「あなたがお母さんを愛しているということ」。
よく執着について考える。
数年前の診察で「母はあれをしてくれたことも、これをしてくれたことも覚えていない。わたしは覚えているのに」と話したことがある。もちろん俎上に載せるのはこのときだけではなかったが、おおきな話題のひとつとして話した。
例えば何かを買ってくれたことも、わたしはこれは「お母さんが買ってくれたもの」と覚えているが、母は「そんなもの買ったっけ?」という感じ。それこそ30代にもなったいい年齢の女がおもうことではないのだが、そうやって、わたしは母に大切にされたという記