アナスタシア

R3予備試験→R4司法試験に合格しました。

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R3予備試験→R4司法試験に合格しました。

最近の記事

76期二回試験最速振り返り

 たった今76期二回試験が終わりました。この記事は二回試験が終わって数時間後、忘れないうちに書き留めておく備忘録です。77期以降の方にとっても何かの参考になれば幸いです。 民事弁護出題:被告最終準備書面 枚数:27枚(19+8) 小問:執行保全、和解、倫理 直前に見たもの:はじめての和解条項  原告が契約不適合責任に基づく解除による原状回復請求をし、被告は ①契約の内容になっていない ②不適合はない ③不履行が軽微 ④566条の担保責任期間(1年)を過ぎている  と反論し

    • 予備試験合格から司法試験本番までの半年間で私がやったことの全て

       予備試験までの勉強法はこちらをご参照ください。 ①予備試験合格発表(2021.11.5)~年末(12.31) 昨年11月5日に予備試験に合格しました。しかし受かったはいいものの、この時点で司法試験の過去問はほぼ見たことがなく、もちろん2時間で解いたこともなく、何をすればいいのかまったく分かりませんでした。  翌11月6日に伊藤塾で「司法試験合格を誓い合う会」という会が開催されました(今年もあると思います)。前年の合格者2人が司法試験までにやった実際の勉強法を話すのですが、

      • 司法試験に向けて伊藤塾生が使った市販の参考書・演習書

         というわけで、書いてみたいと思います。  まず前提としてお伝えしておきますが、私はほぼ伊藤塾の基礎マスターと問研のみで予備試験に合格しました。かなり忠誠心の高い(?)塾生だったといえます。他の教材を使わなくても合格レベルまで持っていけると講師はよく言いますがこれはその通りだと思います。  その後司法試験までの半年間で勉強法を一から見直し、評判なども参考にしつついろいろと試行錯誤し、これなら問研の足りないところを補えるのではないかと思う教材を自分なりに揃えました。ここに挙

        • 予備試験論文直前期に「やらなければよかったこと」と「やればよかったこと」

           予備試験短答の合格発表から論文までわずか1ヶ月しかありません。この短い期間に何をやるかで合否が決まる、運命を分ける重要な1ヶ月です。  私が2021年の予備試験論文を受けた際、この1ヶ月の間に実際にやったこと、やらなければよかったこと、今思えばやればよかったことを書いてみたいと思います。 ①論文模試 私は時間内に答案を書いた経験がほとんどなかったので、焦って論文模試を3つも申し込みました。本番4週間前にLEC、3週間前に伊藤塾、2週間前に辰巳……。土日はすべて模試で埋ま

        76期二回試験最速振り返り

          労働法判例百選から重要判例を65に絞りました

           労働法判例百選(第10版)が2022年1月に発行され、第9版から10件の判例が削除され、11件の判例が追加されました。その中から特に重要な判例を65に絞って掲載します。  司法試験の出題要旨にて元ネタとしていることがはっきりと明示されている判例については、百選の番号の後に出題年度を付記しておきました。 関連記事Ⅰ 総論 1 個別的労働関係における労働者 3 集団的労働関係における労働者 4 集団的労働関係における使用者 Ⅱ 個別的労働関係法 (1)雇用関係の成立 9

          労働法判例百選から重要判例を65に絞りました

          最高の演習書「事例でわかる伝聞法則」の使い方

           刑事訴訟法の中でも特に伝聞法則について苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか。私もその一人です。何かいい本はないかと探していたところ「事例でわかる伝聞法則」という演習書の人気が高いことを知りました。前半は多数の短文事例が掲載され、後半は司法試験の過去問が紹介されています。170ページ程度とそれほど厚くないにもかかわらずこの一冊を読んだおかげでかなり頭の中が整理されました。  この本のいいところは司法試験の過去問(9年分)すべてに解答例がついていることです。市販の

          最高の演習書「事例でわかる伝聞法則」の使い方

          私の司法試験/予備試験選択科目の勉強法

          選択科目の心構え 選択科目を勉強するにあたって最も重要だと思っていることは「いかに勉強しないか」です。基本的な論点を確実に理解し、誰もが知っているところで点を取り、平均的な答案が書ければそれで十分なはずです。難しい知識を深追いして差をつけても仕方ないですし、時間をかけすぎて他教科に手が回らなかったら目も当てられません。そこで逆説的なようですが、「勉強しない箇所を決めるために勉強する」ことが私の中での選択科目の核心です。 >予備試験受験者の方  導入初年度なので過去問もなく不

