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夜に置き忘れないために

アルコールを少し摂って
コンポーネントから流れる音楽に寄りかかりながら
静かに本を読み続ける

ソファに吹き下ろす空調の人工的な風を
柔らかなタオルケットで遮って
耳と目で空想世界を膨らませる

時折、サッシがピシリと音を立てて
思い出したようにあたたかな紅茶を啜る
押し出されるように涙がこぼれそうになる

もちろん実際には泣かない
(何故、もちろんかについては私しか
理解できないことだし、説明することは難しい)

音楽が流れている方が静寂は傍にいて
物語に触れている方が私自身と向き合えている
そんな風に思いながら時間はゆっくりと
そう、とてもゆっくりと流れていく

たんなるにっき(その136)

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