めて台所に立ったときの手記を、ノーカットでお送りしたいと思います。
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さて、最初にやる料理は何がいいかな?
新居に持ってきた最初の調理道具は、湯を沸かす小さい鍋と、ザルとボウルだけ。食材は牛乳ともらいもんのイタリア製のアールグレイ。
生きる気ゼロかな・・・?( ^ω^)
これがイタリアの茶葉。
こいつは、アールグレイの柑橘系の香料が、ほかのやつと比べるとかなりガツンと主張してくるタイプの、アールグレイオタクにはたまらない感じの茶葉です。ま、僕はアールグレイオタクじゃないですけどね。
んん~~というわけで、今回は部屋にある設備だけでぎりぎり紅茶を作ってみたいと思います。
通常の紅茶を入れる手順は下記の通り。
①お湯を沸かす。
②あらかじめ温めておいたティーポットに、適量の茶葉を入れて待機。
③沸騰して完全に100度になったお湯を、静かに注ぐ。
④蓋をして蒸らす。
⑤ティーポットの中で対流が起こり、茶葉が上へ下へと循環し始める(この動きをジャンピングという)
⑥ジャンピングが終わったら茶葉を取り出して、完成。
僕は小学生の頃から朝晩の紅茶が欠かせないという根っからの紅茶党。
そして、ミルクティでなければ決して飲まない、という過激派。
上記工程の中で私が最も重視するのが、湯の熱さです。
ミルクティに適する、濃厚な茶の甘みと、深い色合いを出すためには、湯の温度はマックスに高くなければならない。
温度が低ければ、お茶が濃く出るまでに時間がかかってしまい、
「タンニン」という苦み物質が出て、味が落ちるんですよね。
ま、まあぶっちゃけ多少タンニンが出てても全然気づかず飲んじゃいますけど。
逆に、薄い茶は飲めたものではない。牛乳をお湯で薄めて飲んでんのかって感じになってしまいます。
まあ、もったいないから飲みますけどね。
こだわりはするが、ミルクティなら結局なんでも飲むんだぜ。
さて、今回は、驚くべきことに、「ティーポット」を欠くという、私の紅茶道始まって以来の冒険。
ついでに、ティーカップもない。
何のために引っ越したのかわかんないですね、紅茶飲む気ゼロですよ。
紅茶道、失格か・・・。
まあいい、新たな道を切り開くためには、常識にとらわれていてはいけない。
ミルクティを作る際、紅茶を先に入れるか、牛乳を先に入れるかで何百年も論争が起こっているが、そんなことよりもまず、従来の「紅茶の淹れ方」から疑ってみることじゃ。
紅茶界に革命、起こしたるで!!!
というわけで・・・
まずは湯を沸かします。
湧いてきましたね。
このぐつぐつの状態を維持したままティーポットにそそぐのが本来のやり方。しかし今回は違います。
直接!!!!淹れるゥ!!!!!
ふっふっふ、思えば、どれだけポットを温めていたとしても、注ぎ入れる段階で湯は必ずわずかに冷める。しかし、この方法なら、湧いた湯に冷める間を与えることなく、淹れることができる。正当な淹れ方に対して、唯一優れている点、そして、正当な淹れ方を超えうる点・・・!
はっはっは、我、こうもたやすく勝者となってしまうか!
紅茶道、温度が高いほうが勝つ。
すなわち今回の勝負、我の勝ちよ・・・!!!
っと・・・
テンションが上がりすぎてしまった、危ない。
茶葉と湯のマッチングが完了したならば、すかさず蓋をして蒸らさなければならない。
ザルとボウルが蓋の代わりです。どっしり。(※ちゃんと洗った上で使用しています)
一定の時間放置したのち、さっきまで蓋だったザルとボウルはそのままティーポットとなって、出来上がった紅茶を受け止めます。
無駄のない動き。2019年度グッドデザイン賞取れるんじゃね・・・?
(※2019年5月現在、取れていません)
うんうん、色はいい感じかな。
多少細かい茶葉が下に残ってしまったが、まあこんなもんでしょう。
香りは、う~んポットほどじゃないね。
牛乳を投入します。
おお~色イイね。
香りは、う~ん、思ったほど来ないな。おかしいな・・・
早速飲んでみます。ティーカップはないので、このまま、ぞぞぞぞぞと。。
味はどうかな?意外といけるんじゃないかな・・・?
ゴクッ
ゴクゴク・・・
ゴク・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや、まっず!!!!!!!!
・・・泣泣泣!!!
香り、味、すべてのステータスで最低レベルのステータス。こんなにひどい味は初めてだ・・・!
だいたい、この茶葉はちょっといい茶葉で、まともに淹れればこれでもかというほどの柑橘の香りが部屋じゅうに充満する。
さらに言えば、味もアールグレイの中ではそこそこふくよかな甘みで、ミルクティにするとついつい何杯でもイケてしまう危険な茶葉でもある。飲みすぎてトイレに籠りきりになる人続出だ。
(酒のような言い方をする、と思われた方が多いかと思うが、紅茶は高いカフェインを含有するため、飲みすぎると利尿作用で何度もトイレに行く羽目になる)
しかし今回淹れたこれは、びっくりするくらい香りが飛んでこない。
もう、全くない。鼻をマックス近づけて飲むときちょっと香るかなくらい。
味も、ツンととがっていて喉に悪い後味が残る。ボウルの金属の味もある。
もはや紅茶じゃない。全く違う飲み物だぜ。
ひゃあ、茶器でこんなに変わるんだなあ・・・
びっくり・・・・・・。
と、いうわけで今回の、常識を打ち破って新しい紅茶の淹れ方を模索しよう!企画ですが、失敗!!!です!!!ありがとうございました!!
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後日、百円ショップで真面目なティーポットとティーカップを購入。
それで淹れてみたところ、実家にある普通の茶器ほどではないにせよ、
しっかりおいしく淹れることができました。
茶は茶器を選ぶんですね。
いい勉強になりました。
そして、紅茶の淹れ方にイノベーションは、まだ早いな、と思いましたね。
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