アンナ ブラック

画家を目指す看護師です。 楽譜のような美しい絵を描くべく、日々修行中。 主に音楽からイ…

アンナ ブラック

画家を目指す看護師です。 楽譜のような美しい絵を描くべく、日々修行中。 主に音楽からインスピレーションを受けた絵を描いています。

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音を描いて

楽譜みたいな絵を描きたい! 私の思いは、その一言につきます。 白と黒、たった2色しか使われていないのに、なぜこんなにも美しいのか。 特に、自筆譜の美しさと言ったら、もう言葉に表せません。 どうすれば、楽譜のような美しい絵が描けるのか日々模索しております。 音楽と絵に関する私の日常をnoteに描いていきます。

    • アントワン・タメスティ&藤田真央 デュオコンサート 【ポリーニを思い出した日】

      アントワン・タメスティさんと藤田真央さんのデュオ演奏を聴きに、大阪のいずみホールへ行ってきました。 私、実は大阪生まれ。 帰省も兼ねての演奏会でしたが、クラシック音楽に興味を持ったのは上京後なので、いずみホールは今回が初めてでした。 入場後そんなに広い会場だと思わなかったのですが、実は821席もあることを開演の待ち時間で知る。 そして毎度のことですが、会場に入ってすぐホールの響きをチェック。近くにいる方、遠くにいる方、色んな方々の話し声や物音で音の響きをざっくり把握してお

      • ルドルフ・ブッフビンダー ピアノリサイタル【いざ、東京春音楽祭へ!】

        現在、東京 上野は絶賛音楽祭中であります。 初参加の私はこの日を心待ちにしていました。 な、なんと… 1週間毎日、ブッフビンダーがベートーヴェンのソナタを全曲演奏するのですよ! こんな贅沢がありますか… しかも、会場は東京文化会館。 東京文化会館は、私の尊敬している写真家 木之下晃さんともゆかりのある伝統的な場所。 そんな場所でブッフビンダーの音が聴けるなんて、文章を書いているだけで泣けてきます。 私が初めてブッフビンダーの音を聴いたのは、マックス・リヒター作曲のアントン・

        • クラシック音楽写真家 木之下晃【音の静寂を知る】

          私が大尊敬している、写真家 木之下晃さん。 待ちに待った彼の作品展が、神奈川県大和市のシリウスで開催されていました。 見るたびに新しい学びがある、晃さんの写真。 そんな晃さんの写真は「音楽が聴こえる」ことで有名です。もちろん、実際には写真から音なんて鳴らないのだけど。名だたる音楽家達にそう言わしめるほど、晃さんはファインダー越しに音を捉えるのが上手い。 作品鑑賞する私達をまるで演奏会に来たような気持ちにさせてくれる晃さんの作品。 今までは当然ホールに鳴り響く音、つまり「音の

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        • note クラシック音楽の普遍化を達成する
          1,200本

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          ルービンシュタイン×ベラスケスで見るラヴェルの秘密

          今年も早2ヶ月が過ぎました。 そんな2月、私は超過密スケジュール。 演奏会には行けそうになく…大好きなピアニスト達の録音で癒される日々になりそう。 今日はその中から、アルトゥール・ルービンシュタインをご紹介したいと思います。 実は初めて彼の音を聴いた時、あまりピンときませんでした。とってもお上手なんだけど、全然絵が浮かんで来なくて。 だけどある日、改めて何気なく聴いたショパンの演奏で大好きなピアニストの1人に。英雄ポロネーズだったのですが、本当に英雄そのものだったのです。 と

          ルービンシュタイン×ベラスケスで見るラヴェルの秘密

          イーヴォ・ポゴレリチ ピアノリサイタル【オレンジ色の答えを探して】

          久々の演奏会に行って参りました! 2024年、記念すべき演奏会始めに選んだのはこのお方…イーヴォ・ポゴレリチです!! 彼の音を初めて知ったのは、何気なく聴いたショパンの録音。サブスクでたまたま1番上に出てきたショパンの24の前奏曲のアルバムだったのですが、とっても色を感じる音でした。 ピアニストの音から感じる印象って本当に様々で。現代美術的だったり、風景画的だったり、音の模様や形の印象が強めだったり。 ポゴレリチは色の印象が強いピアニスト。初めて録音で聴いた時、パッと浮かんだ

          イーヴォ・ポゴレリチ ピアノリサイタル【オレンジ色の答えを探して】

          未完の完【ダヴィンチのカルトンに想い馳せ】

          遅ばせながら、明けましておめでとうございます。 2024年を迎える前に、制作中の絵を何とか一枚仕上げました。仕上げたと言うより、仕上がってしまったと言った方が正しいかもしれません。 と言うのも、その作品。 自分的にはまだまだ未完成だと思っていたのですが、ひとまず年内に一度、師事している先生に経過を見ていただこうと思って持って行ったらあっさりOKが出てしまったと言う、何とも呆気ない終わりを迎えた作品だからです。 先生から「悪くないよ。この辺でやめといていいんじゃない?」と言われ

          未完の完【ダヴィンチのカルトンに想い馳せ】

          フリードリヒ・グルダ【音で描く現代美術】

          夏から演奏会に画材にと惜しみない愛を注いできた私。 しばらく演奏会巡りはお休みです。画材もなるべく、今あるもので工夫して制作しています。 生音もいいですが、それは今生きている音楽家に限定されたものなので。だからこそ、毎年1つ1つの演奏会が貴重ではあるのですが、録音でしか聴くことのできない音楽家たちの音は、こういった、私の演奏会巡りが落ち着いた頃にどっぷり浸ることにしています。(金欠なだけでしょと言うツッコミはご遠慮下さい) 現在制作しようと企んでいるのは、フリードリヒ・グル

