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今日ときめいた言葉30ー「自分を粗末にする人は他人も粗末にする、自分にきちんと責任を持つ人は他人に対しても責任を持つ」

この言葉、ジャーナリストむのたけじ氏の言葉である。
(2023年3月10日付 朝日新聞 鷲田清一「折々のことば」から)

鷲田氏は、むのたけじ氏の言葉をさらに以下のように続ける。

「犠牲を払ってやっているという意識にはどこか、こっちの持ち出しだという、人を蔑ろ(ないがしろ)にするような意識が含まれている。ボランティアも、それが誰かに意味があるのは自分にとって意味があるからである。自分を粗末にする人は他人も粗末にする、自分にきちんと責任を持つ人は他人に対しても責任を持つ」(「老記者の伝言」(聞き手・木瀬公ニ)

またしても「痛い」言葉に出会ってしまった。冷や水を浴びせられたような気分だ。ついこの間「書くのが怖くなった」と書いたばかりなのに、今の自分はすでに慢心している。

こんな言葉に出会うたび、一体自分はこれだけの気構えを持って他者と向き合っているだろうかと自問する。でも、すぐにそんなことを忘れて安易に生きる自分に戻っていることに気づく。そんなことの繰り返しだ。

きっと変わることなく自分の人生を閉じるのだと思う。私には、求道者のようにストイックに自分を律して生きる勇気も気力もない。「他人に対して責任を持つ」などということは、私にはとても重いことのように思えてしまう。だから他者と深く関わることを避けてしまう。

その方が自分を見失わずに、正直に生きられるような気がする。他者との距離をたもっている方が、「他者も自分も粗末」にしないで済むような気がしている。



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