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まあお 読書ツイート集 2019-12月

昨年の師走の記録ですね。うだうだ言ってるとすごい文字数なんで、もう即行きます!

2019-12-01
【読んだ!】三須本有生先生「推定脅威」
興味深い清張賞受賞作。エヴァのポジトロンライフル並みに一点突破してきました…!ディテールが凄いんだと思いますが、私の知識ではどのレベルの凄さか分からないくらいマニアック。いいぞもっとやれ!
これを通す編集部、好感度しかないです!!

【再読】五島勉氏「ユダヤ深層予言」
この本ほんと好き! ラノベと思って読むと本当よく書けているんですよ。ノストラダムスよりつおい予言者美少年ダニエルの予言によると、2017年にはメシアが来臨してるそうですので、この世は安泰ですね!
ところで五島氏、御年90…いつまでもお元気で。

【再読】安部公房先生「砂の女」
これは好きな方、多いんじゃないでしょうか! 私も好きです。どことなく演劇のかほりがして、不思議な魅力があります。
これが「何なのか」ということを考えるのもよいでしょうが、私はこの「どこかトボケたようなしかし正確な文体」に思いを馳せたい所存。

2019-12-02
【読んだ…】カフカ「審判」
難しすぎる。私にはとても読めず。
読んでいる間中、重苦しい濃霧に圧迫される感じ。
文中の「門」という漢字の白さが恐ろしくてぞわぞわする。
この作品が未完というのが一番ぞっとする。Kはどこにも出られないのか。終わらない悪夢…。あ、カフカって綴りは?

【再読】芥川先生「河童」
カフカを読んでゐましたら、どうしてもこれを読みたくてまらなくなつてしまつたのです。
これだけを読んでゐた時には気付かずにゐた何かチヤアムのやうなものが胸に迫るのです。
これは一体何が書いてあるのでせうか。私に言へることは是だけです。只、Quax quax…

【再読】「室生犀星詩集」
詩はそんなに得意でない。詩人と小説家とは似ているようでいて、全然違う生理に生きている。
いや、詩人と付き合ったこともないのだけれども。
詩というものから受ける感じが、小説と全然違うので。
詩人はおおむね、素直に見える。
羨んでいる?
さあどうだろうか。

【再読】ミステリーファンのための警察学入門
入門、らしいので。さほど新情報もないですが、警察ミステリ作家のインタビューが載っています。
最近の若い子、新宿鮫とか知っとんのかな……?
とは思いますがこういうの書きたい方はどうぞ。
私は巻末の警察不祥事一覧が好み。万引き多いなしかし!

2019-12-03
【読んだ!】堀江敏幸先生「おぱらばん」
凄い筆致。あらまほしき現代の日本語。淀みなき清流。
不勉強にして初読だったのですが、二編ほど読んでこの方のご職業当ててしまいました…日頃から仏文を原語で読まれている方の日本語。突き刺さって染み通ります。
なんかもう、好きです! #告白

【再読】島田荘司先生「御手洗潔のメロディ」
よっ、日本のホームズ!!
辞書より分厚い長編もいいが、短編集もいいんですよ。読者のお目当ては御手洗の活躍だろうが私は石岡君が好きで読んでいる。
彼は凡人なんかじゃない。事件を理解・再構成し著述しているのは誰だと思っているんだい?

2019-12-04
【再読】山内令南先生「癌だましい」
こんな作品と並べられたら、普通の小説では太刀打ちできません。
これは命そのものだから。
あなたになら喜んで敗北します。だからR.I.P……私たちが責任を持って読み継ぎます。読まれる限り、あなたは永遠に死なない。
この小説に敬意と感謝と黙祷を。

【読んだ】たぶん人気BL作家
BLにはBLの文脈があります。リアリティの意味が違う。
主人公はある日突然超能力者になりますが、原因を追及する間もなく、恋愛の小道具として設定が消費されます。
この自由度は羨ましい。私の小説も、もう少し自由になってもいいかもね。あと、紙質がめっちゃいい!

