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息子と一緒にテレワーク

数日前から、鼻水を垂らし、痰の絡んだ咳をしていた息子。ついに、仕事での外出先で、保育園からの「お迎えコール」が鳴った。

スマホに表示された「◯◯保育園」を見た瞬間、ゴクント唾を飲み込み、今日これから取り組むはずだった業務を手放す覚悟をする。

電話の内容は、想像したとおり、息子の体調不良だった。発熱していて、すぐにお迎えに来てほしいということだった。

わたしは会社の書類を持っていて、どうしても一旦帰社しなければならない。だから、電車に飛び乗り、会社に書類を置き、同僚に急ぎの業務だけ引き継ぎをし、翌日テレワークできるようにデータをメールに飛ばし、退勤した。

考えている暇はない。こうなったら選択肢は一つしかない。翌日の仕事のイメージを瞬時に頭に描き、パパッと動いて必要最低限のことをする。

保育園に着くと、なぜか息子は上機嫌だった。どうやら、お昼寝から起きた後、事務所で過ごしたらしいのだが、いつもの部屋にはないオモチャがあり、さらに先生を独り占めできたことが嬉しかったらしい。

帰りにクリニックに寄るも、すでに解熱していた。肺の音や酸素飽和度も問題なし。「あ〜よかった」と胸を撫でおろしつつ、明日のことを考える。「保育園行けそうだなぁ」という考えが頭をよぎるも、基本、解熱してから24時間は登園不可。すぐに熱が下がったとはいえ、コロナ禍だ。そして何よりも、こんなときは息子のそばにいてあげたい。

仕事の休みを取ったら、来週自分の首を絞めることになるし、息子と一緒にテレワークかな。そう決めるまで、少し覚悟が必要だった。実はわたしは、昨年の緊急事態宣言の期間、息子と一緒にテレワークをしたことがない。今になって、はじめての経験なのだ。

勤務時間は9時から16時15分。この時間きっちり仕事をするなんてきっと無理。そう思って、7時半頃からゆるくスタート。ノートPCを片手に、メールを打ちながら、息子の様子を見守ったり、問いかけに答えたりする。

頭は仕事モードなのだけど、近くに最愛の息子がいて、時にギューっと抱きついてきてくれたりして、心はほっこりしていた。気がついたら、ダダダっと階段を駆けのぼって3階に行ったらするから、わたしもノートPCを持って着いていく。まだ2歳だから、やはり目線のなかに存在を確認しておかなければ危険なのだ。

ちょっとグダグダしてきたら、YouTubeにも頼ったりして。一緒にテーブルに座り、わたしはPCと睨めっこ、息子はスマホと睨めっこしている光景、誰かに撮ってもらいたかったな。

お昼を挟み、息子が「もう寝るの〜」と言いながら、毛布生地のモンキーを持って3階の寝室に向かった。布団に寝転がるも、なかなか寝ない息子。普段と違う1日に、少し興奮しているようだ。14時開始の会議を意識して、息子を寝かしつける。ようやく寝ついたのは、会議開始3分前。心臓ドキドキ。

息子と一緒のテレワークはなかなかハードだったけど、たまにだったらできるかな。これを毎日続けていたワーママさんに脱帽。そして、1日でも早く、安心して過ごせる日が訪れますように──。

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