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ビュー・レビュー・ラビュ


私は詩を作為的につくることはできない

といって、詩人でもクリエイターでもない
映像の翻訳だったり、抽象画のようなものであり
誰にもほんとうを明確に見せないでいるのに
いちばんほんとうを表出させることができる
暗号のようなものなのだと思う
他の誰かにわからないついでに
私にもわからないことが多分にあって
しばらくして読み返してみて
書いたことも忘れているけれど
その分、すっと氷解したようにわかることがある

読み返してみると
よく使われている単語やモチーフがあることに
気がつく
それは、語彙が少ないだけかもしれないし
それらの単語やモチーフに思い入れが
あるのかもしれない
いや、ことばに想いを込めるから「想い入れ」
なのかもしれない

ある方とのやり取りのなかで何の気なしに
「世界観」という単語を出したけれど
その方には世界観があって
私にはおおよそ世界観というものはない
と思った

つまるところ、
同じことばやモチーフの連続、偏重が
世界観をつくるわけではなさそうだ
現に品性やマウントといったことばばかりの
文章からは世界観ではなく
似たようなことばかり言っている
ようにしか思えないし
私が書いているものもきっとそう
書いている本人だけが違うものを書いている
と思っていても他者にはそう映らない
やはり私はクリエイターではない
と直視できる
作為的に詩を書くことはできずとも
意図的にそれを止めることはできる

飾り棚に物を並べている

少しずつ物を増やして
繰り返し並び替えをする
部屋に統一感を持たせたいから
好きな物だけを並べることは違う
ようか気がしてますます悩む
(辛い、苦しい意味ではなくて)

とは言え、目指したい統一感には
自分の嗜好が反映されるわけで
今まで手にしてこなかった物を
買い集めて、並べたとて
好きな物の幅や奥行きが生まれるだけで
飾り棚には私の残像のようなものが
生まれるのだと
昨晩眠るまえに未完成の飾り棚をみて
ふと思った

では、これは世界観なのかと言われると
それも何だか違うような気がする
特異であれば良いわけではないのだろう

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