千夜一夜物語 (アメリ)

株式会社アメリが執筆するポエム。 アメリHP:https://amelie-cfp.c…

千夜一夜物語 (アメリ)

株式会社アメリが執筆するポエム。 アメリHP:https://amelie-cfp.com/

最近の記事

  • 固定された記事

第一夜 『千夜一夜物語』

はじめに。 千夜一夜物語はサーサーン王朝時代にペルシアをはじめとする各地域の民話を編纂した作品である。 正直、株式会社アメリとは縁もゆかりもない作品である。 今回、この作品の名前を我々のコラムの表題とした意図はある。 それは、一つのことを続けることで何かを成し遂げるシェヘラザード(千夜一夜物語の主要人物)と株式会社アメリを重ね、長い期間を使って達成するための記録を残し、「明日はもっと面白い話になる」と伝えていきたいと考えたからである。 ご存知の通り、「千夜一夜」とは単に

    • 第百八十夜 『seven pounds』

      アメリ様はサービスの質が高いのに、そのサービスを受ける料金が安いので、とても素晴らしいですね。」 先日、彼がお客様から言われた言葉である。 熱心な『千夜一夜物語』の読者であれば既視感があるのではないだろうか。 そう。 私が顧客であるN様に言われた言葉にあまりにも似ているのである。 また、先日協力会社様との会食時にもこんな言葉をいただいた。 「アメリ様のお客様はとても担当者を信頼していて、こちらもお話を進めやすくて助かっております。」 信頼という言葉は評価として非

      • 第百七十九夜 『アルマゲドン』

        「この四半期も皆さんのお力のおかげで無事締めることができました。それでは、乾杯。」 グラスの薄く当たる音。 今回も無事この音を聞けて、なんとかやり切ったという気持ちが今更湧いてくる。 心配していた率い渡しも無事に終わり、四半期の締め会を行なった。 私と彼、そして業務委託社員のIさんとHさん。 Sはと言うと、残念なことに細菌性の腸炎を患ったとのことだ。 「第二期の初めの四半期は、アメリとして収益構造が理想のものに近づいていることを実感しました。ビジネスモデルが大きく前進

        • 第百七十六夜 『私に売れないモノはない!』

          「実は営業という職種においても、世界No.1と言われる人物がいるのをご存知だろうか。」 「なんとその人物は自分がNo.1だと言っているだけではなく、ギネスブックに登録されているというのだから驚きだ。」 「ジョー・ジラード。1928年生まれのアメリカ生まれのセールスマンだ。」 「ジョー・ジラードは、 1日の新車最高販売台数は18台。 1ヶ月の新車最高販売台数は174台。 1年間の新車最高販売台数数は1425台。 15年間のセールス人生で13001台の乗用車を販売して名実と

        • 固定された記事

        第一夜 『千夜一夜物語』

          第百七十六夜 『人に優しく』

          「それでは本日お預かりした書類をコピーさせていただきますので、10分ほどお待ちください。」 その日、私と従業員のSは新橋駅のM信託銀行の系列金融機関にお客様の金消契約で訪れていた。 金消契約とは正式には「金銭消費賃貸借契約」と言う。簡単に言うと、金融機関から金銭を借りる契約である。 「今までよりも仰々しくて少し緊張しますね。」 今回、契約を結ぶN様は今年、新たな試みを行なうことになった。 その中で今までとの対応の違いに少し緊張したとのことだが、どこか楽しそうでもある。

          第百七十六夜 『人に優しく』

          第百七十五夜 『車輪の下』

          「やはりI君やT君のような人材が1人欲しいですね。」 「具体的ですね。」 「現状の我々の売上であれば、新規で1から学んでもらうのはリスクではあるので、ある程度引渡しまでできる人材を案件に入ってもらいながらOJTで学んでもらう得ると理想です。」 「そうですね。なんにせよ人材を強化することは必要ですね。ホームページも新しくなり、売上の割合も不動産仲介が大半になってきました。この点は明らかに昨年よりも前に進んでいると言えます。」 株式会社アメリの人材募集は少し計画よりも遅れ

          第百七十五夜 『車輪の下』

          第百七十四夜 『Working!!』

          「昔バイトで小売りのバイトをやっていたことがあって、その時に自分には営業職は向いていないなと思って、今の働き方を選んだんだよね。」 Eさんは全く別の業界で働く友人であり、よく株の情報交換をする。 現在はアナリティクスの仕事を行なっている。 「だからこそ、営業職でノルマと向き合っている人は本当にすごいと思うよ。ただ、向いているかどうかをそのタイミングで判断できたからこそ、今の働き方ができていると思うよ。」 営業職は世間一般的には稼げる職種として認知されているが、そう甘いも

          第百七十四夜 『Working!!』

          第百七十三夜 『GIANT KILLING』

          「ご相談があります。」 一年前のことだ。従業員のSがお昼時に相談を持ちかけてきた。 「なんだい。お金でも貸してほしいのかい。」 「似たようなものです。ただ貸してほしいのではなく、スポンサーになってほしいんです。」 「スポンサー?」 「そうです。スポンサーです。半額は自分の歩合で、もう半分を会社から出してほしいです。」 私がなんのことかよくわからないという顔をしていると、彼は続けた。 「私が運営しているフットサルチームのスポンサーになってほしいんです。」 「なる

