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生きづらさや苦しさのヒント『どうして男はそうなんだろうか会議/澁谷知美・清田隆之』

読書マガジンは久しぶりの投稿である。
今回読んだのは『どうして男はそうなんだろうか会議 ─いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』である。ジェンダーや男性のセクシュアリティの研究をしてきた澁谷知美さんと恋バナユニット「桃山商事」の清田隆之さんである。
私は清田隆之さんの著書を読んだことが何回かあって、この本も編者のうちの一人が彼であったことが読むきっかけであった。

「非モテ」の苦しみ、マウント合戦、男のカラダ、男性優位社会…。6人のゲストと語り合って見えてきた、男たちの「現在」と「これから」!

筑摩書房

男性の「被害者性」と「加害者性」の両方の点から6名のゲスト(うち1名は共編者の清田隆之さん)を招いてそれぞれの分野から会議をしていくという本である。
できるだけ多くの人に興味を持ってもらいたいので目次も引用します。

第1章 「男子バキバキ脳」からの脱却―「自分の身体はこういうものを喜ぶ」を知ろう/ゲスト:清田隆之さん
第2章 「非モテ」の諸相と、「これから」のこと―自己否定でも開き直りでもなく自分を「開く」語りの可能性/ゲスト:西井開さん
第3章 男性性と暴力―コミュニケーションに潜む加害と被害の両面から考える/ゲスト:中村正さん
第4章 男性が乱用しがちな「構造的な優位」とは?―その「優位」を利用しない手立てを考えよう/ゲスト:平山亮さん
第5章 「誰でも差別し得る」という出発点―「男性中心社会」日本と性的マイノリティ/ゲスト:前川直哉さん
第6章 すぐそこにあるマチズモ―あの手この手で「マッチョ連合」を突き崩せ!/ゲスト:武田砂鉄さん

筑摩書房

第1章から第6章までいずれも読んでいて、思い出してしまう人や出来事があって自分のなかにあった。女である私がここまで身近な問題だと感じるのだから当事者である男性はより深く実感するところがあるのではなかろうか。男性についての本だからこそ男性に読んでほしい。自分が苦しいとか生きづらいと感じているのは男性中心社会の犠牲になっているからなのではないか。
ジェンダーとかフェミニズムとか聞いてしまうと尻込みをしてしまったり、どこか責められているような気持ちになってしまう人も多いのではないかと思う。
でも実際に苦しさの原因となっているものは何なのか。何によって自分が傷ついて、怒りや悲しみを抱えてきたのか。それを知るヒントがたくさん書かれている。


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