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わくわくに必要な3要素

明日くたばるかもしれないんだから、わくわくすることをやろう。
どうして今すぐやらないの?

1日1日を大切に生きようと言いたいのはわかる。
でも、だったら、はじめからそう言えばいい。


明日も無事に生きている保証なんてどこにもないわけだから、今すぐ仕事辞めて、楽しいこと、やりたいことをやるぞ。

じゃあ有り金をぜんぶ使って、行ってみたかった地球の裏側の、海のきれいな島に行こう!航空券取っちゃえ!

…こうなったらただの自暴自棄である。


フィリピンに旅したときのことだ。
泊まったゲストハウスのオーナーは60歳すぎぐらいだったか。
恰幅のいいノルウェー人のおじさんだった。

ノルウェーでは仕事漬けの毎日で、たしかにお金は貯まったけれど、お金を使う時間のゆとりがまったくなかったのだと。
余暇どころか家族との時間もとれず「こんな人生で幸せなんだろうか」と疑問に思い、仕事をやめてフィリピンでゲストハウスを始めたのだと。

こういうのが「わくわくすることの適切なやり方」だと思う。


わくわくするには、お金と時間と健康のすべて、またはどれか2つぐらいは必要じゃないか。

ゲストハウスのおじさんは、お金と健康があった。
心も蝕まれすぎていたらわくわくなんてできやしない。
おじさんはたぶん、わくわくを感じられる程度には心が元気だったはずだ。
そして体も健康だったから、北欧のノルウェーから気候も人々のライフスタイルもまったく異なる東南アジアのフィリピンによっこらしょとやって来ることができたんだ。

お金はいうまでもない。
ノルウェーにいるあいだに一生暮らしてもあまるぐらいのお金を稼いできたんだろう。フィリピンはノルウェーにくらべて物価も安いし。
ゲストハウスを買うにしろ建てるにしろ財布に余裕はじゅうぶんあるはずだし、宿泊料で収入も入る。
当時日本円で3,000円ぐらいだったはずだから、1人泊まれば1日の生活費ぐらいにはなるんじゃないか。(知らんけど)


お金と時間があっても、さっきもいったように、不健康だったらわくわくなんてできない。
別にわたしはお金持ちではないが、もしなにかあったときには実家に帰れば家賃だって食費だって水道光熱費だって支払わないで生きていける。(その場合もちろん親に頭は下げる)
働かなくても生活はできるだろう。つまり時間もあるとする。
でもそのとき健康ではなかったら。

わたしがコロナ禍で無職になってしまったことは前にも書いた。
事実、そのときのメンタルといったらひどかった。
企業の正社員として働いているまわりの知り合い・友人は失職することなく働き続けている。
職を探そうにも、求人なんてほとんどない。
わくわくだとか楽しいこととか、そんな方向にはぴくりとも気持ちは向かない。
懐中電灯も持たないで無人島の洞窟にほうりこまれたような心細さと、不安と、恐怖しかなかった。


時間と健康があって、お金がなかったら?
「お金がない」のレベルにもよるけれど、食べていけていないならまず、どうにか食い扶持を稼ぐことを最優先に考えるだろう。
世界一周したいとか、高級リゾートでぜいたくざんまいとか、それはもしかしたら「わくわく」するかもしれないが、どちらかというと遠い遠い夢のように感じるのではないか。
いやそもそもそんなこと考えている余裕がないかもしれない。


迷ったらわくわくするほうを選べ
ともよく見聞きするけれども、これだって難しいよ。

わくわくするほうを選びたくても、その前に直面している問題をクリアすることのほうが優先かもしれないじゃない。

きちんと治療すれば治るけれども、今無理したら選手生命を絶たれるかもしれないケガをしているスポーツ選手がいるとして。
来月の大きな大会に出ることがわくわくするかもしれないよ。
でもその前にケガ治すべきだと思うのよ。
それでも無理を押して出場するみたいな話はスラムダンクにもあったし、現実にもよくある話なのかもしれない。
それに「わくわく」よりも「使命感」のほうが強いのかもしれない。
そこまでくるともう、なんともいえないけれど。


こういうことをいうと「完璧な準備なんてない。準備だけで人生が終わる」とか誰かからツッコまれそうだが、それでもわたしは思う。
お金・時間・健康はある程度必要。

人によって「ある程度」がどの程度かは違うだろう。
やりたいことをやるのに必要なお金・時間・体力は違うはずだから。
でもどっちみち、準備は必要なんだ。


今わくわくできないあなたも、自分を責める必要はないと思うし、おかしなことではまったくないと思う。
だったら、それこそ今という時間を大切にして、お金を貯めながら、元気がないなら回復に努めればいいんじゃないかな。

わくわくすることはそのうち見つかるよ、なんて無神経なことはいえない。
でも今を大切に生きることだって容易じゃないんだから。
そこから始めてみたらいいと思う。


今日も読んでくれてありがとうございました。
明日はどう生きようか。

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