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今日ときめいた言葉116ー「何歳になっても、子どもと同じようなやり方で新しい言語を習得することは可能だ」

         (タイトル写真はWikipediaから転載)

2024年2月5日付朝日新聞によると、何歳になっても言語習得は可能だそうだ。

言語学では、「言語を自然に習得できるのは、一定の年齢(臨界期)までだ」という仮説があるそうだが、東京大学の行った実験で、その仮説は正しくないことが示されたという。

実験は、日本語が母語で、英語の習得経験がある14〜26歳の男女31人にカザフスタンで使われているカザフ語を学習させ、その際脳のどの部位が活動しているかをMRIで測定するというもの。生まれた子どもが自然に言葉を覚える「自然習得」に近い状況で、文法のルールは教えず、複雑な構造の文章を繰り返し聞かせて、文法的に正しいか否かを示す。

その後文法的な正誤を答えるテストを実施する。これを数日かけて学習とテストを繰り返した結果、カザフ語の理解が進むにつれ脳の「左下前頭回の背側部」が活発になっていることがわかったという。

赤くなっている部位が「左下前頭回の背側部」

この部位は、「文法中枢」とも呼ばれ、母語や第二言語の取得に関わっていることがわかっている。このことは、大人であっても、母語と同じメカニズムで新たな言語を取得できる可能性を示している。

実験を行った酒井邦嘉教授は、

「ヒトの脳には、聞いた言葉から規則性を見出す機能が備わっており、新たな言語を学ぶ際は、文字や文法から入るのではなく、音に繰り返し触れることが大切だ」と指摘している。また、

「多言語を習得することで、次の言語の取得が容易になることが科学的にはっきりした」と話している。

以下は、上記研究発表が掲載されている東京大学のサイト:

追記

いつでもどこでも思い立ったら言語は習得できる、年齢に関わらず。すごくうれしい情報である。だが、はて?
私の場合はどうだろう?確かに今まで興味と必要に迫られていくつかの第3言語を学んだ。

数えてみても、英語の他に、フランス語、スワヒリ語、マレー語、ポルトガル語、スペイン語、最後はミャンマー語まで。でも現在それらの言語は私の中でどうなっているのだろうか。全くその痕跡をとどめていない。あんなに一生懸命に学んだのに。

言語は何歳になっても習得できるのだろうが、消えてしまうのも早い(私の体験)
年齢が上がれば上がるほどその速さは加速するのではないだろうか。次は学んだ言語がどのくらい脳の中に留まるのかの実験をして欲しい。
(昔、オーストラリアの大学が行ったという調査で、「オーストラリアに移住して習得した英語は、その移民の年齢が上がるにつれて、彼らの母語に切り替わっていく」という報告を読んだことがある)

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