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サンタクロースはどこにいる

良い子の皆さん。今年も例年通り皆さんの家にはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれただろうか。えっ、今年も来た?それは良かった。

では、ここからは大人の間の話なので、小さなお子様は読まないで早く寝て欲しい。

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さて、大人の皆さん。子供がいなくなったところでちょっとお聞きしたい。皆さんは何歳までサンタクロースの存在を信じていただろうか。育った時代によって結構違うのではないかと思うが、私はかなり小さい頃にそのカラクリに気が付いてしまっていたような記憶がある。

なんせ西洋の話を日本に当てはめているので、私が子供だった時代には要所要所に無理があったのだ。

小さい頃は集合住宅、いわゆるアパートに住んでいた。サンタクロースは子供の寝ている間に煙突から入ってきてプレゼントを置いて帰るらしかったが、当家にはもちろん煙突なぞなかった。ある訳がない。煙の処理は台所の小さな換気扇の仕事だった。

その他に外のどこかに通じる通気窓のようなものはあったがとても小さくてしかも網がついており、ネズミでも通れないようなものだった。プレゼントの箱だけでもそこを通ることができないのは一目瞭然だった。

しかし、毎年クリスマスにはそこそこ良いプレゼントを頂くことができていた。朝起きると枕元に置いてあるのである。前の晩にサンタさんが来てくれたらしい。

もらえるものは何でも嬉しい。しかもちょうどその時欲しかったものである。最初のうちは何の疑問もなくありがたく受け取っていたのだと思う。

しかし、少し大きくなってくるとやはり前述の「煙突問題」が気になってくる。小さい頃から未解決の疑問である。そして嬉しいのでいつもあまり良く見ずに勢いよく破いて開けていた包装紙も、たまに地元のお店のロゴや日本語が書いてあることに気が付くことがあった。ある年には販売店のハンコが押された保証書が入っていたこともあった。サンタさんは外国に住んでいるはずではないか。プレゼントは途中で買ってくるのか?

そんな疑問がたまってきたある時、まず「煙突問題」について親に聞いてみたことがあった。すると「うちの場合は窓から入っているのではないかな」というようなあいまいな返事が返ってきた。だとすると新たに「未施錠問題」が発生しそうな感じがしたが、何かあまり質問を掘り下げると親を困らせるような気がして、疑問は自分の胸にしまっておく事にした。

また「欲しいものを心で念じるだけでは手に入らず、親を通じて宣言をした時だけそれが届く」というシステム設計にも薄々気がついていた。

思えば、その辺りの疑問を総合的に考えて、この頃に既にほぼその全容に気が付いていたのだろうと思う。小学校に入る頃ではないだろうか。

しかし同時に、「そんな事実を白日に晒しても誰も幸せにならない。またプレゼントの受領者である私にとっては一銭の得にもならない」とも感じていたのだろう。私はその後、その一切の疑問を胸に秘めたまま例年プレゼントを受け取りながら成長していったのだった。父さん、母さん、ありがとう。

そしていつの日か、自然とプレゼントは届かなくなった。

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「世間の皆さんはどうなのだろうか」と思い、少し調べてみるとこんな記事があった。やはりどこの国でも子供は結構早い時期にそんなカラクリに気づいているようだ。

日・米・英 比較!子どもは何歳でサンタさんが実在しないことを知るの?

子どもたちはかなり早い段階から、ファンタジーはファンタジー、現実の世界は現実の世界、と区別をつけていることがわかってきています。すでに4歳くらいになると、アニメのキャラクターが、実際には存在しないということにも気づいているのだとか。では、“サンタクロース”についてはどうなのでしょうか? ここで、日本、アメリカ、イギリスのデータを比較してみましょう。
それぞれの国で行われた調査によると、サンタさんの存在を信じていた年齢を「6歳まで」と答えた割合は、日本が約15%、アメリカが約17%。しかし、両国とも8歳までにその割合が急に上がり、半数弱の子が、サンタさんの存在に気づき始めることがわかっています。イギリスでは、すでに6歳までに30%強の子が、サンタさんの存在を信じていないというデータがあります。私たち親が思っている以上に、子どもたちの気づきは早いようです。

伸芽会記事より引用

まあ、「知らぬは両親ばかりなり」(急に笑点風)ということなのだろう。

しかも最近のネット社会を生きる子供は、なおさらいろんな事の裏側を知ってしまう機会があるだろう。だいたい、グーグルに「サンタクロース 親」などと入れて検索すると、「サンタさんの正体が親だとバレるきっかけと、その上手な切り返し方」というような赤裸々なページがヒットする。これを見たらどうしたって気づいちゃうだろう。

しかも、映画やドラマでもたまに、クリスマスに子供のためにプレゼントを買って帰った親がそれを枕元に置いて、口に指をあてて「シーッ」などと言いながら電気を消すシーンがある。昔は子供の夢を壊さないよう配慮してあまりそういうシーンを見なかった気がするが、最近はあまり気にされていないのではないだろうか。子供はきっとそんな場面を目にしてすべてを理解した上で記憶から消しているのではないか。

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しかし、このカーネルサンダースにも似た白髪のフィンランドのおじいちゃん、もともと「 セイント ニコラウス」という聖人がモデルとのことで、その「セイント・ニコラウス」のオランダ語読みの「シンタクラース」が元になり最終的に「サンタクロース」となったということである。

このサンタクロース、老若男女に愛されておりよくジョークのネタにもされている。最後に私の好きなジョークをご紹介したい。

ある男の子がサンタに「妹が欲しいので、今年は妹を届けてください」と手紙を書いた。
するとサンタから「じゃ、お母さんをこちらに送って下さい」と返事が来た。

One day, a little boy wrote to Santa Clause, "Please send me a sister."
Santa Clause wrote him back. 
"Ok, send me your mother."

そのジョークの原文

まあまあ程よい大人ネタですね。では皆様良いお年を。



(了)

本年はたくさんの皆様に記事を読んでいただき嬉しい一年でした。来年もよろしくお願いいたします!
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