第5回 ツモ和了り確率の計算

第5回 前回の話の続きです。東1局親、第1自摸で下記のピンフ手を聴牌したとしましょう。

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見えている牌数、見えていない牌数の確認

このとき、東家から見て、未知の牌数は、

南家の配牌 13枚
西家の配牌 13枚
北家の配牌 13枚
ドラ表示牌を除く王牌 13枚
次の南家第1ツモから最後の南家ハイテイ自摸までの69枚
(東家第2~第18ツモの17枚、南家ツモ18枚、西家と北家各17枚)

という合計121枚です。このことを確かめるために、自分が親で、サイコロの出た目が「自5」という前提で図を描くと下のようになります。山の東家~北家は配牌時にとるブロック、色付きの、1~70はツモ牌、灰色の1~14は王牌です。

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この図を描くのに大変な時間がかかりましたが、一度、こういうのを描いてみたかったのですw

ツモ和了り確率の計算式

いささか非現実的ですが、他家の放銃も和了もないと仮定します。
途中で、他家が自分に振り込んだり、逆に自分が他家に振り込んだり、他家がツモ和了りするとそこで局が終わってしまいますから。

上記の仮定の下で、n枚の未知の牌の中にa枚のアガリ牌があるとき、r回のツモでツモ和了りする確率を考えましょう。

前回は
https://note.mu/anmo_suzuki/n/n5ab0ce56e90a

具体的な数字で考えましたが、ここでは上記の記号を使って一般的に表します。和了確率を直接求めるのはスジが悪くて、和了しない確率は、n枚からr枚取り出したときにa枚の当たりが1枚も入っていない確率となります。
和了しない確率はC(n-a,r)/C(n,r)となので、和了する確率は残り、つまり1-C(n-a,r)/C(n,r)となります。

f(n,a,r)=1-C(n-a,r)/C(n,r)とおけば(『科学する麻雀』ではf1()と表記していますが同じことです)、上述のダブリー・ピンフの和了確率はf ( 121,8,17)となります。もし、ドラが2万でドラ表示牌に1万が1枚見えていればf ( 121,7,17)です。

組み合わせ(Combination)はエクセルの関数ではCOMBINとなります。
COMBIN関数を使って計算すると下の表のようになります。リャンメン待ちで一枚も見えていない状態をここでは「8枚待ち」と表現しています。

D1セルのは「=1-COMBIN($B3-D$1,$C3)/COMBIN($B3,$C3)」という数式が入っています。ほかはそれを右下の四角(これをフィルハンドルといいます)で数式をコピーしてます。


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東家第1ツモで、6枚待ち以下はちょっとおかしいのですが、まあ計算上の数字ということで(7枚待ちはドラ表示に見えているときに、あり得る)。50%以上は緑色、40%-50%は黄色、40%未満は赤の背景になっています。

東家6巡目に1枚も見えていないカンチャン待ち(4枚待ち)でリーチすると、ツモ和了り確率は40.2%となります。1枚見え(3枚待ち)ならば31.9%と下がります。


グラフにするとこんな感じ。巡目が深くなると確率は加速度的におちてきます。特に待ち牌の枚数が多いとそうです。ただ、注意点として、他家からの放銃/他家の和了はないことを仮定していますので、実戦では途中で放銃/和了によって最終ツモの前にその局が終了している場合が多々あり得ます。


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他家和了なしのツモ和了りのみの確率なので、そのまま実戦の判断で使えるものではありませんが、親でリーチをかけるとき、子3人はベタオリすることが予想できる局面で使えるかもしれません。特にツモアガリしかないフリテンリーチではそのまま使えます。

以上のエクセルの図表は以下のファイルになります。

ご興味があればご参照ください。もちろん、ウイルスやマクロ等はないです。

あとがき:

「マイナビ 麻雀AI革命 爆打」が発売となりました。マイクロソフトのAI Microsoft Suphx (Super Phoenix)が天鳳で十段になって話題になっているところで、なんともタイミングわる~という感じで、ちょっと気の毒ではあります。

先行発売で早速購入してみました。動作が不安定なときがあったり、あれ?という正解があったりするときもありますが、天鳳で打った牌譜を復習するという点では自分にはプラスになっています。ブログに感想を書いていますので、買おうかどうしようか迷っている方はこちらもご一読いただけると参考にあるかもしれません。


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