【再読】トマス・モア「ユートピア」
小説に必ずしも思想はいらない。普遍性も批判もなくてもいい。だが……その全部に極上のユーモアと、先へ先へ読ませる筆力が揃ったら、どうなると思う?
それこそ「どこにもない」って言うなら、読んでみたまえ。この本は人類の続く限り読まれそうだな。#必読

2019-12-05
【読んだ!】遠藤周作先生「白い人・黄色い人」
初期作とのことですが……巧みの技ですね。
これだけのドラマでも冷静に端整に描いているので、ひとつもナルシスティクに見えない。
だから凡百の作家の手では書けない題材を選べる。透き通る情動。理性的自意識。
プロってこういうことですよね……。

【再読】奥平康弘先生「治安維持法小史」
法治国家は人治国家より分かりやすくて安全だ。ただしその礎の「法」がとちくるっていなければ。
私は読解力がないから法律の文章が読めない。
知らないうちに何が書かれて、どう解釈されても分からない。歴史から学(以下検閲により削除されました)

2019-12-06
【読んだ!】宮部みゆき先生「模倣犯」
素晴らしいオーケストラのような超大作。特に第三楽章は圧巻です。
注目すべきは冷徹なまでにぶれないカメラアイ。
指揮者が圧倒的に芯が通っているから、各楽器の表現が冴えるようです。
流石、王者の風格。堪能しました。ありがとうございました!

【読んだ!】星新一先生「人民は弱し官吏は強し」
え…! って内容のたぶん実話。星先生には珍しく、長編。
主人公は父。いやいや、この方も変だが、息子も変だな。
衝撃的事件をあくまでも飄々と描ききってしまった。もう、父も息子もどっちもカッコいいよ! 内容は是非ご確認ください!

2019-12-07
【読んだ!】遠藤周作先生「ユーモア小説集」
ユーモアっていうかwwww まるで親戚のおいちゃんが酔っぱらって喋ってくれた笑い話のような気安さ。
お上品な奥様は「子どもはあっちへ」なんて言いそうなもんだが、奥様、これは人間の本質を暴き出した文学の神髄でしてね……?! #好き

【読んだ】野村進氏「救急精神病棟」
プライバシー等に配慮するあまり小説のようになってしまったノン・フィクション。
著者には申し訳ないが非常に読みづらい。
同じ内容を医師とのインタビュー形式で書いた方がよかったのかも?
ノン・フィクションは本当に難しいと思います。#辛口スマソ

【読んだ!】岡本太郎氏「自分の中に毒を持て」
この本に書かれたほとんど全てに同意する。たぶん同じ意見の人間はゴマンといるだろう。
いい年して無名の太郎たちよ、怖じずに高らかに声を出せ。
「岡本太郎だから、聞いて貰える」
それは逃げだ。
さあ、偉そうに垂れ流せ! 毒で世界を変えるぞ!

2019-12-08
【再読】「幸福な王子」ワイルド童話全集
文学とは何ぞやと訊かれたら黙ることにしているけれど、文学とは「どういうものか」と問われたら、ワイルドのことが頭を過ぎるのは、確かです。
やはり文学の国のひとは、薔薇がお好きなのです。
で、文学とは? うーん。ワイルドだろぉ?

【読んだ!】鷺沢萠先生「さいはての二人」
鷺沢先生のことは詳しくなくて、美人で若くして…ということばかり聞く気がします。
淡い色合いの易しい文体、作為の少ない物語。収録された短編三作から感じるのは、やはり若い感性。
この方が年を経て得た「何か」も読んでみたかったと思います。

【再読】「鑑識の神様」9人の事件ファイル
指紋・声紋・筆跡鑑定。科学捜査の粋。
なんだけど、思うにこれは「職人技」の鑑定術なんでしょうね。緻密さとか経験が必要な。
鑑識の神様に当たった犯人は諦めるしかないですが、問題はこの技術を高位平準化することで。
証拠なき犯罪なんてない。

【読んだ】伊坂幸太郎先生「マリアビートル」
相当面白い。リーダビリティ抜群で、軽妙で、また新幹線という閉鎖空間にこんなにも濃いメンツが集まっているという状況が楽しく。
しかしラストの問答、私は好みません。王子様好きだから肩入れしちゃったかな。ヤバい美少年、好きなんですよ!

