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中年の現状維持バイアス:Anizine

昨夜はNew Yorkにいる平林監督とTwitter(現X)のSpacesで話しました。ガゴシアンで行われる展覧会のオープニングに呼ばれたようです。ラリー・ガゴシアンと言えば世界のアートに最も影響力のある人物、と言われていますが、彼らに代表される巨大アートビジネスは「実力の世界」ですから、そういった勝負の戦場を垣間見ることはとても有意義です。

アートの世界は「有名な企業の仕事をした」「流行った」などというビジネス的な基準とは違うチカラで動いています。そこにあるのは個人だけです。

中年の一番の敵は『現状維持バイアス』で、今まで自分なりにやってきたことを否定できなくなります。時間をかけて努力してきた結果を否定したり捨てたりする勇気がなくなっていき、現状に満足していないくせに企業のランクなどに由来するプライドだけはあったりします。とにかく仕事だけしていれば時間が過ぎていった若い頃とは違って中年はどんどんやることが減っていくので、余った時間を余計なことに使ってしまうのです。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。