住宅地の中にこんもりした森があるのを車窓から見ていた友人の子が、「トトロいるかな」と呟いた

時は流れ令和ではあるが、小さい子が抱くその感覚はわたくしたちの時代と変わらず今もそこにあることがある種新鮮であった　

ふかふかのトトロのお腹や猫バスの後部座席に思いっきりダイブしてみたかったよね

その子が我が家に来た時のこと　その日は一点の曇りもない青空で、一日中めいいっぱい遊んだ　

お弁当持ってピクニックに行き、通りすがりの公園でも遊び、シャボン玉もし、花畑を走り回り　戻ったらうちの猫とも遊び、家の中を探検し　歌い飛び跳ねと終始動き回っていた

もうまさにトトロに出てくるメイそのものであった　底なしの元気　いろんな子をみるけど、なんか桁違いのエネルギーなのだ　光の塊って感じで今思い出しても眩しいくらい

メイが帰った日の夜、別件でその友人に電話した　そしたらメイが隣で泣いているのが聴こえてきた　

昼間あんなに元気だったから狼狽えたが、度を超えて遊んだし疲労で振り切れちゃったのかと思った　しかし友人の説明によると違っていていた　

今日みんなが優しかったからすごく嬉しかった　彼女が伝えたのはそういうことだった

1日の終わりに今日という日を思い出して、楽しくて涙が出る　

5歳の子の想像だにしない世界に言葉を失った

またその気持ちを拙いけれど言葉にして伝えてくれたメイにも震えた

光の塊　どうかそのまま、豊かなままに大きくなってほしいと心の底から願った　

ナタコ