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病めるときも健やかなるときも、男は常に一緒にいてくれるとは限らないが、少なくとも本はいつもあなたのそばにある

そんなタイトルで本を紹介したい気分。
6月は雨やら低気圧やらでただでさえダルイなと思うのに、ジューンブライドにプロポーズの日にと、結婚にまつわる色んな言葉もついて回って余計にしんどく感じる方もいると思う。というか、私がそうだし。
そんな身体はだるいのに心がざわついて仕方ないという方向けに、優しい本をまとめてみたよ。

今回は韓国の詩集とエッセイ集に絞って選んでみた。最近、どういう事情なのかは分からないけれど、韓国のベストセラーが続々と翻訳されていて、その内容がどれも恋愛に、人生に躓きかけて傷ついている人向けに書かれた優しいものだから。お疲れの皆、眠れない夜のお伴にしてね。

『すべての瞬間が君だった』ハ・テワン

テワンさんはきっとこの世で一番繊細で傷つきやすい人なのかもしれない、と思うくらいに日々の小さな喜びが丁寧に、美しくて、優しい言葉で綴られている。

”僕は君にとって手触りのいい毛布のような存在でありたいんだ”
って一文を読んだとき、この世にこんなに優しい人がいるんだって胸が詰まるくらいに嬉しくて泣きそうになったのを覚えている。
一言でいうならエモいと言われてしまうのだろうけど、意図的に飾りたくった言葉の使い方は一切ないから心に染みるのかもね。私にとっては、この本が”手触りのいい毛布のような存在”なのかもしれないや。

『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン

著者は、社会人やりながら細々とイラストレーターをしていたけれど40歳を目の前にして脱サラした男性なのだけれど、実はギャルなんじゃないかと私は密かに勘ぐっている。
というのも、ワンさんの心の叫びにあたる部分のフォントが、本当にひと昔前のギャル字のようで。そのせいで妙に親近感を覚えてしまうから。
そんな字で
”やる気の根底には愛情がある。”
なんて書かれたら、もうギャルじゃん!と思わず声に出しちゃいます。

ギャルって、自分はこれが好きだからこれをする!こんな格好をするっていうマインドセットだと私は思うから、ワンさんはきっと韓国のギャルなんじゃないかな。
年齢も性別も関係のないギャルマインド、読んでると元気になる。

『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』クルベウ

今回紹介する中では1番地に足がついていて、いうなら、仕事終わりにとっても信頼できる先輩にコーヒーを飲みながら人生相談をしているような気分になる。

”今あなたがつらいのは、やる気が起こらないからじゃなくて、この先も変わらないように見えるからよね”
”未来が今と変わらないなんてことはないわ。まったく同じ日はないの”
”だから今日は無気力でも大丈夫”
”毎日を生きる中で無気力になったのだとしたら、それはたぶんあなたが持てる力のすべてを使ったということよ”

諭す、って言葉が似合う文章だと思う。読むと猫背を直してまた明日にちゃんと向き合ってみようって思える。

『死にたいけどトッポッキは食べたい』ペク・セヒ

心療内科に通うOLさんが医師とのカウンセリングの内容をまとめた一冊。
内容はただただカウンセリングで話したこと。

対話だから始まりも終わりも、いってしまえば内容もないんだけど、人って誰かの内面を観たくなる時あるじゃない?匿名の名前しかしらないブログを定期的に覗いちゃったりするときあるよね。そういう人はこの本読んでて楽しいと思う。

親友のことは好きなのに、こういう部分を疎ましく思ってしまって、そんな自分が嫌で、自己否定からこの1週間は憂鬱だった、とぼそぼそとしゃべる主人公のOLさんにあーわかるよーと私は漏らしたくなってしまう。
皆、どこかしらに生きづらさを抱えてるんだよね。たぶん。


きっと夏になったら少しは元気になるから、今日くらいはセンチメンタルな気分に浸ってもいいと思うよ。誰も責めないから。

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