2019-12-09
【読んだ!】ヘッセ「デミアン」
素晴らしいの一言。私はたぶんこの作家が好きだ。
ここを起点として生まれた多くの物語に思いを馳せながら読んだ。車輪の下より好きだ。知ってから読むまで時間がかかってしまったが、読んでよかった。
うっかり未読の全人類、至急ご一読ください! #ステマ

【読んだ!】福島章先生「精神鑑定 脳から心を読む」
タイトルから脳の器質と犯罪の関係についてかと思ったが、全体の内容としては精神鑑定のケーススタディとして読む本かも。大変分かりやすい。
しかし精神鑑定だけは受けたくないですね!
#犯罪ダメ絶対 #あとめんどいし

2019-12-10
【再読】円城塔先生「これはペンです」
難しすぎて分からない。ただ「これはペンです」という文章の日本語としての「こなれてなさ」と実際の小説のコスモスな世界観の対比は大事と思う。
間違っているだろうが、複雑系なのだろうか?
同時収録「よい夜~」は素敵な恋愛小説だなと感じます。

【読んだ!】瀧野隆浩氏「宮崎勤精神鑑定書」
強い動機と関心を持ちながら、なるべく冷静に何かを書こうとしたノン・フィクションと読みました。
事件については皆様ご存知の通りです。彼が何を考え何をしたのか鑑定することはそもそも可能か。
人間は人間を鑑定できますか。

【読んだ】金城孝祐先生「教授と少女と錬金術師」
すばる賞。激ムズ。全体的に熱に浮かされたような作風だが衒学的で、よく分からないなと思ったら美大ご出身とのこと。
私の知らない文脈と技法だと思うが、ひょっとしてだがこれはハゲを芸術的に表現した作品では? #違いますよ #装幀素敵

(その後)
朝読んだこれが今さらじわじわ気になってきたwwww
やっぱりたぶん、面白いんだと思います。
近いうちにもう一回読みましょう。
絶対理解できる気はしませんがwwww
こういうインパクトのある小説、好きみたいです!

【読んだ】奥田亜希子先生「左目に映る星」
すばる賞。これは大変に分かりやすい。読みやすい。とてもこなれている。映像化なんか向いているかもしれません。
「教授と~」とW受賞したのには意味がありそうですね。
文学にはこれだけ「幅」がある。
なんでもありだから、逆に難しいですね。

【読んだ】栗田有起先生「ハミザベス」
すばる賞。これ好きです! 優しくて少しおかしくてシレッとしていて。
エピソードと素材と人が調和して奇麗におさまっているのに、それでいて無理なく自然に文章が紡がれている。
ちょっと文句のつけようがないんじゃないでしょうか!
他も読みたいな。

2019-12-11
【再読】松浦理英子先生「ナチュラル・ウーマン」
いい人間かは分からないけれど、いい女だなあと思うんだ。
アレサ・フランクリンもいいけど、私はジェーン・バーキンに歌ってもらいながら読む。いい音楽にいい小説。最高の贅沢。
これだから、恋愛小説はやめられないんだ。#この本大好き

【読んだ】伊東乾氏「さよなら、サイレント・ネイビー」
開高健ノンフィクション賞。いい本だ。
できるだけ客観的に人の心の襞に入っていこうとする態度が誠実だ。足と想像力を使い、そして「約束が守られている」。
地下鉄サリン事件の実行犯と音楽家で東大助教授。二人の友情の物語と読んだ。

【読んだ】高瀬ちひろ先生「踊るナマズ」
すばる賞。完成度が高い。文章も構成も素晴らしい上「ナマズ」というモチーフがよい。筆力に疑いがない。
同時収録の「上海テレイド」受賞後すぐ発表の短編。私はこちらの方がさらによいと感じたが、新人賞に出すならナマズなんだろうなあ。難しいね。

2019-12-12
【再読】芥川先生「蜘蛛の糸・杜子春」
読み返すたびに刺さる小説が変わります。今日は「トロッコ」が刺さる。
どうして私はこれを子ども時分には「で?」なんて思ったのでしょうか。信じられません!
世界よこれが私の国の小説です……! 叫び散らしたいけれど一体誰に訳せるでしょうね。#神

【読んだ】新庄耕先生「狭小住宅」
すばる賞。「そんなブラック企業辞めれば」に対する悲痛なアンサーか。
文学としては、ルサンチマンでなく共感を目指したところが「新しい」と読む。抑制のきいた筆致も好ましい。非常に理知的に書かれた小説と思います。
量は、すばる賞上限近い枚数かな?

