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1ヶ月間おせちのコピーを考えてみた。

Twitterで「おせちのコピー」を投稿

新年あけましておめでとうございます。コピーライターの岩橋です。オリンピックをはじめ、今年は日本の運命の年になりそうですね。一人ひとりにとっても人生の分岐点を迎える人も多そうです。この記事を読んでいるあなたも。かく言う自分も。さまざまな人にとっての大切な2020年、一発目の記事です。お時間をいただけたら幸いです。

昨年の12月、私はTwitter上で「#1日1コピー生活」という取り組みを行っていました。

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お題を決めて、1カ月間1日ひとつコピーをTwitterにアップするというもの。選んだテーマは「おせち」。自分のコピーライターとしての腕を上げるための取り組みでした。

投稿した数は18本。力不足で「1日ひとつ」とはいきませんでしたが、今回は、投稿したコピーを制作意図も含めてまとめて紹介したいと思います。拙い部分もありますが、「こんな風に考えたのだな」と少しでも楽しんでいただければと思います。

なぜおせちをテーマに選んだのか

まず「なぜおせちをコピーのテーマに選んだのか」について説明します。

今日は1月1日ですから、もうすでにおせちは食べたという方もいらっしゃるでしょう。自分も今朝、実家の恒例行事として家族で乾杯をし、鯛を食べ、黒豆や数の子などを口にしてきました。

おせちって家族や個人によって味わい方はさまざまだと思います。昔ながらのおせち派もいれば、中華風や、ローストビーフが入っているなど現代風にアレンジしたおせち派の人もいる。もちろん、おせちを食べない人だっている。手作りする人もいれば、スーパーでおせちを買う人、伊勢丹や三越で豪華なおせちを買う人だっている。今やローソンで100円おせちだって売っています。

多様化していくなかで、改めて「おせちってなんだろう」と疑問をもったのが、テーマに選んだ理由です。おせちについて自分なりに考えて、その良さを再発見して、皆さんに伝える。そして2020年の今日、おせちっていいな、と改めて思ってもらうことが目的でした。言い換えると「おせちを再定義すること」を目指しました。

ちなみに、自分なりにコピーを考えるなかでたどりついたおせちの定義とは、「誰かから誰かへのメッセージそのものである」というものでした。

1.意味が込められている料理

皆さんご存知の通り、おせちの料理にはそれぞれ食べる意味が込められています。黒豆には「いつまでもマメに働けますように」、数の子には「子孫繁栄」の意味があります。この「意味が込められている料理」であることは、おせちならではの良さであると思いました。

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伊達巻の学問成就の意味ってなかなか知られていないと思うんですよね。トリビアとして、食べるときにちょっと意識が変わるのかなと思いました。

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歴史的には、おせちは平安時代からあったようです。今のように全国の人がおせちを食べるようになったのは、戦後からのようです。平安時代は遠すぎてピンときませんが、ずーっと長い間祈られて食べられてきた事実ってすごいと思います。

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おせちは日本の食べ物ですが、グローバル化する世の中で、込められた意味って日本人だけのものじゃないのかも、と思いました。

2.ハレの日の食べ物

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おせちは「ハレの日」の食べ物であるというシンプルな事実です。ボツ案でしたが、見返すとどうしても気になるコピーだったので投稿しました。

3.お正月そのものから考える

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おせちを食べる元日という日から考えてみました。やっぱり元日って誰しも1年で特別な日だと思うんです。そんな時に食べるおせちもやっぱり特別ですよね。

4.おせちを囲む風景

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おせちを家族と一緒に食べるという人も多いと思います。1年に一度、恒例行事として家族、親戚が集まる。ひとつずつ年をとりながら、家族もかたちも少しずつかたちを変える。手作りであれ、豪華に買ったものであれ、毎年その中心におせちがある。つまりおせちを食べる場そのものが人生において大きな意味をもったものではないかと考えました。

5.「年末は家族と過ごしていますか?」というメッセージ

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「おせちを囲む風景」の延長線上で、一人暮らしをしている若者を想像しながら考えました。例えば仕事が忙しくて、「今年は帰省やめておこうかなー」と思っている人に、おせちだからこそメッセージとして伝えることができるのではないかと思います。

5.お酒の肴として

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これまでとは全く違う点から考えてみました。昆布巻とか、おいしいですよ。

6.手作りもメッセージだ

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食材だけではなく、手作りに込められた想いも、作り手は意識しなくてもきっとあるはずです。だってあれだけの品数を作るのは大変ですよ。元旦に食べるのであれば前の日から仕込んでおかなければならない。手作りってなかなか当たり前じゃない。そのありがたみも含めて、再認識できればと思いました。毎年家族が作ってくれている自分への戒めでもあります。

7.おせちをプレゼントしよう

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「手作りもメッセージだ」とは逆の観点から考えました。手作りはすごいですが、だからっておせちを買ってくることも全く悪くないのです。

8.食べ方について

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「おせちは食べる習慣がない」、「一人暮らしを始めて今年は面倒だからやめておく」そんな人もいるかと思います。けれどおせちは別に豪華だったり手の込んだものではなくてもいいと思うんです。ローソンで100円おせちが売られている時代です。「ハレ、のち、おせち。」というコピーも紹介しましたが、元日というこの日を祝う気持ちさえあれば、なんだっていいんじゃないか、という思いでこのコピーを考えました。

まとめ

「おせちはメッセージそのものなのではないか」という自分の考えをはじめに述べました。おせちの料理に込められた意味は、昔の人から現代、これからの人へのメッセージ。手作りには、作り手から食べる人へのメッセージがきっとある。おせちを食べる場も、お互いがお互いに対しての「今年も元気にいるよ」というメッセージ。ハレの日のめでたいメッセージでもあります。

現代ではさまざまなおせちがありますが、祝う気持ちが一番大切なんじゃないかと思います。





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