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ハラスメント全般:Anizine(無料記事)

昨日読んだ記事に絶句した。「ミス・アース」というミスコンテストの予選会のパーティで、出場者の女性たちが審査員たちのお酌をさせられ、ホテルの部屋に誘われるなどのセクハラをされた、というもの。この大会は国連機関がパートナーだと名乗るが、国連側は無関係だと言っている。

こういったハラスメントは後を絶たず、酒の席で多少無礼な真似をしても許されるという日本文化は色濃く残っている。俺は酒を飲まないのでシラフのままずっと観察しているが、気になることは多い。酒だけではない。たとえば恋人がいたり、既婚者である女性に対してソーシャルメディア上でも呼び捨てで話しかけたりする人がいる。

「エツコ、相変わらず昔と同じでスタイルがいいな。エロい」

というようなリプライを見かけることがある。古くからの男友達なのだろうが、それを見たパートナーはどう感じるだろうか。いい気持ちにはならないはずだ。俺は友人の女性が結婚したりした場合、それまで「ちゃん」と呼んでいたとしても「さん」に変えるようにしている。しかし、誰でもが読める場所で性的にも思えることを書ける無神経な人たちは、一対一の場ならもっと言動はキツいはずである。

政治家や権限を持つ人々のハラスメント騒動が指摘されると彼らはいちいち、「誤解を招くような行動をしてしまい、傷ついたのなら反省します」と言ってみせるが、相手が傷つくかどうかを最初に考えていないから何も変わらない。この記事の中で特に気になったのが、

アフターパーティ-の異様さは、ほかの出場者たちも感じていた。礼奈さん(仮名)は会場に入った瞬間から「気をつけなきゃ、とスイッチが入った」と振り返る。

47newsより

と書かれている部分。ミスコンテストに出るような女性は容姿端麗だろうから日常的にこういう状況に晒されているのだと容易に推測できる。この危機管理の「スイッチ」が働かない人は簡単に場に流されてコントロールされてしまう。どんな場所でも人と会うときにそんなスイッチを入れたくはないだろうが、自衛のためには仕方のないことなのだとしたら日々の苦労を思う。

ミスコンテスト自体の是非は一旦置いておくが、完全な男社会が生む、「何かを得たい女性は権限を持った男にお酌するものだ」という考えは、2023年になっても何もアップデートされず、変わっていない。

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