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表紙の撮影:写真の部屋

今日は『写真の本(仮)』のカバー写真の撮影をしました。書籍のカバーを新規に撮影するというのはあまり多くないスタイルだと思いますが、文中で出てきた内容をそのままカバーにフィードバックするカタチになっております。そのアイデアを考えついたとき、写真家でありアートディレクターである醍醐味というと大げさですけど、頭の中で考えたものをビジュアル化することができる楽しさを再確認しました。

最近の書籍では大きめの書名がバーンと表紙を埋めている傾向のものが多く、編集の今野さんに聞いても、本のためにディレクションして撮影をすることは滅多にないとのことでした。前回の『ロバート・ツルッパゲとの対話』では表紙のタイトルと写真の貢献度がかなり大きかったので、今回もそれに負けずに「写真とアートディレクションをしている人が書いた本である」というスタンスとインパクトをなくさないようにしました。

書名のタイポグラフィだけなら簡単なのですが、あえて撮影することを選んだために手間と予算が増えました。しかしそこを面倒くさがってしまうといけません。わかっていながら、できるだけ手がかかる方法を選択しました。本番前日である昨日の夜に今野さんと話して、あるアイデアをボツにし、急遽別の方法に変えたりもしましたが、結果としては満足な「いつも通り」の仕上がりでした。スタッフの皆さんに感謝です。

スタジオで人物を撮ると簡単に言っても、やるべきことはたくさんあります。皆さんの参考になるかはわかりませんが、定期購読メンバーの皆さんには以下の通り、経緯をお伝えします。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。