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息子と東京ふたり旅3「スカイツリーの麓へ」

■バスのあれ

ふたりで宿泊したビジネスホテルはおもてなしも清潔感もGOOD。朝食バイキングもステキで、ほぼほぼ何も困ることがなかった。体力も回復した。
本日は、スカイツリーの麓にある「東京ソラマチ」とやらに行くことにする。NHKストアもあるし、カービィカフェストアというものもあり、息子も「行きたい行きたい!」という感じ。(注:息子はびじゅチューン!にもハマっているのであるが、星のカービィにもハマっているのである)

そういうわけで、のんびりチェックアウトしたのち、都バスに乗って移動。息子は「バス?遠足でしか乗ったことない」という感じでこういったお金を払って乗るタイプのバスは初めてみたい。ほぇー。
僕は物心ついたときにはすでにバスに乗って通園・通学しており、高校を卒業するまで毎日バスで通っていたので、バスが初めてという人間が新鮮であった。(まあ冷静に考えれば、5歳児でバスに乗ったことがないのは結構普通である)

子どもとバスの組み合わせといえば「つぎ止まりますボタン」である。
ときに争い、ときに譲り合ったあのボタン。暗黙の了解で「次は◯◯」とバスのアナウンスがなったら押すことになっていた。とはいえ、低学年の子が押したそうにしているときには、小学校高学年の我々は、これまた暗黙の了解で押さなかったものである。

しかし、彼はまだそのボタンの快感はもちろん存在も知らない。教えるかどうか、うやうや迷っているうちにひとつ前のバス停になる。すると、小さな女の子がワレサキニ!とボタンを押したので、押すチャンスはなかった。これで良かったのである。初めてチョコレートを食べさせるときのように、家族で相談した上で望まねばならぬ。
そういうわけで、まだ彼はあれの存在を知らない。

■東京ソラマチとすみだ水族館

カービィカフェは予約がずーっと先までいっぱいだったので、断念した。外から眺めるとウィスピーウッズが鎮座していて、それはそれは楽しそうだったが、まあ、今回のメインではないので、気にしない。息子もあまり気にしていない。入り口で写真とれたし、しかもカービィの服着てるし(あたかも、カービィカフェに行ってきたかのような親子)
カービィカフェストアというショップには、限定アイテムが売っていただけでなく、限定のジュースも買うことができたので、もうこれでカフェに行ったということになった。妻へのお土産もこのタイミングで購入。どれも良くて迷った迷った。

NHKストアにも行ってみた。びじゅチューン!関係のグッズがあるはずだと息子は確信しているだけに、「ないんちゃうかな…」と思っていた私は内心ドキドキ。到着してみると、やはり「いないいないばあ」とか「チコちゃんに叱られる」とかその辺が中心だった。
が、なんと棚ひとつまるごと「びじゅチューン!」のコーナーがあった。井上涼さんのサインもめっちゃあった。「びじゅチューン!」思っていたより流行っているのね…。侮っていました…。
いろいろ悩んで、ハンカチやキーホルダーを購入、あと「びじゅチューン!るるぶ」なるものも…。次の旅の伏線か…。

DVDとサイン(あなどってました…)

時間が余り、近くの「すみだ水族館」に何の気なしに入る。イルカショーのようなものは無いのであるが、なんとなくパリピ気分の水族館で、気分がアガッた。僕が好きなクラゲたちが映画「Sing」のイカみたいに水族館を盛り上げていた。息子は、クラゲを最初怖がっていたが、よくみるとそんなに怖くないとわかったようで、普通に楽しんでいた。脳も心臓もないけど生きているクラゲ。ひとりで来ていたらずーっと見てた。

幻想的な通路

■2日間のまとめ

息子とのふたり旅がそんなに疲れなかったのは、普段の休日に2人で活動しているので、慣れていたのがひとつ。
あとは僕自身の「スーパー受け身」体質と「これはこれでいいやん」思考もある。そう考えると、妻と息子のふたり旅は成立しないかもしれないと妄想したりもする。N極の息子とN極の妻。そしてS極の僕。けっこううまくできているかもしれない。

1日目の夕食(ラーメン屋)からホテルまでの道すがら、息子の手をひきながら、父との立ち食いそばでのワンシーンをふっと思い出した。
あれは高校3年生のとき初めて東京に来たのだったか、確か父とふたりの旅だった気がする。入試のときだったか。定かではないが。
どこかの駅の地下にある薄汚い立ち食いそば屋でそばを食べて「やっぱり東京の味やな」と父が言った。それだけのほんの些細なワンシーンだが、ふっとそのシーンを思い出した。
5歳のこの息子にもそんな、不意に思い出す、とるにたりない東京の1コマを作れただろうか。電車のアナウンスで上野駅とか新宿駅とかきこえたときや、どこかからスカイツリーがみえたときに、なぜか頭の引き出しの奥からこぼれてくるような、そういうもの。
そういう特別な旅にある特別じゃない瞬間が特別なのかもしれないとかぼやーと思いながら、知らない町の小さいスーパーの前を歩いていた。
それがこの旅の個人的ハイライトだった。

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