【読んだ】米田夕歌里先生「トロンプルイユの星」
すばる賞。感性が際立つ。お話も不思議だが、独特の浮遊感がとても不思議。意図的な表現なのか、この方の持ち味なのかはこれ一作では判断不能。読みやすいのでファンはつく筈。構造の狙いとこの文章が合致しているか分からないが魅力がある。

【読んだ】堀川惠子氏「永山則夫封印された鑑定記録」
事件に対しては「あの永山基準の」という印象しかない。基準自体が揺らいでいる今日、この事件は今一度世に知られるべき。
しかして。精神鑑定というものの難しさが浮き彫りになる一冊。著者の筆力が高すぎる故か、時折虚実不明と感じた。

【再読】金原ひとみ先生「蛇にピアス」
すばる賞・芥川賞。今この作品をひとみ先生はどう読むでしょうか。
私はカワイイと思ってしまった。
全編とにかく即物的で性の話ばかりしているのも虚勢というか、肩に力が入っている感じで。そのわりに男がやたらロマンチストとか。あの頃が詰まってる。

2019-12-13
【再読】太宰治先生「走れメロス他」
またなんだ、すまない。メロスはどうして走ったんだろうと。友達を救うため?
いやいや、セリを人質と言い出したのはメロスだ。救うっていうかメロスのせいだぞ。
メロスっていい加減なヤツだよ。計画にぬかりしかない。それでも走るんだ。最後だけな。

人の命よりも大切なもの。恐ろしく大きいものの為に。
道化師のヒロイズム? そもそもメロスは誰なのか。セリはディオは? 三位一体とかMAGIの……。
中学校で習ったときから納得していない。先生メロスは何のために走ったのですか。どうしてあなたはこれを……。
私はまだ読み続けています。

【読んだ】安達千夏先生「あなたがほしい」
すばる賞。敢えてお名前は伏せますが解説を読んで笑ってしまいました。この作品は性愛描写がウケたんでしょうか。
違うと思います。
ヒロインがサブカル寄りの教養人だからでは? 年上の男もインテリ。彼女もたぶんインテリ。偏差値の高い恋愛劇。

【読んだ…】「会長はなぜ自殺したか」読売新聞社社会部
第一勧銀総会屋利益供与事件。込み入った話、出てくる人は全員おっさん、嘘ついたりシラ切ったりするもんで、すっかりこんがらがってきた。
大変よく取材してあるのではないか、と思う。文章は小説と全然違うので疲れるが勉強になった。

【読んだ!】山岡ミヤ先生「光点」
すばる賞。本当に「光点」って感じの小説! 見えるようで見えない。掴めるわけはない。不確かだがそこにある。そういう漠然としたものを表現しているように思いました。
正統派の文学なのかなと思いますが、あらすじがつけづらいタイプの小説。私は好きですよ!

【再読】沼田真佑先生「影裏」
うむ、降参! 分からない。そしてこれが読めないことが不思議でもある。人間やその関係が書いてありそう。しかも敢えて情報を伏せているようにも思えず、言葉が足りないとも思えない。
単純な懐古とか恋情でもなさそうで…そしてタイトルが、それだ。読解力不足。

さきほどの「光点」を読んで、雰囲気が似ていた気がして今日なら何か分かるかと思ったが、再読したら別に似ていない。
何が書いてあるんだろうなあ、この小説。腑に落ちないけど気になる。
もうすぐ映画公開だそうですね。私の理解度ではイケメン鑑賞映画になってしまいそうな、そんな不安。

2019-12-14
【読んだ!】堀辰雄先生「風立ちぬ・美しい村」
なんと繊細で麗しい描写。まるで西洋の小説のように見える。
と同時に、こんな天使のような人間がいていいものかとも思ってしまう。
虚構の底力、圧倒的筆力、理知的視線。聖なる小説なんて言ったら怒られますか? いざ生きめやも。

【読んだ】末弘喜久先生「塔」
すばる賞。面白いは面白いです。計算された企みを感じます。が、劣等感をことこと煮込んでスープにしたような作風、好悪はありそう。
この主人公は☆☆☆なんでしょう。それがここまで深刻に書かれてしまうと、私には滑稽に見えた。文学的にはアリ寄りのアリかと!