          フリードリヒ・グルダ【音で描く現代美術】

          クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル【凍てつく美音に魅せられて】

          少し早いですが、今年のコンサート納めに行ってきました。年内最後の公演に選んだのは、クリスチャン・ツィメルマンのピアノリサイタルです。 会場は、所沢市民文化センターミューズ アークホール。 実はこのホール、私にとっていわくつき。 初めて訪れた公演が藤田真央さんとロッテルダムフィルのコンチェルトだったのですが、オーケストラがフォルテを出すたびに出入口の扉が震えてガタガタ言うので全然集中できないし、第二バイオリンの方が演奏中に弓を落とすと言う…時差ボケでお疲れだったのかな?藤田さん

          クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル【凍てつく美音に魅せられて】

          ピエール•ロラン・エマール ピアノリサイタル【音の水輪、広がる】

          先日、東京で久しぶりに雨が降りました。 雨が降ると決まって、ピエール・ロラン・エマールの音が聴きたくなります。 今回は、そんなエマールの公演に行く機会があり、彼の生演奏を初めて聴いてきました。 会場は銀座のヤマハホール。 私、5年以上一度も銀座に足を踏み入れていなかったのに、この数週間で三度も銀座にきています。 一度目は自分の演奏。二度目はアファナシエフのリサイタル。そして、三度目がこのエマールのリサイタル。 実は、これだけ熱くクラシック音楽とピアノについて語っておきながら、

          ピエール•ロラン・エマール ピアノリサイタル【音の水輪、広がる】

          ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル【マエストロからホンモノの芸術を学ぶ】

          11月30日、奇跡的に入手できたアファナシエフの公演に行ってきました。 この公演、私が参加できたのは11月30日の東京公演のみ。他の公演は予定が合いませんでした。 普段なら即決でチケットを取るのですが、ここで問題が発生。 なんと、当日はカツァリスの公演もあると言うではありませんか!! 日にち、時間、全て丸被り。 生まれて初めて「自分が2人いたらなぁ」なんて考えましたよ… もう、究極の選択。 グズグズ悩んでいるうちにチケットが完売してしまい、結局どちらのチケットも買うことができ

          ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル【マエストロからホンモノの芸術を学ぶ】

          画家 ジョルジュ ルオーとショパンと私の意外な共通点

          私が世界で1番好きな曲。 それは、ショパンの即興曲第三番です。 大好きすぎて、一日中無限ループでこの曲を聴いている時があるほど。 何度聴いても飽きないし、聴くほど好きになる。 この曲は、ショパンの生徒でパトロンでもあった、エステルハージ伯爵夫人に献呈されました。 私はお気に入りの音楽ができた時、必ず誰に献呈されたかを確認します。 誰に献呈されたかは、その曲がいい曲であることの次に重視する程、私にとって大切。 どういった経緯で、なぜその人に献呈されたのか、当時の作曲家に思いを

          画家 ジョルジュ ルオーとショパンと私の意外な共通点

          藤田真央【円と線で紡ぐ音②】

          前回から約3週間ぶりの、藤田真央さんピアノリサイタル。 場所は、札幌コンサートホールKitara。 前回の公演は何だか考え事が多くて…私の耳がついて行けてなかったよう。 普段なら公演の帰宅後、すぐに絵を描き始めるのですが、そんな気分にもなれず、何となく習作を描く程度でとどまっていました。 あと、もう一つ。 前回の公演期間は、まだシフの音の描き始め段階だったんですよね。 私、異なる演奏者の音を同時進行で描くのが苦手みたいで… 以前、ベネデッティ ミケランジェリのショパンを制作中

          藤田真央【円と線で紡ぐ音②】

          藤田真央【円と線で紡ぐ音①】

          シフの音の制作途中ではありますが… 約3ヶ月ぶりに、藤田真央さんの音に再会してきました。 場所は越谷サンシティーホール。 このコンサート、チケットを取るのが本当に難しくて。だけど、どうしても聴きたかったので、予約当日に朝から電話200回かけて意地で取りました。 予約電話の繋がらないこと、繋がらないこと… さすが、藤田さんの人気は凄まじいです。 そんな、久しぶりの真央サウンド。 ショパンのポロネーズ集だったのですが、一音目を聴いた瞬間「音が変わった?」と思いました。 以前も藤

          藤田真央【円と線で紡ぐ音①】

          写真家 木之下晃とモノクロの世界

          写真家 木之下晃。 主にクラシック音楽の写真家として活躍した、偉大な写真家であり私の師匠。 師匠と言っても、会ったことも話したこともなく、私が勝手に師匠と呼んでいるだけなのですが。 だけど、もし今もご健在であれば間違いなく弟子入りしていました。私が彼のことを知った時、すでに空へ旅立っていたので。なぜこんなに素晴らしい方の存在に、もっと早く気付けなかったのかと自分をとても責めました。 それぐらい木之下晃(以下、晃さんと呼ばせていただきます)は、私の人生を変えてくれた人。 まず

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          サー・アンドラーシュ・シフ【掌で生まれる大地の音】

          つい先日までプレトニョフの美音に浸っていた私ですが、今日はシフの音を聴きに、川崎までやってきました。 場所は、ミューザ川崎シンフォニーホール。 シフの音は初めてで、チケットを取る際、やはり席は凄く迷いました。 ですが、今回は思い切って2階席を確保。 理由は、シフの音は下に沈んで響くから。 たいてい音って鳴った瞬間、少なくともピアノより上に飛ぶ印象があるのですが、シフの音って下に沈む気がしています。 例えると、大木の根っこ。 地中に根(音)を張り、その根が曲の進行と同時にどん

          サー・アンドラーシュ・シフ【掌で生まれる大地の音】