          第百七十三夜 『GIANT KILLING』

          第百七十二夜 『国富論』

          4月19日。 日経平均株価は実に1000円を超える安値を記録した。 阿鼻叫喚の声が聞こえる。 中東情勢の緊迫化によるリスク回避などとも言われており、調子の良かった半導体部門にも大きな変動をもたらした。 昔から初心者が投資に興味を持ち始めてくるとそこが天井などとも言われているが、今回も多くの人間が参入したタイミングであった。 株式会社アメリではFPの業務の一環として、NISAやiDeCoのような投資商品の商品比較を行うことも多くある。 FPの業務とは「顧客の資産を守

          第百七十二夜 『国富論』

          第百七十一夜 『ワンピース』

          朗報である。 業務委託のIさんの案件に進捗があった。 これは単純にIさんを思って朗報だと伝えたいのではない。 株式会社アメリにとってIさんの数字はセミナーというプロジェクト集客から上がっている数字になるから朗報なのである。 「Iさんと社長のセミナーは甲乙つけ難いですね。2人とも上手いのに雰囲気が全然違うんです。」 かつて飲みの席で一度彼はこのようなことを話していた。 そもそも私もIさんも元々はV社時代に彼のセミナーチームに所属し、日々登壇していた。 そして、そのチー

          第百七十一夜 『ワンピース』

          第百七十夜 『健康で文化的な最低限度の生活』

          「健康診断の申込を26日に確定して欲しいです。」 彼からの依頼をすっかり忘れて健康診断の予約を忘れていた私は急いで、彼の希望の病院に電話をかける。 彼は今年もトライアスロンに参加するために、5月までのスケジュールを組んでいるようだ。 すぐにでも予約しなくてはと焦る私は相手からの問い合わせも漫ろに聞く。 「4月26日は日程空いておりますか?」 「誠に申し訳ございません。5月末までは予約が取れないです。」 なんということだ予約が遅すぎたのか、彼に謝らなければと考え一度電

          第百七十夜 『健康で文化的な最低限度の生活』

          第百六十九夜 『城』

          「最近、I銀行との提携を結ぶことになりまして、依然必要書類とか準備していたことありましたよね。今度お話聞かせてください。」 「I銀行と提携される会社様最近多いですね。良いですよ。では今度ランチでもいかがですか。」 「アメリさんでは提携金融機関とか結ばないんですか。」 「いずれは考えておりますが、少なくともワンルームを中心とした区分マンションでは考えておりません。」 株式会社アメリを立ち上げる際に、私と共同経営者となった彼は最初から単身用区分マンションを収益の基盤とする

          第百六十九夜 『城』

          第百六十八夜 『今どきの若いモンは』

          「アポイントに関して、注意を受けてしまいました。」 Sは年を明けてから、不動産投資のセミナーの登壇をするようになった。 その初めてのアポイントを彼に繋いだところ注意を受けたと言う。 出先で昼食をとり、少し事務作業を行うために入った喫茶店で神妙な顔で報告するSを見て少し懐かしい気持ちになった。 「具体的には何を怒られたの。」 「アポイントの繋ぎ方が雑だと言われました。」 内容はさておき、私はかつての自分とSを重ねて考える。 それは老害的な私はもっとできたとかそうい

          第百六十八夜 『今どきの若いモンは』

          第百六十七夜 『グッバイ、レーニン!』

          2024年3月22日。 大手製薬会社のK製薬が自社商品の自主回収を発表した。 K製薬の製品に使われている紅麹が健康被害の原因として消費者庁に声が寄せられたことが要因だという。 結果、5名が死亡にまで至ったという内容をマスコミ各社は大きく報道した。 同社の株価は暴落し、製品回収による中小企業へのダメージも甚大であった。 翌月8日、問題になった紅麹自体には直接的な健康への悪影響はないという報道が出される。 死亡した5名の内訳は70代が3名、90代が1名、不明が1名とのことであ

          第百六十七夜 『グッバイ、レーニン!』

          第百六十六夜 『ゆれる』

          「商談お疲れ様です。なんとか決まりましたね。」 「お疲れ様です。でも今日は結構序盤から決まると思ってましたよ。」 「そうなんですか。」 「たまにあるのですけど、その日の商談がうまくいくなと確信する瞬間があるんです。」 「どんな時ですか。」 「それはお客様がサインを送ってくれるんですよ。そのサインというのは…」 私が駆け出しの頃、彼に同行を依頼していたことがある。 営業職としては少ないルートかもしれないが私はセミナーを専門で行うチームに配属された。それが彼のチーム

          第百六十六夜 『ゆれる』

          第百六十五夜 『走れメロス』

          「修繕積立金の値上がりの通知が届いたのだけど、どうすれば良いかな。」 マンションなどの不動産を購入すると、物件に対してローンの返済以外にも支払う費用がある。 それが管理費と修繕積立金である。 巷では修繕積立金の値上がりを伝えずに販売を市、トラブルに発展するなんていうケースも散見されるが、そのほとんどは販売側の意図したことではなく、無知によるものが多い。 管理費とは所有不動産の管理人の賃金や、物件の電気代や水道代のようなものに充てられるる。修繕積立金はいずれ必要になる物

          第百六十五夜 『走れメロス』