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マドリードに行こう! @ソフィア王妃芸術センター

美術館に行くと体力的に疲れませんか?
私は足腰にきます。

今夏、マドリードのソフィア王妃芸術センターに行って。
見終わるのに6時間かかった!6時間‼️タフネスの発揮しがいがある。

私は西洋美術オタクなので6時間かかりましたが、美術館に6時間なんて!という人の方が多いと思うので、僭越ながらこの作品はぜひ見てほしいという3作品を私の偏見のもと紹介します。


1、ピカソの『ゲルニカ』

ピカソの『ゲルニカ』は外せない。というか『ゲルニカ』を観にいく、という人がほとんどだと思う。グレーのワントーンで描かれた作品を前にすると、戦争の悲惨さや虚しさで鳥肌が立つ。

『ゲルニカ』と同じ部屋にはドラ・マールが撮った『ゲルニカ』の制作過程写真も展示されている。『ゲルニカ』を観て、制作過程を追って、もう一度『ゲルニカ』を観る。最初よりピカソの苦悩が伝わる気がする。

『ゲルニカ』について“もっと知りたい”“事前に少し勉強していきたい”という人はぜひ原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』を読んでみて!。

2、ピカソのキュビズム以前

ピカソといえば『泣く女』などのキュビズム作品が広く知られている。
キュビズム以前のピカソ作品もとっても魅力的。

ソフィア王妃芸術センターでは2点の作品が展示されていた。

左は「印象派」っぽい作品。右はピカソの「青の時代」の作品。
寒色系の色彩の中、チークとリップの赤が目を引く。

特に右の『青衣の女』は「青の時代」初期作品。「青の時代」作品はカンヴァスの使い回しで他の作品に塗りつぶされたりしたので、現存する作品がとても少ないから、なかなかお目にかかれない!

キュビズム以前の作品を観ると必ず思うのが
「ピカソは普通に絵が上手」。そう、「普通に絵が上手」(2回言った)

二つの作品を見ていると、描かれている女性は本当にこんな見た目やったんやろうなとか、雑な(大胆な)筆致なのに少し離れてみると違和感はないし、ドレスもふんわりして見えるし。ピカソの筆致って迷いがないというか、無駄がない気がする。一発で描けるってことは「やっぱり絵が上手なんだなぁ」と何度も思う。

3、ダリの蟻

ダリの蟻。ダジャレじゃないです(笑)。
ソフィア王妃芸術センターではダリの作品もいくつか展示されていて、小さいけれど、ダリのエリアもある。

ダリもスペインの有名な芸術家。シュールレアリスムという現実を超えたメタな世界、夢や無意識の世界を表現している。(ちなみにシュールレアリスムはフランス語で”surrealisum”で、大雑把にいうと”リアルの上”という意味)

「何じゃこの絵はー!不思議!ファンタジー!」みたいな感じで日本でも人気だと思う。絵画だけにとどまらず映画制作とかもしているまさに”アーティスト”。ダリの映画もダリエリアで観ることができる。(余談だが、チュッパチャップスはスペイン発祥のキャンディで、そのロゴはダリのデザイン)

その絵画や映画を観ていると“蟻”が頻繁に登場する。たくさん見かける。映画では俳優の手からうじゃぁっ〜と蟻が出てくる演出があり、俳優さんは本当によく耐えたな、と思った。

左の作品のど真ん中に蟻がいる。右はその部分を拡大。
ダリの作品はエリアによって写真不可もあるのでご注意を。

この”蟻”。よくよく観察するとおかしい部分がある。
腹の部分から一対の足が生えている。
「そんなに好きなら、もう少し観察しろよ〜」と内心ツッコミを入れてみたり、「いやいや、シュールレアリスム作品だから空想上の蟻ってことなのか」など。
疑問は深まるばかり。

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