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日本昔話にパラレルワールド、多次元的宇宙観をみる


#読書感想文

日本では文学が古来から発達し、平安時代にはすでに物書きがいて、またそれを読める読者がいました。竹取物語は日本最古の物語として大変有名です。”かぐや姫”として日本昔話の代表作ですから知らない日本人はいないと思います。9世紀には存在していたという、千年以上も前に書かれた物語ですが、これは立派なSFファンタジーであるのみならず、高度の情報知識を当時の日本人が知っていたことを示唆しています。かぐや姫はたった3ヶ月で赤ちゃんから成人へと成長し、地球の時間軸とは別のスピードで生きています。満月の夜に迎えがくることを、宇宙と交信して知っていました。彼女の言う通りの日に地球外生命体がUFOともいえる宇宙船にのってまばゆい光の中、かぐや姫を迎えに来ます。そしてかぐや姫は天の羽衣をまとい、地球で経験したことを一切忘れて月へと帰っていく。千年前の日本人作者は、既に地球外生命体に関する興味、知識、なんらかの経験があったのでしょうか。その理解なくしては書きえないストーリーだと思うのです。

浦島太郎もしかり。助けた亀に連れられて、竜宮城へ来てみれば、絵にもかけない美しさ。助けた亀は実は乙姫様という、亀に変身していた別世界の人間でした。竜宮城でご馳走やら踊りやらと夢のようなひと時を過ごし、遊びに飽きた浦島太郎は、家に帰ることにしました。しかし帰ってみればそこに元住んでいた家はなく、行きあう人々は知らない顔ばかり。寂しくなってみやげにもらった玉手箱をあけると、ぱっと白煙。煙に包まれた瞬間、たちまちおじいさんになって、数日のつもりが何十年もの時間だったことを知ります。これもまた時間の流れが違う異空間が存在することを伝えている タイムトラベル ストーリーです。数週間のつもりが、地球では数十年に相当していた。これはまさに、時間軸が別の方向にある場所へ行ってきた浦島太郎の体験談で、時間は一方向に動くものではなく、広がりがあることを伝える物語です。現在ホットな量子理論を既に知っていたと考えられるのです。浦島太郎の物語はは異次元空間の概念をストーリに取り入れたのみならず、海底都市の存在も伝え、21世紀に生きる私たちが興味を持って研究調査している先を行っている感すらあります。浦島太郎は8世紀に書かれたとされる「日本書紀」や「風土記」に描かれているといいます。

あなたの時間と私の時間は違う、時間は均一ではなく、進む速さが違う空間があるということを著者はどこでどうやって知ったのでしょう。未来や過去への時間旅行を子供向けにお話できた作者はどんな人物だったのでしょう。時間に関する概念知識はどのようなものだったのでしょう。

桃太郎も、一寸法師も動物たちとコニュニケーションがとれ、そこから情報を得ています。おむすびころりんは、地中に別生物の王国のある話で、地上への移動は、1、2、3と3秒数えるだけワープします。花咲じいさんは愛犬白に「ここ掘れワンワン」と金貨の埋まっている場所を的確に教えてもらいますし、また、桜の木の育つシーンは地球の時間では考えられないあっという間の異常なスピーです。どうも日本の童話や昔話を読むと、時空に関する概念が一律でないことを作者を始め、一般読者も納得していたように思えて仕方がありません。

かぐや姫は天上へ向かい、浦島太郎は海底へ向かいます。日本の昔話は時間空間の広がりを地上外を含めて見ていた、知っていたのです。日本人の時間の捉え方は西洋人のそれと違いがあるからこそ、私たちは英文法の時制を習うとき、過去、現在、未来形の理解に戸惑うのです。日本語と一致させるのが難しいからです。時間軸の捉え方が根本的にどこかで違う認識をもっているように思えます。

最近のよく見聞きする言葉に、パラレルワールドという言葉があります。パラレルワールド(parallel world)とは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指します。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう訳もつけられています。浦島太郎も、かぐや姫も、おもすびころりんも、パラレルワールドを紹介した物語だと私は思っています。

量子力学の進化発展により、時間の概念について西洋諸国を中心に最近熱気を帯びている感がありますが、時空を行ったり来たりする概念は日本人にとっては取り立てて新しいことではないのではないでしょうか?むしろ、西洋科学と切り離して、純粋な日本人の時間の概念をもう一度見直してみると面白い時代になったと私は見ているのです。

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