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[NO.16]20年、フリーライターやってます~やりたいという気持ちほど強いものはない

編集長の仕事は3年続けました。その間、いろいろなことがあったのですが、詳細はもうちょっと時間が経って時効になってから……。とはいえ、私のみっともない経験については誰にも迷惑がかからないので少し書いておこうかと思います。

Webマガジンの創刊が決まり、日々更新する記事をどうやって集めるのか、キラーコンテンツになにを据えるのか、デザインは? 写真は? イラストは? 制作チームとの連携は? などなど考えることは山ほどありました。

その頃は、人脈もほとんどなかったのでイチから人探しをし、金額交渉をし(相場もわからないのに!)、とにかく手探り。多少雑誌の仕事をしたとはいえ経験は浅く、ベテランのライターさんから「そんなことも知らないの?」と叱られることもしばしば。

ありがたかったのは、リーダーのH氏は余計なことは言わず好きなようにやらせてくれたこと。たぶんH氏は、私が「こうしなさい」と言われるとやる気をなくすタイプだとよく知っておられたのだと思います。放ったらかしにされて、「やっばーい!どうしよう!!」と追い詰められてからのほうががぜん頑張るタイプなのでした。

企画会議で、目玉コンテンツの一つに、毎月著名人にインタビューをするというコーナー(ありがちですが……)を提案したときのこと、「それ、本当にできるの?」「毎月毎月、著名人をどうやって引っ張ってくるの」「どうしてもそれをやる理由は?」と問い詰められました。

何か論理的な答えを求められているのだろうけど、そんなものはありません。ただ面白そうだからやりたいという私のミーハーな願望でしかなかったのです。

どよーんとした沈黙を破ったのは私。

「そ、それは……、私がやりたいからです!!」

まさに「窮鼠猫を噛む」とばかり言い放つと、H氏は破顔して言いました。
「だったらできるんじゃない? やってみたら」

え? そんなんでいいの? 思わぬ展開にぽかーんとしていると、
「だって、やりたいという気持ちほど強いものはないから」
とH氏。

なるほど。そう言われると「絶対やってみせる!」と闘志がわいてくるのでした。今思えば、H氏の思うツボだったのかもしれませんが……。

そんなこんなで、華々しいプレス発表までしてwebマガジンはスタートしました。最初のPVは、1日200とか300。手をかけお金もかけたコンテンツがわずか300人にしか読まれていないのか……と愕然としたことを覚えています。

3万人の目標を掲げた購読会員も、なかなか増えない。じりじりと苦しい日々が続いたのですが、会員数が1000の山を越えた頃からでしょうか、ぐいぐいとPVが上がり始め、会員数はあっという間に1万、2万と増えていきました。そして一時は「この業界では最大」と言われるほどのwebサイトになったのでした。

(2015年03月29日「いしぷろ日記」より)

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