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[No9]20年、フリーライターやってます~3たび売り込みす

年初に、今年の目標を20項目くらい書いたのですが、そのうちの一つが、「ワークライフバランス」。が、年明け2週間にして、有名無実な目標に。なんかめちゃ忙しい!!! でも、「休みがほしい」なんて言ってはバチがあたります。駆け出しのフリーライターの頃、手帳が取材でびっしり埋まっている先輩ライターを見て「いいなー、私もあんなふうになりたい、、」と思っていたことを振り返ると、夢がかなったと言うべきで、これは本当にありがたい。いつも応援してくださっている皆さん、本当にありがとうございます!

さて、チタンのような女と言われた私が、出産後せっかく得た仕事を断念したところまでお話ししました。

ここまで読んでくださった人の中には、そろそろこんな疑問をお持ちになる方もいるんじゃないでしょうか。
「夫は何をしていたんだ」と。
これもそのうち書こうと思います。

ワーキングマザーを続けようと思ったら、「夫とどう折り合いを付けるか」は絶対避けて通れない道。そもそもこの連載は、私と同じようにフリーランスで子育てと仕事を両立したいと思う人の参考になればと思って始めたわけだから、そこもはずせないのかなと。まあ、あの失敗例に学べ、みたいな内容になるかもしれませんが。。

だいぶ話が横道にそれました。
 
売り込みの話にもどりましょう。
ファッション雑誌に売り込みに行ったのと同じ頃、女性のキャリアアップがテーマの、ある雑誌の編集部に売り込みに行きました。

実はそれが一番書きたい雑誌でした。

連絡先を調べ、まずは手紙を書き、手紙が着く頃に電話をしてアポをとる。いつものパターンです。

雑誌の裏表紙には、編集部の住所と、編集長の名前(男性)、そして副編集長の名前(女性)がありました。ここが私のチキンなところですが、男性の編集長に連絡をするのはなんか怖い、連絡するなら女性の副編集長のほうにしようと思いました。

これは後から思えば正解でした。大所帯の編集部にはありがちですが、実際に雑誌のことをすべて掌握して現場を仕切っているのは編集長ではなく副編集(しかもデキる女性)ということが多いのです。弱気な性格が幸いして、私はいきなりキーマンに会うことができたのでした。
 
ファッション雑誌のときと同様、ワーキングマザーについての特集の企画書と、作文のような原稿を携えて、副編集長のYさんを尋ねました。
ひととおり私の話を聞いたあと、Yさんは言いました。
「こういう企画、私もやりたいんだけど、あまり売れないのよねぇ」

Yさんは、ご本人曰く、“この業界ではおそらく唯一の” 結婚・出産後も働いている副編集長。自分もまさにワーキングマザーとして奮闘しているのでやりたい企画だけれど、そのテーマに該当する読者も、関心のある読者もいないだろう(20年前はそうだったのです!)と。売れない企画をやるわけにはいきません。
「せっかく来てくれたのに悪いんだけど」と、帰されてしまったのでした。

ところが、これまた忘れた頃に、編集部から一本の電話がかかってくるのでした。(まさかの、同じパターン!)

(2015年01月28日「いしぷろ日記」より転載)

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