          私の司法試験/予備試験選択科目の勉強法

          予備試験実務基礎科目で確実にAを取る攻略法

           私は得意だと思える科目が一つもなく基本7法についてはいまだに自信がありませんが、実務基礎だけは何が聞かれても大丈夫だと思っていました。過去問と同じようなことが毎年出題されるため、過去問にしっかり答えられるようにしておけば十分合格点が取れると分析していたからです。過去問さえ回していれば確実に点が取れ、かつ他の受験生があまり力を入れていない、これほどのボーナスステージはありません。 民事実務基礎の攻略法①要件事実 ②民事保全法・民事執行法 ③二段の推定 ④法曹倫理 ⑤その他

          予備試験実務基礎科目で確実にAを取る攻略法

          民法判例百選で最も重要な判例を1つだけ挙げると…

           民法、難しいですよね。範囲も広いし条文も多いし、どれだけ勉強しても実力が上がった気がせずコツを掴むのが難しい科目だと思います。  今までこのnoteで会社法、民事訴訟法、刑事訴訟法、労働法の判例百選から重要判例をピックアップしてみましたが、民法判例百選で最も重要なのはずばりⅠの「3」(最判平成14年3月28日)です。伊藤塾の基礎マスターには載っていないややマイナーな判例ですし、初めて見たという人もいるかもしれません。しかしこれを理解できれば自信がついて民法が得意になる(気

          民法判例百選で最も重要な判例を1つだけ挙げると…

          刑事訴訟法判例百選から重要判例を65に絞りました

           会社法、民事訴訟法に続いて、最後に刑事訴訟法判例百選を紹介します。百選には100+Appendix56=156個の判例が掲載されていますが、その中から特に重要な65個をピックアップしました。  数を見ていただくと分かるのですが、強制処分/任意処分の分野だけで32個と半数を占め、大きなヤマである伝聞法則の判例は少ししか取り上げていません。「写真撮影は適法か」「逮捕に伴う無令状捜索・差押えは適法か」といった問題は判例をよく分析して当てはめの相場観を養っておく必要がある一方で、

          刑事訴訟法判例百選から重要判例を65に絞りました

          民事訴訟法判例百選から重要判例を65に絞りました

           民事訴訟法判例百選は百選を名乗っておきながら118もあり、さらにAppendix42個を加えると160もの判例が掲載されています。とても全部を完璧に理解する時間はありません。そこでその中から重要なものを65個に絞りました。   民事訴訟法は判例学習の重要度が特に高い科目です。たとえば予備試験平成26年は96、平成27年は74、平成28年はAppendix16、平成29年は22がほぼそのまま元ネタです。これらの判例を理解していればさほど難しくありませんが、逆に知らなければ手

          民事訴訟法判例百選から重要判例を65に絞りました

          会社法判例百選から重要判例を65に絞りました

           会社法判例百選【第4版】が2021年9月に刊行されました。第3版に収録されていなかった最新判例が14も加わっており、第3版しか持っていない人はぜひ買うべきだと思います。  第4版には102+Appendix44=146の判例が掲載されていますが、すべてを同じ密度で完璧に覚えるには時間も記憶力も足りません。一番まずいのは全部やろうと意気込んで途中で諦めることです。全部が中途半端になるよりは重要なものを深く理解しておくほうが賢明です。そこで、146の判例から65個に絞ったもの

          会社法判例百選から重要判例を65に絞りました

          究極的に怠惰な人間が予備試験に合格した勉強法を紹介します

           はじめまして。先日令和3年予備試験に合格し、令和4年の司法試験合格を目指しているアナスタシアと申します。  いきなりですが私はかなり怠惰な人間です。集中力はないし、常に寝たいし、覚えることは少ないほどいいし、起案が大嫌いだし、答案構成はしません。六法はほとんど開いたことがなく、基本書も芦部憲法以外は一冊も通読したことがなく、百選も商訴以外はほとんど読んでいません。こんな怠惰を絵に描いたような人間でも200番台前半で中位合格することができました。この記事は私のように怠惰な方

          究極的に怠惰な人間が予備試験に合格した勉強法を紹介します