【読んだ!】フランクル「夜と霧」
ドイツ強制収容所の体験記録。心理学の医師が、その地位や名前や彼の持てるおよそすべてを剥ぎ取られ、罪なき囚人として生き延びたその「心理的記録」。
これほど貴重な著作はそう多くはないでしょう。
この最後の一文、是非、あなたにたどり着いて欲しい。#必読

【読んだ】中島たい子先生「漢方小説」
すばる賞。流石シナリオライター。筋がすっきりしていて面白く読めます。あっさりチャーミングで軽やか。枚数はありそうですがすぐ読める。ただ読めすぎてしまう気はしました。
文学なんて面白くない、重すぎる、と思っている方に読んでみてほしい。

【読んだ!】精神医学テキスト(南江堂)
「精神医学ハンドブック」より一歩進んだ教科書。詳細が分かり、今度は初耳学な事柄もたくさん。
精神医学の全体像を掴むのに適かと。それにしても教科書の文章って本当によく書かれていますよね。それなのに文章に「人格」がなくて、ちょっと信じられません。職人技ぞ。

2019-12-15
【読んだ!】坂口安吾先生「堕落論」
え、酔ってます? と思うような書きぶりなのに文章はしっかりしているのが魅力的。
根底にあるのは文学への真摯な眼差しと、人間への妙な愛情。
当世パンクと申しますが当時はデカダンと言ふのでせうか。
下記情報はずっと募集したいと思います。#好き

【読んだ】中上紀先生「彼女のプレンカ」
すばる賞。正統派で上品。手堅いと思いました。こういうのを見せつけられてしまうと、環境だとか血筋とか言いたくもなりますが、
関係ないと思います。
どこの誰だろうと、教育がどうだろうと、文学は生まれるべき人から生まれる。私はそう信じます。

【読んだ】藤田幸子氏「インターネットは介護主婦の救い主」
思った内容と違ったが興味深く読了。
自称「平凡な主婦」とおっしゃる方の文章が不思議な雰囲気を持っていて面白く。
同じ日本語の使い手でも、言葉は十色。
「平凡な主婦」が出版歴ありとなるとこちらは凹むものがございましてww

【読んだ!】加藤伸勝先生「精神医学」
「精神医学テキスト(南江堂)」より古いが単著の教科書。1971年初版だが版を重ねている人気の書。
流石によくまとまっているのと、独語・英語の医学用語が並記されている。カルテや論文書く人は使いやすいんじゃないでしょうか。
最近のカルテは日本語なんだっけ? #知らんし

【読んだ…】元刑務官による死刑反対書籍
書名は伏せます。
貴重な経験から知り得た情報を含んだ書籍とお見受けします。しかし主張が強すぎてあまりに感情的、かえって論旨に疑問を覚えます。
特に著者が直接見たわけでない事柄、調べた事柄を小説仕立てで記すのは読みづらいですね。勉強しました。

2019-12-16
【再読】三島由紀夫先生「仮面の告白」
久しぶりに読んでみた。令和感覚ではやはり内容よりも巧みな表現に目がいく。かなり意識的に書かれているなあと思う。
嘘が巧いね、公ちやん。
小説の宿命というものを今一度感じる。しかし、惜しいことをしましたね。個人ではなく日本文学の視点から。

【読んだ!】村上龍先生「55歳からのハローライフ」
普通のひとなんていないと思うんです。特に小説の主人公は。このひとたちも、本当はどこにもいないんでしょうけど……。
物語と人物の距離感があまりにも適切で、刺さりました。
私も普通の55歳を過ぎたら、どんな風に読めるでしょうか。

【見た!】ウィトゲンシュタイン「論理哲学論」
1-0 この論はおそらく正しい
1-1 その正しさを精査するのに精密な思考を要する
1-1-1 精密な思考をするならば原文を読むべき
1-1-2 訳文が精密とは限らぬ故に
1-1-3 原文を読みこなす語学力がない
1-2 この論は今生では読めない
〈無念〉

【読んだ】佐木隆三先生「死刑囚永山則夫」
小説、とのことですが内容は事実に近いと思われます。冷静に書かれていて読みやすく。
「永山基準」について今一度考える時期なのでしょうね。
裁判員になってこの事件を担当したら、どんな量刑を推せばいいか。その根拠は。裁きとは何か。#ご一考願います

