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極東にて一人旅の寂しさを思い知る。【北海道一周旅行day1】

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この写真は、今でも私の仕事用PCのデスクトップにしてある。
北海道鉄道一周旅行のはじまりであり、
1年半経っても振り返りnoteを書いてしまうくらいの思い出の始発点、南千歳駅。

今更だと私も思う。
しかし、何もかも忘れてしまう前に、この思い出を残しておきたい。プラス、北海道を旅したい誰かに向けて、ウェブのどこかにヒントを転がしておきたい。


…というわけで、7日間の旅行記、はじまりはじまり。
時は2018年6月。大学4年生のあましょくは、内定者インターンのシフトを抜き、ゼミを1回切って、40Lのバックパックを背負って北海道に旅立つのであった。


羽田空港にて

家の最寄り駅から始発に乗ってギリギリ間に合う飛行機で、羽田から新千歳空港へ。
始発で出ればこの時間には余裕で間に合うだろ!とたかをくくっていたら、空港に着いたのがフライトの50分前。少し焦る。次からはもう少し余裕を見るべし…………(次があるのかわからないけど…)。

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人生2度めの一人旅。不安半分、ワクワク半分。
さらば本州!

2018.6.1
6:50 羽田空港
 ADO011便 
8:30 新千歳空港

新千歳空港のフードコートにて


北の大地に降り立って、最初にしたことは…インターン先の仕事である。

なにせゴールデンウィークが終わり、ラベンダーシーズンの前の時期なので、旅行客もさほど多くない。しかも朝なので、フードコートの半分くらいの店舗は閉まっている。その空き具合をいいことに、滑走路の見える席に陣取って、終わらせられなかった仕事をやっつけることにした。

観光地にしては穏やかな時間が流れる。
高校生の頃、よく勉強場所に使っていたショッピングモールのフードコートを思い出す。

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朝ごはんにうどんなんか食べちゃうものだから、なおさら和んでしまう。高校時代に好きだった「生醤油うどん」、「きじょうゆ」という読みを覚える頃にはメニューから消えていた…
これも似たようなうどん。「なまじょうゆ」。

新千歳空港駅にて。はじめまして、北海道フリーパス

…くだらない雑談はさておき。フードコートにいるのは他でもなく、列車を待つためである。

新千歳に着いたのは8時半、しかし南千歳から乗る予定のスーパーおおぞらは12時半発。
その間は新千歳空港で時間を潰す、という算段だ。いきなりダイナミックな乗り換え待ちが発生している。

11時半くらいにフードコートを離れ、ラーメンで再度腹ごしらえをして、いよいよ12時。
ここで今回の旅の相棒、北海道フリーパスを購入。

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7日間よろしくお願いします!!!

今回の「鉄道で北海道一周」というコンセプトは、この北海道フリーパス様のおかげで実現したもの。
新千歳空港から出発し、7日かけて「の」の鏡文字を描くようにぐるっと北海道を回る。最後の7日目には函館に到着し、そこから新幹線で地元へ戻る。

一度買ってしまえば移動し放題、道草もできる。指定席にも6回乗れるので、長距離移動も安心。
北海道を回るなら車がないと、というが、鉄道でも旅はできるのだ。

そしていざ、快速エアポートに乗車。地下のホームに響く無機質な発車サインを合図に、遂に北海道一周の旅は始まった。


12:15 新千歳空港駅 
 快速エアポート123号 札幌行き
12:18 南千歳駅

南千歳駅にて。旅の始まり!

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南千歳に着くと、駅の周りは野っ原や緑。北海道の春。
家もない、畑らしいところもない、その「ザ・北海道」らしさにテンションが上がる。来たのだ、北海道に!

さらにここから、私は東へ大移動をする。北海道の真ん中あたりから東端まで。
体力があるうちに、また不測の事態に影響を受けにくい行程の前半に、長距離移動を済ませるという計画。

12:26  南千歳駅
 スーパーおおぞら5号 釧路行き
15:56 釧路駅


釧路駅にて。エンジョイホッカイドー!

…乗車時間3時間半。駅間3分程度の地元ではなかなかない、長時間乗車。
居眠りしていたのでさほど長くは感じなかったが、駅間がやたら長いエリアではなんだか落ち着かなかった。

乗り換え時間は20分ほど。ちらっと駅の外に出てみる。

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これは根室駅の壁面広告。「買ってるぜ!!フリーパス使ってるぜ!エンジョイホッカイドー!」と撮影。
社会人になって思えば、7日間乗り放題って、需要が限られそうだよな…そこまで長く仕事を休めないだろうし…

いや買ったけど。いま使ってるところだけど。学生時代に使っておいて正解だった。


釧路から…根室…!


16:17 釧路駅
 根室本線、花咲線 根室行き
18:49 根室駅

…さらに鈍行でも2時間半。試されてる試されてる。

釧路駅から隣の席に乗っていた女子高生二人組は、私が居眠りしている間に降りたようだ。目が覚めると車両はがらんとしていた。

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茂みの中を、湿地帯を、時々まばらな民家の間を、1両のディーゼル車はゴトゴト進む。辺りはだんだんと夕闇に染まる。
自分がハコに入れられて、別の世界に連れられていくような感覚。

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この列車が行く場所は、全く知らない街。
一緒に乗っている乗客にとっては故郷かもしれないが、私の家からははるか遠い街。

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ホームシックになりかける自分をなだめすかして……

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根室着。
いやぁ長かった…!

根室にて。冷めた天ぷらと共に夜は更ける

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北海道の最初の泊地、根室。


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しかしあまりにセンチメンタルな気持ちになってしまったので、ホテルに荷物をおいて、近くのイオンで夕御飯を買うことにした。

しかし、そのイオンには割り箸がなかった。電子レンジもなかった。
泣く泣く、ホテルの隣のコンビニでたこ焼きを買って箸をもらう。電子レンジは諦めた。

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……「いや普通箸くらい置いてあるでしょ!?」と愚痴れる連れもいない。冷めてしなしなのアスパラガスの天ぷらを温められる家もない。
それが、一人旅。

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