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ミッドナイト・ツルッパゲ

リスナーの皆さんこんばんは。今日はタクシーに乗ったら冷房がかかっていました。日本にはもう四季なんて存在しないですね、二季です。二季二季二季二季二季の国、です。冗談は林家正蔵の落語だけにしておきますが、最初のお便りは「浅草民芸ホール」さんからです。

いつもミッツルを楽しみに聴いています。墨田区の独身貴族、浅草民芸ホール40歳です。ロバートのさじ加減だと思いますが、ここ数日は毎日更新されているのでうれしく思っています。また数年間くらいアップされなくなるんでしょうが。閑話休題。数年ぶりに彼女ができました。33歳でネイルサロン勤務の女性です。彼女とは二ヶ月ほど前に友人との飲み会で知り合い、意気投合しました。休日にふたりでドライブに行ったりして楽しい毎日なのですが、先日、たまたま開きっぱなしになっていた彼女のスマホのカメラロールを見てしまいました。そこには以前付き合っていたと思われる彼氏との写真がたくさんありました。

どうやら相手は今流行りのIT社長か何かだったようで、高級レストランや外国の風景などが写っており、自家用ジェットでヨーロッパ旅行に行き、ロールスロイスのようなクルマでドライブしている写真がありました。私は「見なければよかった」と後悔しました。彼女は私とスズキ・アルトでドライブしているときは笑顔だったのですが、心の中では「ナンバーが黄色い。キモッ!」「ファミレスのカレーフェアとか意味わかんないんですけど」と思っていたのではないかと被害妄想が膨らみます。高級なバッグなどをいくつも持っているので「高いんでしょ」と聞いてみると「亡くなったおばあちゃんの形見」だと言うんです。私はそのバッグをネットで検索したので、2023年の春夏に発売されたモデルだと知っています。

ロバート、女性はやはりIT社長みたいな人が好きなんでしょうか。お金で人の心は買えないとか言いますけど、芸能人なんかは結局のところ金持ちの社長と結婚しますよね。彼女は本当に私のような黄色いナンバーに満足しているんでしょうか。ぜひ、マイアミバイスをください。

という浅草民芸ホールさんからのお便りでした。これはよくある状況ですね。まず、浅草民芸ホールさんは彼女のスマホを見てしまったのがよくないです。これからは絶対に見ないようにとマイアミバイスしておきます。それさえ見なければ自分のクルマのイエローじみたナンバーの色なんて気にしなかったはずですし、話を聞く限りでは彼女は民芸ホールさんとの日常を楽しんでいるように感じます。高級なレストランなんてお金さえ出せば誰でも行けるんですよ。クルマも自家用ジェットも。商売人というのは、たとえどんなに趣味が悪い客であってもお金を払ってくれる人には売るものです。あるハイブランドの店員に聞いたことがあります。まったく似合っていないのに高いスーツを毎月買いに来るおっさんがいて、「お似合いですよ。」の後半部分「ですよ。」のところで笑いを我慢するのが大変だと。ちょっと笑ってしまって、あーいとぅいまてーん、となることも多いそうです。

Googleレンズは便利ですが、彼女の持ち物の値段を検索したりするのもやめましょう。彼女にはあなたに出会う前に歩んできた歴史があります。そこにいなかった自分が過去と張り合ってどうするんですか。彼女のことをこれからも大事にしたいならすべてを忘れることです。彼女はホールさんが軽自動車に乗っていようがファミレスに連れて行こうが何とも思っていないと思います。それよりホールさんは「閑話休題」「独身貴族」みたいなクソダサい言葉遣いを直しましょう。

では曲、行きましょう。松任谷由実で『中央フリーウェイ』です。

(スタッフに)
ホールさんって、なんだよ


多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。