見出し画像

CIRCULATION KYOTOで考えた「振り継ぎ」の今後について。


書こう書こうと思っているあいだに3月の最終発表から2ヶ月がすぎてしまい、どこから書きはじめたら良いのかわからなくなってしまいましたが・・少しずつ「振り継ぎ」を分解していきたいと思います。


昨年6月から3月まで参加していた、あたらしいローカルメディアをつくるプロジェクト「CIRCULATION KYOTO」。

わたしが所属していた北区チームのアイデアについて、詳しくは8月のプレゼンを終えた際に備忘録として書いたこちらを読んでいただけると嬉しいです。

(※本記事に掲載しているすてきなお写真たちは、北区チーム・岡安いつ美さんに撮影いただきました。)

また、3月の各チームの発表やプロジェクト全体の意図に関しましては、こちらをご一読いただけたらと思います。


北区チームのみんなで考えた「振り継ぎ」。

メディアの特性上、やりながらいろんな人たちと考え・進めていくのがいいんだろうなぁと思っているのですが、それぞれが忙しいのと、北区に母体を構える組織がないなかで 進めていくだけのマンパワーが足りないこともあり、現在はすこし熟成中です(笑)。

ローカルメディアをつくる上で、やっぱりその地域に深く関われる人が必要不可欠ですもんね。決して、誰か一人が量産できるものではないと思うので。


とはいえ、10ヶ月ほどかけて考えてきた「振り継ぎ」を、高校や大学の授業の一環として、もしくは地域活動やローカルラジオのコンテンツとしてご一緒できないか、もう少ししたら(落ち着いたら)ご相談させていただきたいなと思っています。


このメディアを考えていくプロセス、あるいはこれまでの生活のなかでひそかに考えていたことがありました。

・人がモノを手放せないのは、そのモノではなく「思い出」ではないか
・暮らしているまちで承認される体験が、地域愛につながるのではないか

当たり前といえば当たり前のことなのですが、もし価値観が近しい人たちが集まるチームなら、今回のプロジェクトでちょっと確かめてみたいなと思っていました。


それに加えて、認知症がゆるやかに進んでいる祖母との日々で「忘れること」「忘れられること」について考える機会が増えたこともありました。

忘れずにいようと必死なこと、忘れた自分を正当化しようと自分自身と闘っていること。

それから、祖母がなんどもなんども言葉で伝えようとするのは、もちろん話したことも忘れているのだけど、後世に残す手段が口頭しかないこと(字は書けるのですが、字を書くことを昔から嫌がります。)もあるのではないかと思っていて。

余談ですが、いまはSNSやnoteなど、オンライン上に何でものこせる・のこってしまう時代ですから、あまり「のこす」ということに執着がないのかもしれません。


また、わたし自身が地域に関わる仕事をしていることもあり、少子高齢化や過疎化が進んでいる地域で、ひとりで暮らす高齢者のことは常にあたまの片隅にありました。

極端な話になってしまうかもしれませんが、どれだけ年を重ねていたとしても、最期を独りで迎えるのはやっぱりさみしいと思うんです。「ひとり」であることがさみしいというよりも、なんて言ったらいいのでしょうか、「自分がここに生きた証」みたいなものは、どんなかたちであれ後世に存在していてほしいんじゃないかなと。


「人はいつ死ぬと思う…?」
「…人に忘れられた時さ…!」

これは、漫画「ONE PIECE」でDr.ヒルルクが死ぬ間際に放つことばです。わざわざ「覚えていてね」なんて言うのもなんだけど、どんな人であっても忘れられるのはきっとさみしいと思うから。


すこし話が散らかってしまいましたが、自分が今回「CIRCULATION KYOTO」で新たなローカルメディアを考えるにあたって、そんなことが前提としてあったのではないかと思います。

−−「振り継ぎ」を通して、何を仕入れて、何を継いでいくのか。

発表を終えたあとにいただいたコメントで、モノやエピソードを引き継ぐこと、過去や未来の自分(と見立てた相手)との間接的にコミュニケーションを交わすことによって、この地で “あり得たかもしれない” もうひとつの人生を想像することのおもしろさや、地域コミュニティに所属する新しいあり方として「振り継ぎ」は機能するのではないかというお話がありました。

はっきりとした明確なかたちを持たない、漂うようなこのローカルメディアには、すこしアートプロジェクトのような要素も含まれていると思います。

なので、システム化するのがちょっとむずかしかったです。

「振り継ぎ」をかたちづくる上で、貴重なお話を聞かせてくださった小林さん、インタビューや記事づくりについてアドバイスくださった上條さん、この度はありがとうございました!

また、一緒にいろんな角度から「振り継ぎ」を考えてくださった榊原さん、ロゴづくりを手伝ってくださった加藤さん、マニュアルづくりでたくさんお世話になった影山さん、そのほかにもお話を伺ったり、一緒に考えてくださった北区のみなさん、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。


このプロジェクトには、「二十歳のわたし」「還暦の私」に焦点を当て、お互いに想像することのおもしろさがあるなぁと感じていますので、そういった部分を大切にしながら、「振り継ぎ」をもう少し動けるかたちにしていきたいなと思います。

3月末にチームでひとまずのおつかれ様会をしたのですが、気がつけば最後まで、手放せないモノに秘められた「エピソード」の価値や、銭湯や商店街などの昔ながらのまち並み、どんなモノを引き継げたらおもしろいプロジェクトになりそうかなどを自然に話していて、本当に集まるべくして集まったメンバーなんだなと思いました。

それぞれが忙しいだけでなく、就職や転職、引っ越しなどで活動拠点が変わってしまったこともあるのですが、すこし先の未来でまた一緒に動けるタイミングがあったらいいなと思っています。

もし、北区でご興味のある方やご一緒できそうな方がおられましたら、ぜひ一度お声がけいただけると嬉しいです!



実は、3月の発表の日に亀岡から知り合いが来ていたみたいで、「振り継ぎ」に興味をもってくれまして。近い未来に地元でも、そんなエピソードのつなぎ合わせができたらおもしろいねと話していました。

ということで、もう少しだけ「振り継ぎ」を寝かしてみたいと思います。


いただいたサポートは、より良い文章をかけるように有料noteや本の購入にあてさせていただきたいと思います◎