【読んだ】精神疾患の分類と診断の手引
アメリカのあの有名なやつの和訳版ですが。
依存症とかも載ってるんですけど、私とか普通に依存症なんじゃないですかね。
読書と執筆を繰り返す依存症……
聞いたことある方、います? そういや、小さい頃からわりとこうなんだけど……んん? #中毒

2019-12-17
【読んだ!】遠藤周作先生「父親」
これは……! 不倫の恋に溺れる男女の心理を描いた小説は今まで何編も読んだ。
娘が不倫する父親の苦悩
というのは不勉強な私は初めて読みました。パパ……!!
この方は大変な多作家でまだまだ未読本がいくらでもある。本当に私は幸福だ、感謝しています。

【読んだ】川越宗一先生「天地に燦たり」
清張賞。圧倒的構成力と教養! 視点人物が三人もいますがたぶん主人公は「思想」なのか、一貫して読めます。
正直、難しくて分からないところも多々あるんですが……整合した物語に見えます。清張賞パネェ……!
直木賞選出、おめでとうございます!

【読んだ!】山中康裕医師「少年期の心」
なんと78年初版、今なお版を重ねるロングセラー。
子どもの内面世界を精神療法から読み解く手腕は魔法のよう。
関係ないですが小学生の時、女教師にババァと言ったら放課後、私の母親に教師がクレーム電話をしてきたこと、思い出しましたww #マジで関係ない

【再読】アシモフ「鋼鉄都市」
「われはロボット」を長編化して、バディものにしたら面白いと思わん?
面白くないわけがなかったwwww
そういう作品。これ絶対映画向きと思うんですが、映画はないんでしょうか。やっぱり私はロボと友達になりたいな。#忘れた頃また読もうっと

2019-12-18
【読んだ!】「森 林太郎訳フアウスト」
誤訳だという話もありますが、私にはどこが違うか知れないので構いますまい。
ところで斯様な長台詞、一体何方が覚えられるといふのでせう! むつかしい劇だわ悪魔の所業よ!
それでも矢張り、時よ止まれ。汝はいかにも美しいのだ。#至福

【読んだ】法然「選択本願念仏集」
タイトルを現代風にすると「ガチで念仏おすすめな件について」といったところ。
歎異抄と多分同じことを言ってるんですが、理性的で「論」なので理解はしやすい気が。一言で言うと、衆生済度? 例によって合ってないかもしれないので、各自ご確認願います。

2019-12-19
【読めなかった】樋口一葉先生「にごりえ・たけくらべ」
何回も挫折しているが今日も分からなかった。一文が長すぎてどうしても迷子になる。
古典の方が逆に読みやすいと感じる……
たけくらべはギリ読めそうだが、にごりえはもう完全に無理だ。近松門左衛門の十倍は難しい気がする。#限界です

2019-12-20
【読んだ!】三浦しをん先生「舟を編む」
圧倒的傑作。加えて言うことなし。読むべし。
中学の頃、現国の教師があまりにも語彙が狭く、彼女の知らない単語を使った作文は減点でした。私は都度「福武国語辞典に記載されていますが?」と難癖をつけて採点やり直しをさせたもんです。#執念深い

2019-12-21
【再読】泉鏡花先生「夜叉ヶ池・天守物語」
戯曲なので小説に比べて格段に分かりやすいと感じる。が、実際演ずることを思うと……役者泣かせというかなんというか。
腕の見せ所ですよね!!
俳優さんは姿形も大切だけれども、一番大事な素養は知性だと私は思います。もっと難解な劇もあるし。

2019-12-22
【再読】プラット他「毒舌精神科医の愛の言葉」
あなたはとっととくたばるべきです。
全編こんな感じのジョーク本。
発売当時は話題になったんですが、案の定絶版です。
絶版になりそうな本は、必ず新刊ですぐにも買う方がいい。
私が出版できたらよろしくお願いします。希少本になりますよ!

