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今日ときめいた言葉ではなく、人物53ー「善意の人」


「今日ときめいた」わけではなく、もう40年以上そう感じている。その人は、イーオットの姉、つまり私の義姉である。何も私だけがそう感じているのではない。

彼女の3歳の孫は彼女が大好きで、毎日だって遊びに行きたがる。まさに「人間は感情で動く」である。孫は本能的に「彼女がいい人」だと感じ取っているのだ。

3歳の孫だけではない。17歳の孫も彼女の家に住み着いている。自分の家にいるより彼女の家にいる方が長いのでは?よほど居心地がいいのだろう。

それは、彼女のホスピタリティ👍

いつ行っても歓待してくれる。おいしいコーヒーを入れてくれて、いろんなお菓子を気前よく出してもてなしてくれる。予告しておけば、手作りケーキまで作っていてくれる。それが絶品なのだ。その辺のケーキ店のケーキなんかよりずーっとおいしい。お店を出したらと勧めている。

帰りには、たくさんのお土産。「これ持ってく?」とあっちこっちからいろいろ持ち出してくる。ほとんどが彼女の手作り。大瓶に入ったいちごジャム、マーマレイド、冷凍保存してあったほうれん草のカレー(ほうれん草は彼女の夫が栽培したもの)、ニンニクの醤油漬け。せっかく作った物だろうに、惜しげもなく持たせてくれる。

何よりうれしいのは彼女の夫の育てた野菜。朝わざわざ畑に行って、取ってきてくれる。膨大な量の新鮮取り立て野菜は、スーパーの物などと違って本当においしい(感謝の一言)

ここまで書いてきて彼女のイメージが少し湧いただろうか?彼女?

超おしゃべりで、一人でしゃべっている感じ。ハッピを着て鉢巻きをして「テヤンデー」と啖呵を切る感じ。でも彼女に言わせると、それは「私」のことらしく、決まって「私には『店長出せ〜』なんてとても言えない」と言うのだ。

一度デンキの量販店でラチの開かない店員に、

「店長さんとお話しさせていただけますか」

と言ったのが、こんな風に伝わったのだ(私の二女などそばで見ていて「お母さんすごい。ビジネスウーマンだね」と感心してくれたのに」🥹)

これじゃ、まるでヤクザのヤーさんみたいじゃないの。なにかと言えば、私の「毒舌」ぶりを持ち出す。ま、否定はしないけど。彼女だって同じことやってるんだよ。

私の免許更新に付き合ってくれて、警察署に車で連れて行ってくれた時のこと。
用が済んで出ようとしたら、一台の車がブロックするように停めていた。その車の持ち主が戻ってきた時、やおら車の窓を開けて、

「どこに停めてんのよ〜」

と叫んだのだ。とっさにヤバイと身の危険を感じ身構えた。でも、「ここは警察だから」と気を取り直したけど。冷や汗もんだ。彼女の家族にも経験があるらしい。それも一度や二度ではないようだ。助手席に座っていた息子は窓から見えないように、体をずらしたと言っていたくらいだから。家族の口癖は、

「いつか刺される😱」だ。正義の人でもあるのだ。

彼女が結婚する時、私の義父つまり彼女のお父さんが彼女の夫に「娘を嫁にもらってくれてありがとうございます」と謝意を述べた話は身内でも有名な話だ。ここだけの話だが、義母つまり彼女のお母さんも彼女のことは案じていた。

ちびまる子ちゃんとお母さんの話ではないが(今日ときめいた言葉44 & 48)、娘と母親とは「ハリネズミ」のような関係なのかもしれない。お互い思い合っているのに近づくとついやり合ってしまう、みたいな。

でも、確かに「善意の人」であることは彼女の長いボランティア活動が証明している。心身に障害のある子供のお迎えをその子が卒業するまでやっていた。毎日駅に迎えに行っていたその子が成長して再会した時は、感無量だったそうだ。

傾聴ボランティアや朗読吹き込みもやっていた。朗読はかなり際どい性描写のある本を希望された時はちょっと大変だったらしいけど(笑)

学童保育のおばさんも長いことやっていた。知的障害のある子の担当だったようだ。話を聞いただけで、私などにはできそうもない仕事だと思った。彼女の働き方は学童保育スタッフから高く評価されていたのだろう。雇用年齢制限が来た時は、学童側が手を尽くして延長したようだ。辞めた後も学童の子が彼女を慕って遊びに来ていた。

彼女の善意は天性のものだと思う。結構涙もろくて、怒ると”あのように”こわい、でも誰にでも手を差し伸べる情に厚い人だ。我が家がバブル崩壊による夫の給料削減と教育貧乏であえいでいた時、3人の娘たちに毎年きちっとお年玉をくれた。お年玉が少ないと娘たちに文句を言われていた時代、どんなに救われたことか。感謝しかない。




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