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雑に政治を語る前に

TL上で、政治が語られる日が続いている。

クリエイティブな人やエンターテインメントな人ばかりをフォローしているのになぁ。

余りに様々な言説が目につくので、検討に値するかどうかを峻別したく、手の届く範囲で4つほど、考え方をまとめました。

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1_多様性と経済成長は相反する

・戦後の高度経済成長は、全国民に共通の価値観を植え付けることで実現
・「共通の価値観」にハマれば大ヒット、大量生産大量消費の時代
・今は「多様性」の時代
・「多様である」=「効率的でないことも受け入れる」ということ
・なので、多様性が重視される社会においては経済的には縮退して当然

2_少数派はヒステリックであるべき

・制度や倫理は多数派の手で作られるので、多数派は当然現状を正と捉える
・穏健に、制度に則って、少数派の価値観を訴えた所で、多数派を脅かさない範囲でしか認められない
・そのように「多数派に取り込まれ、牙を削がれること」こそ、少数派にとっては最も避けるべきこと
・したがって、強硬的に、ヒステリックに、多数派の牙城を打ち砕く必要がある

3_正しくあることより、動的な現実により良く対処すること

・新型コロナウィルス、国際情勢、自然災害、原子力問題……
・あらゆる問題が発生し続ける動的な環境で、期初に約束したことだけを実施するのは愚か
・常に施策BacklogのROIを見極めながら動的に判断し続ける必要がある
・時には約束を破ることも、法を犯すことも、規律を乱すことも、正当化される

4_日本国民の最大幸福

・限られた資産で「多数 × 幸福」の面積を最大化する事を考える
・当然、「多数」が無限大に近づけば、一人あたりの「幸福」は無限小になり、面積はゼロになる
・故に「最大多数」と言いながらも何らかの枠を設ける必要があり、「日本国民」というのはリーズナブルな枠と言える
・この枠を拡張する議論は、有限の資産を仮定したときに、慎重にならざるを得ない
(・「日本人=日本国民」「単一民族国家」という思想がここに絡んでいるのはやや面倒で、切り離して議論すべきでしょう)

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以上の4つの考え方を前提にするだけでも、取り合うに足る言説は一定絞り込むことが出来る。

政権は正しく批判されるべきだが、
 ・経済的な縮退
 ・公約の反故
 ・権力への固執/権力の濫用
を批判している筋は全部無視して良い。

他方、
 ・経済成長している
 ・情報の隠蔽や改竄はなかった
という擁護はどう考えても嘘なので無視して良いし、
 ・政権批判する少数派は、過激すぎて気に食わない
というのも、問題を単純に捉えすぎている。

つまるところ、分かりやすく軽々しく口にできる賛成だの反対だのは概ね耳を貸すに値しない。

これらを取り除いた上で、彼が何を行い、何を怠ったのか、何を為し、何を為さなかったのかが、語られると良いと思います。

<おわり>

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