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母の最期は華やかでありました。-葬儀を終えて- #11

起業家という道を経て、今は二作目の出版を目指して執筆活動に明け暮れる橋本なずなです。

( ※どうか、このnoteが母の葬儀に参列してくださった皆様に届きますように )


先日27日、晴天の広がる1月最後の週末に、母の葬儀は執り行われました。

喪主は私。
親族として母の恋人のヤナちゃんと、母と共通の友人であったカナちゃん、私の友人のトモくん、そして父が集まりました。

納棺は当日、告別式の前に行われて、私とヤナちゃん、父の三人が立ち合いました。

病院で見た以来の、白く、固く、冷たくなった母の身体を、納棺師の女性が綺麗に整えます。
顔を身体のよごれを拭いて、鼻と口に綿を詰めて、白装束を着せて、最後にお化粧をします。

葬儀会社の事情で(季節柄、この時期は亡くなる方が多いようで…)、母の息が絶えた日から葬儀が行われるまでは、三日の時間がありました。
遺体が腐敗しないようにきちんと対応は取られつつも、やはり、顔や身体の一部分は青黒く染まり始めていました。

それを隠すように、母の顔にナチュラルベージュのファンデーションが塗り広げられていきます。

最後に、幾つかのルージュを混ぜた紅が、母の唇を染めて完成。
アプリコット系の色味に「 お母さんブルべなんだけどな… 」なんて思う冷静な私。

お化粧を終えた母の顔は、やっぱり綺麗でした。嫉妬するくらいに美しい。

ヤナちゃんと父に目を遣ると、二人とも、今にも涙が零れそうなのを堪えていました。
ヘンな話かもしれないけれど、愛し合った二人の男性に見送られる母って、女性として超勝ち組なのでは…?

「 やるやん。」
心の中で、私は母ににやりと笑い掛けました。


告別式まで時間があって、私は式の流れをおさらいしていました。

今回はお坊さんを呼ばない “自由葬” を選びました。
そもそもお葬式自体も参列したのは遠い記憶。執り行うのなんて当然初めてで、何をすれば良いのか全く分かりません。

「 すみません 」と、私は葬儀社のスタッフさんに声を掛けました。母と同世代くらいの小柄なお姉さん。

「 あの、私、喪主を務めるのが初めてで… お葬式自体も経験が殆ど無くて。お恥ずかしいんですが何をすれば良いか分からなくて・・・ 」

お姉さんは丁寧に教えてくれました。
ちゃんとやらなきゃって気負わなくて良いよ、気持ちが大事だから、と。

その後、話を訊くと、お姉さんも一昨年に息子さんを亡くされたとの事。

『 だから、なんだか、あなたを見てると息子のこと思い出しちゃってね… 』
と、お姉さんは柔和な表情をして涙を流していました。

親を亡くした私と、子を亡くしたお姉さん。
多くを語らずとも、この時、互いが抱えているモノを少しばかり共有できた気がしました。


告別式の時間が近づくと、続々と参列者がやって来ました。

当初の予定では私とヤナちゃん、カナちゃん、トモくん、父、それから私の友人と、母の会社の方が数名で10名前後の小さな葬儀を想定していました。
当日まで、母の会社の方というのが何名ほど参列していただけるのか不明瞭でした。

しかし、受付に立っていると、ずっと扉が閉まらない。

『 お母様と一緒に働いていた○○です 』
『 橋本さんにはすっごくお世話になっていました 』
『 スーパーでお母様とおられる時に会いましたよね 』

『 橋本さん、私の父が亡くなった時に、お葬式に来てくれたんです 』

『 “母の最期は華やかであるように” って、書いてたもんね 』

同僚の方、上司の方、私もご挨拶させていただいたことがある方など、母の会社関係だけで20名程の方々が参列してくださいました。

椅子が足らない!と、葬儀社のスタッフさん達はあたふた。

私、その様がなんだか嬉しくって。
母を慕ってくれる人が、母を弔ってくれる人が、こんなにもいたんだって。
私の知らないところでも、母はたくさんの人に愛されていたんだなと、心が温もる感覚がありました。

結果、私たちと会社の方々を含めて、30名近くの立派な葬儀になりました。

お焼香に、別れの挨拶、献花とともに一人一人のメッセージを棺桶に添えて ———
母を乗せた霊柩車は、火葬場へと走り出しました。


( 式中にあったこと、その後のことは、また別のnoteに書きますね )


最後に。

母の上司であった女性が『 “母の最期は華やかであるように” って、書いてたもんね 』と声を掛けてくださって、私の言葉は母の側の方々にも届いているのだと知りました。

当日は、お一人お一人にきちんと礼をお伝えすることができなかったので、今ここに書かせてください。
どうか、母の葬儀に参列してくださった皆様に届きますように。

この度は、私の母の葬儀にご参列いただきありがとうございました。

51歳という短い人生でした。
しかし、その最期を多くの皆様に見守っていただいたことを、母はとっても喜んでいることだろうと思います。
皆様の声が響き、涙を流し、たくさんの花を添えていただいたこと。
本当に、本当に、ありがとうございます。

葬儀が始まる少し前に「 人と人が関わりを持つということが、いかに尊いことであるか 」を、皆様の背中を見ながら考えておりました。
母が天に昇っても、皆様の心のなかに母との思い出がある限り、母が生きた証はこの世に残り続けることでしょう。

母の最期は華やかでありました。
母の人生に関わってくださって、本当にありがとうございました。

皆様もお疲れの出ませんように。ご自愛ください。

娘 橋本なずな

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