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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて拾

こんにちは、自称作家の あまおう まあお です!
その写真、あんまりいい写真じゃないですね……;^ ^ 蓮の花が紫というのが面白くて(着色加工はしていないんですよ!)撮ったんですけど……どこをどうがんばってもその排水口が映り込むんですよね。

まあ、素人が撮っているので、そのへんはお察しいただいて。私、趣味で写真やってるんですよ。趣味というほどのものでもないし、勉強は全然していないんですが、今まで載せてきた写真は基本的に全部が撮って現像した写真で~す!

……無駄話はこれくらいにして。今日もどんどん、いってみましょう! 今回はこの歌から。

恋歌二 紀貫之
君こふる涙しなくは 唐衣むねのあたりは色もえなまし

あなたを思って流すこの涙……流さなければ私の着物は胸の上がきっと真っ赤に燃えてしまうんだわ。
#いちご訳

久しぶりの貫之さんですが、流石ですね。
言えない思いが燻って、真っ赤に燃える胸のうち。火のイメージなので、それを自分の涙で鎮火しています、というなんかやけに凝った歌です!
唐衣ですから、女歌でいいと思います。
#流石貫之さん #ひとひねり #歌うまお

恋歌二 紀貫之
世とともに流れてぞゆく 涙河 冬もこほらぬみなわなりけり

人生は涙流れる河のよう 冬も凍らずただ水の泡
#いちご訳

世……浮世、一生、時代。男女の仲
なかれ……流れ、泣かれ
みなわ……水の泡
みなわに意味があるかないかで激論の一首。水の泡って「水泡に帰す」とか言うじゃないですか。私はそういうイメージ含んでると思うんですよねえ。
老境というか。あなたは、どっち?? つか、これ恋歌?
#つらたん

恋歌二 紀貫之
夢路にも露やおくらん 夜もすがら通へる袖のひちてかわかぬ

夢で通ったあの道にも露が降りていたのでしょうか。夜通し通うこの袖がほら、濡れているんですよ。
#いちご訳

うん……。そう言われましても。
女の子の歌として読んだら、ギリ……かわいいかもしれないが……貫之さんだしなあ。似顔絵が浮かぶよ^ ^
貫之さんの歌はもっとこう、ドラマチック系が好きですね! あっ、例によって個人のお気持ちです。貫之さん、ごーめんね?
#コインランドリーはあちらです

恋歌二 素性法師
はかなくて夢にも人を見つる夜は 朝(あした)のとこぞおきうかりける

とうとう夢にもあの人を見たそのはかなさで、朝起きるのが本当につらいんです。
#いちご訳

儚いという字は……。そういう歌でよろしいですかね。
最近は体調がというより、春なので、暁を覚えずすやすや寝てしまいます!
とりあえず寝坊して怒られそうな時はこの歌を朗々と詠み上げて誤魔化したいと思います^ ^
#遅刻は遅刻です #夢が儚くて #低血圧なんじゃね #本当は眠いだけ #起きろ

恋歌二 藤原忠房
いつはりの涙なりせば 唐衣 しのびに袖はしぼらざらまし

もしもこれが嘘泣きだったなら、人目を忍んで袖をしぼることなんてしません。これみよがしに泣いてみせたことでしょうね。
#いちご訳

巧し! しぼらざらまし、の置き方が格別かと。
唐衣を、女歌と見るか「袖」の枕詞と見るか。私はこれは枕詞と考えますね。男主人公っぽくない?
先日の貫之さんの歌は枕詞で出てくる言葉がなかったんですよね。「胸のあたりは色もえなまし」似ているようで、違うと思います。#素人の見解です

恋歌二 大江千里
ねに泣きてひちにしかども 春雨にぬれにし袖と 問はば答へん

本当は泣いてしまったんです。でもその袖はどうしたのと訊かれたら僕、春雨に濡れたものでとお答えいたします。
#いちご訳

かわゆい^ ^ どこもかしこもかわいい、という技ありまくりの一首。
これで美少年でなかったら……いえ、考えてはいけません。
ところで同姓同名の眼鏡のピアニストの方いますけど、こちらは「おおえのちさと」さんと読むのが一般的のようです。
なかなかナウいお名前です!
#ナウい #死語の世界

恋歌二 藤原敏行
わがごとく物やかなしき 郭公 時ぞともなくよたゞなくらん

私と同じで何か悲しいことがあったのかい。ホトトギスが時間を忘れて夜というのに鳴き続けている……
#いちご訳

流石、敏行さん。実際ホトトギスって夜も鳴くことはあるらしいですが、夜通しは珍しいですね!
私だったら「天変地異の前触れじゃー!」とか思ってしまいそうですが、敏行さんは雅ですね。
ただこの「ホトトギス」鳥のことじゃなくて、女の子なんじゃないかとちょっと思うんですよ……
#敏行さんだし

恋歌二 紀貫之
さ月山こずゑをたかみ ほとゝぎすなくねそらなる恋もするかな

遠い五月の山のあなた。高い枝に鳴くホトトギスの声が響き渡る。私の恋は届かない。果てなく遠い空の恋です……。
#いちご訳

貫之さんキター! 鳴く音空なる恋もするかな! 流石ですね!
空のように遠い恋、心が空白になってしまう恋、空のようにぼんやりした恋、そんな感じで捉えていいのかなと思います。
技ありっ! って感じですね。さつきのホトトギスは今も「季語」扱いです。
#歌うまお #いいなあこれ #素敵

恋歌二 凡河内躬恒
秋霧のはるゝ時なき心には たちゐのそらも思ほえなくに

霧のように晴れることのないこの心。立っても座っても落ち着かなくて思うことさえできないでいる。
#いちご訳

「思ほえなくに」のニュアンスがこれでいいのか、難しいです。
とにかくもう何にもできない! といった感じ? 恋で何も手につかない人は多いけれど、その「思ほゆ」ことすらというのは個性的ですね。
全体的に霧でどんよりして先の見えない不安な感じ、なんか大人っぽい一首! #茫然自失

恋歌二 清原深養父
虫のごと声にたててはなかねども 涙のみこそしたにながるれ

虫のように声には出さないのです。胸のうちに密やかに涙が流れているのです……
#いちご訳

ふかやぶ、さんと読むそうです。あの清少納言の祖父または曽祖父、ということ。ん? どっちなんでしょうか?
シンプルな歌と見えますが「なかねども」「ながるれ」とさり気なく韻を踏んでいるあたりが技を感じます。
こんな風に表に出ない方が思いも深いものなんでしょうかね。
#私は出ますけども

恋歌二 よみ人しらず
秋なれば山とよむまでなく鹿に我おとらめや ひとりぬる夜は

秋なので鹿が山じゅうに響くほどに声を上げて鳴く。私も似たようなものだ、独り寝の夜は。
#いちご訳

「これさだのみこの家の歌合」とのことなのですが、歌合わせで詠まれた歌がよみ人知らずなのは、なぜなんでしょうね。
分からないはずがないので「名乗るほどの者ではございません^ ^」という匿名希望さんということでしょう。
奥ゆかしいにもほどがあるような……。
歌は素直なお歌でした!

いかがでしたでしょうか。今回は有名人の歌が多かったかな。
今まで訳したやつはマガジンにしてありますので、チェックしてみてね☆

それと。一応私は自称ですが作家でして、小説を定期的に発表しているんですが。
今回のやつは、あんまり読まれないんですけど(爆)、なぜか読んだ方から感想が届くという不思議な小説になりました!
たくさんのひとに軽く読み流されるより、あるいは幸福な小説かもしれませんね。
ご愛読に感謝を。

小林先生のハンディキャップ

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