「女の子は結婚の際に姓が変わることが多いため「地格」を重視する傾向があります。」について

妊娠3ヶ月ごろに、赤ちゃんの名付けの参考にしようと、姓名判断のサイトを見た。まだ男の子か女の子かもわからないから、どっちでもつけられそうな名前はないかなという感じでみていた。そこで「女の子は結婚の際に姓が変わることが多いため「地格」を重視する傾向があります。」と記載があった。
それを見て、その記載の冒頭を「男の子も女の子も〜」と直したくなった。もしくは、その記載自体を無くすか。
現状では、どちらの姓を名乗ってもいいとしつつ、夫の姓を名乗る夫婦が9割だ。慣習や同調圧力がそうさせている面があると感じる。それは結婚時に男女が同じ条件でニュートラルに姓を選択できていないこと、バイアスがあることを意味しているように思う。この名付けサイトのような何気ない記載も、そのバイアスを生む1つのように思う。
姓を変えることについて、男女差の好みが分かれており、女性に姓を変えたい人が多いからそうなっているならば問題ないのかもしれない。しかし、私は女性だが、姓を変えたいか変えたくないか深い考えもなく慣習で結婚時に姓を変えた。そして本当は、アイデンティティを喪失したような自分がどこにもいなくなったような気持ちで過ごしている。私は1人に過ぎず、「女性」という属性全部の気持ちを代弁している訳ではなく、本当の女性の気持ちはこうだということではない。中には例えば、好きな人と同じ苗字にしたいから、姓が変わって嬉しいと心から思っている女性もいるだろう。でも、そうなってくると女性や男性ではなく、本当は個人の選択になるのではないか。だから、9割の夫婦が夫の姓を名乗っているその割合がやはり不自然な気がする。
赤ちゃんの性別はまだ分からないが、女の子だった場合は、その子の人生の選択ではなく、生まれる前から社会通念で結婚後苗字が変わるものとして記載されていることがとても気になる。結婚時に女性は姓を変え、男性は変えなくて良いという何となくの習慣はその「なんとなく」が圧力になってしまうことがあると感じる。名付けサイトの記載だけでなく、またジェンダーに関わること以外にも、まだ気づいていない当然の社会通念のような記載が、バイアスを生む元になるような例はたくさんあると思う。キリがないし揚げ足取りみたいになってしまう懸念もあるが、一般的と思われていることを記載する際はもう一度振り返って、バイアスがないか、公平な観点かという視点を入れて、丁寧に記載してほしい。

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