2019-12-23
【読んだ】林幸司医師他「司法精神医学研究」
触法精神障害者、受刑者の老年痴呆、矯正医療。もう随分前の出版だが今なお課題と感じる諸問題。
法律を考えても、受刑者に精神医療は絶対に必要。しかしコスト負担は。いたずらな厳罰化は必ず国家の首を絞める。
市民に無関係ではなさそうだ。

2019-12-24
【読んだ】遠藤周作先生「満潮の時刻」
もの凄く巧い。本文に誤記や混乱と見られる箇所がある。この後書いた「沈黙」に比べて幾分雑に仕上がっている。
それでこの巧さ……なんなんだこの方wwww
処理が妙なところはあったが、肝心の満潮感は表現されている。かえって筆力を感じる一作。

【読んだ!】「現代臨床精神医学」
昭和から重版の名教科書。質量ともに満足。純粋に読み物としてもなかなか楽しい。
ところで病跡学には作家として一言「ほっといてもらっていい? ##」
創作から作家の人格や病理を探求して何になる。作品と作家は別だと思いまぁす! #そこは読まんでいい

2019-12-25
【読んだ】「法務教官の仕事がわかる本」
雑に言うと少年院の先生とその周辺公務員のPR本。PR目的なのでヤバい話は出てきません。
私が少年の頃には「ネンショー送りになるぞ」なんて言っていたものですが、今も言うんですかね? 個人的には育てられない親よりよほどいいと思っています。

2019-12-26
【再読】三島由紀夫先生「花ざかりの森・憂国ほか」
圧倒的ですね。この中のどれか一編が、新人賞に紛れ込んできたら私はどうしたらいいでしょう。
喜ぶべきだと、思います。
日本の文学のために。作家になりたい者ではなく作家になるべき者が選ばれるのが正しい。
悔しかったら書くしかない。

2019-12-27
【読んだ】薬師寺幸二氏「永山則夫」
長い読書感想文という感触。永山氏の小説から心理を読み解くとのことだが小説はフィクションという視点が印象的なまでに足りない。
著者は家裁調査官らしい。この同情的視線、よくも悪くも作用しそうだ。
全員がこんな風に読んでくれたら楽なのになあ。

2019-12-28
【読んだ…】30ン年前のすばる賞受賞作
小説は基本、古びないものだと思う。
作中に太宰作品が引用されています。
太宰先生は百年その輝きを失わない。
この作品はもう古いのです……。
その違いがどこで生まれてしまうのか、少し分かった気がします。巧くなくても、死なない小説を書きたい。

2019-12-29
【読んだ!】金原ひとみ先生「AMEBIC」
錯乱した作家が綴る「錯文」を交えたリアルな虚構。
実は……私も錯文を書くことが普通にあります。考えることと言語が密接に結びついているので、こうなるだろうなと。
ただ、原文そのままではないと思いますが。
小説の可能性について深く考える一作。

2019-12-30
【再読】宮城音弥先生「精神分析入門」
アドラーもいいですが、作家勢はフロイトは一度は触れていると思います。特にメタファ興味ある方は必修。
フロイトのみならず音弥先生もちょっと古典の域に突入した感はありますが、流石によくまとまった良書。絶版ぽいので見つけたら即確保願います!

2019-12-31
【再読】芥川龍之介先生「或阿呆の一生・侏儒の言葉」
今年最後は遺稿集。歯車・遺書・暗中問答まで収録の地獄的一冊。
「創作は常に冒険である。所詮は人力を尽くしたのち、天命に委せるより仕方はない」
年明けから私も執筆期に入ります。地獄より地獄な地獄へ、先生、私を連れていつて。

はいお疲れ様です! 読書記録だけで一万字超えというこの記事、一体誰が読めたのだろうかwwww
年明けて現在は執筆期への移行期として、読書はストップしています。

年間何冊読んでるんだ、とたまに訊かれ……てなかったかもしれませんが……再読も多いし、よく分かりません
一年のざっと半分が読書期だとすると、のべ150冊とかだと思いますが、それ以外にも資料だったりweb小説、読んだけど即記憶から消したものなども含めれば、もっとあるのかもしれません。

ただ……全然頭に残っていないので、あまり自慢できた読み方ではないなあと思います。

2019年初読の本でもっともオススメだった本は「古事記」岩波文庫でした。正法眼蔵はまだ読み終えていませんwwww(あと三冊)

読んだ方がいいと思うよ、マジで!!

というわけで、しばらくはこのシリーズは中断ですね。
次はエッセイか、古今集いちご訳シリーズでお目に掛かりましょう☆

2020年もフォロワーがんがん募集中! あまおう まあお

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